詩「ゼロ」
ウソ泣きは五回目で罪悪感がゼロになる
そのたび涙の塩分濃度は薄まり、とはいえ純水になるわけでもなく
失恋は五回目で喪失感がゼロになる
そのたび傷心旅の移動距離は延び、とはいえ恋に臆病になるわけでもなく
夏は上書きされるたび暑くなり
私は上書きされるたびゼロになる
ウソ泣きは五回目で罪悪感がゼロになる
そのたび涙の塩分濃度は薄まり、とはいえ純水になるわけでもなく
失恋は五回目で喪失感がゼロになる
そのたび傷心旅の移動距離は延び、とはいえ恋に臆病になるわけでもなく
夏は上書きされるたび暑くなり
私は上書きされるたびゼロになる