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ホルモン療法の副作用とエストロゲン⑥記憶力低下
ホルモン療法の副作用シリーズ、ようやく再開です。
今回は記憶力低下について。
神経伝達物質と聞くと「ナニソレ?」と思う人も、「アセチルコリン」という名前は聞いたことがあるかもしれません。
アセチルコリンは神経伝達物質の一つで、
パーキンソン病
アルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症
の発症とかかわりが深いといわれています。
アセチルコリンの主なはたらきには、
・発汗
・学習、記憶
・睡眠
・腸の蠕動運動、消化機能亢進
・血管拡張
・心拍数低下
などがあります。
このうちの「発汗」「血管拡張」「心拍数低下」はホットフラッシュにもかかわってきますね。
アセチルコリンは中枢神経と末梢神経ではたらきが変わります。
体内にはエストロゲンの受容体になる器官がいくつかあります。
そのうちの一つ「海馬」は記憶に関係していて、脳のほぼ中央に位置します。
海馬には性ホルモン受容体が密集しています。
海馬で合成されるエストラジオールは記憶障害に強く、女性ホルモンの中で最も強い。そして、海馬内の性ホルモン濃度は血中ホルモン濃度より高いのも特徴です。
エストロゲンは海馬においてアセチルコリンの分泌と刺激をし、海馬の機能を活発にするはたらきを担います。
エストロゲンが不足すると、アセチルコリンの分泌も低下して海馬を萎縮させ、記憶力低下を引き起こす要因となります。
海馬はストレス、PTSD、うつでも委縮します。
海馬は脳の中で体積が変わりやすい性質を持ち、新しいことを習ったり覚えようとすると体積が大きくなります。高齢者で新しいことに次々挑戦する人が元気なのはこういうことなのかなと思いました。
エストロゲンが不足するとセロトニンも不足します。
タモキシフェンはホルモン療法に使われる薬の中では副作用が少ないといわれましたが、服用後1ヶ月で記憶力が落ちた自覚はありましたし、2ヶ月で不眠になりました。服用する年数が5~10年ということを考えると、決して気楽に考えられる副作用ではないような気がするのですが…。
エストロゲンが調整している神経伝達物質は他にもあり、それぞれが心の安定や記憶、集中力などに関係しています。
ホルモン療法の副作用シリーズの最後に「情動」「神経」「精神」について書くつもりでいて、いろいろ調べていけばいくほど、これって本当に使ってていい薬?と思わざるを得ません。
人によって思うこと、感じること、考えることは違うので、「嫌だ」と思うのも「それでも必要」と思うのも自由です。
これはあくまで私個人の考えですが、これだけ体に、とりわけ脳に強い影響を及ぼす薬なのであれば、がんをやっつけるメリットだけでなく、その薬を使うことで体にどんな影響を及ぼすか、そのデメリットの両方を知った上で選択するほうが「フェア」なんじゃないのかなあ…、と思います。
すべての医者がそうだとはいいませんが、副作用についてちゃんと話をしない医者が多い印象が拭えません。
私の場合は「治療しながら仕事を続けること」が前提だったので、そのために自分がこれから受ける治療、そして受けるかもしれない治療についてできる限り調べました。
再発した時、これから受ける治療について、すでに知っているつもりでいたので、治療のすべてを医師にゆだね、あえて調べることはしませんでした。
が、1年経ち2年経ちした頃、自分に起きた思いがけない変化に疑問を抱きました。「あれ?何だかおかしいぞ?」と。
おかしいと思いつつ、その時は自分が受けている治療について深く調べることはしませんでした。でも、疑問と違和感は日に日に増していった。
不眠はピークに達し、一日のうち眠れる時間は1時間だけ。
それでも横になって寝ることに対してすごく罪悪感があり、ものすごい勢いでいろんなことをやろうとしていた。でも、後から考えるともうしっちゃかめっちゃかだった。
リュープリン注射もあと2回、というところまできて、一晩にアイス1/2パイントを平らげるということを毎晩やるようになって、はたと気づいた。
「こんなの絶対おかしい。」
毎晩そんなものを食べているのに一向に増えずむしろ減っていく体重。その頃には胃腸の機能もかなり落ちていて、結局その年の12月に大腸ポリープが見つかった。
そして、些細なことでいらだち怒り出す自分。
薬の副作用だとわかってはいても、そういう自分に耐えられなくなった。
薬に対する疑問と違和感がピークに達した時、私の精神は崩壊寸前でした。
その当時感じていたのは、「確かに薬によってがんは叩けたかもしれない。でもそれと引き換えに私の頭は壊れていける屍になった。これは本当に『生きている』といえるのか?ただ器が残って動いているだけじゃないか?」
これ以上この薬を続けていたら、自分の脳がおかしくなる。
そうまでして生きていたいとは思わない。
再発する可能性はあるし、あとどのくらい生きられるかもわからない。
あと数年かもしれないし、予想に反して70、80まで生きるかもしれない。
でも、薬に壊されるのはまっぴら。
そんな中で出会ったのが、ホメオパシーであり、クレイでした。
がんを完治すること、治癒が目的ではなく、自分を取り戻すことを目的に、私はがん治療を自分の意思で中断しました。
後悔はしていません。