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道草を食う が、生のままでは美味しくないので 火を通す 恥をかく 炎天下で光る汗のように…
かさぶたをはがしたくなる衝動と そのあとやってくる焦燥感は ちょっぴり冬の夕方のひんやりを…
始まってもいない 恋の終わりを悲観することはなくて 終わってもいない 人生を投げ出そうとし…
祈る みなのため 平和を 流す みなのため 涙を なんて 言えるほど 心がひろい わけではない …
人の数だけ真実があり、その数を超えて蔓延る嘘がある 嘘で塗り固められた砂上の楼閣は、維持…
写真家を名乗るのに 資格はいらないが あなたと付き合うには 資格がいりそうだ バックミラー…
ひび これ 口実 の末、ひび割れた液晶画面の中で涙顔もひび割れている 日々 是 好日 あるがままを良しとして、受け入れる生活へ
醜さの存在あってこその 美しさ 涙を美しく見せるために わたしは美しいからだを 保とうとす…
やさしくていい人ほど 先に逝ってしまう 刹那 だから ぼくは 今年も生き続けるだろう もう …
一粒の 一雫の 涙の あとの あとの 祭りの 静寂に 次ぐ 嗚咽 静寂に 告ぐ 決意
捕りそこねた ライトフライ 結びそこねた ネクタイ 泣きそこねた 夕暮れ 倒れそこねた …
冬の 蠅が ガラス窓とカーテンの間で 光にまみれている 冬の 蜂が 生と死の間で途切れそう…
ひと泣き ごと 深くなる ほうれい線 ひと雨 ごと 丸みを帯びる 環状線 ひと冬 ごと 短くなる…
泣いたあとの 目に映る 冬の夕やけは 刺激が強いから 静かにまぶたを 閉じたまま あたたかさを 感じようとする 明日ではなく 明後日に未来を 感じようとする ように 涙の軌跡は 見惚れるほどで その次に 君は美しい