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なみだのある風景

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「詩」の置き場です
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記事一覧

詩「ぷちっ」

道草を食う が、生のままでは美味しくないので 火を通す 恥をかく 炎天下で光る汗のように…

詩「冬の夕」

かさぶたをはがしたくなる衝動と そのあとやってくる焦燥感は ちょっぴり冬の夕方のひんやりを…

詩「横顔」

始まってもいない 恋の終わりを悲観することはなくて 終わってもいない 人生を投げ出そうとし…

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詩「なんて」

祈る みなのため 平和を 流す みなのため 涙を なんて 言えるほど 心がひろい わけではない …

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詩「涙に失礼」

人の数だけ真実があり、その数を超えて蔓延る嘘がある 嘘で塗り固められた砂上の楼閣は、維持…

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詩「泣き顔を見せないためには」

写真家を名乗るのに 資格はいらないが あなたと付き合うには 資格がいりそうだ バックミラー…

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詩「ひび」

ひび  これ  口実  の末、ひび割れた液晶画面の中で涙顔もひび割れている 日々  是  好日 あるがままを良しとして、受け入れる生活へ

詩「醜さ」

醜さの存在あってこその 美しさ 涙を美しく見せるために わたしは美しいからだを 保とうとす…

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詩「今年も」

やさしくていい人ほど 先に逝ってしまう 刹那 だから ぼくは 今年も生き続けるだろう もう …

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詩「静寂につぐ」

一粒の 一雫の 涙の あとの あとの 祭りの 静寂に 次ぐ 嗚咽 静寂に 告ぐ 決意

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詩「そこねる」

捕りそこねた ライトフライ 結びそこねた ネクタイ 泣きそこねた  夕暮れ 倒れそこねた  …

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詩「冬の」

冬の 蠅が ガラス窓とカーテンの間で 光にまみれている 冬の 蜂が 生と死の間で途切れそう…

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詩「ほうれい線」

ひと泣き ごと 深くなる ほうれい線 ひと雨 ごと 丸みを帯びる 環状線 ひと冬 ごと 短くなる…

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詩「あたたかさ」

泣いたあとの 目に映る 冬の夕やけは 刺激が強いから 静かにまぶたを 閉じたまま あたたかさを 感じようとする 明日ではなく 明後日に未来を 感じようとする ように 涙の軌跡は 見惚れるほどで その次に 君は美しい