見出し画像

55歳の私が若者に何を伝えられるか(3)「若者からの警告」

大学は、この時期、新一年生であふれかえる。希望ある学生たちの姿は見ていて眩しい。

🇳🇵ネパール人留学生
本学に入った一年生と話した。日本語の会話は3人とも上手い。福岡に数年住んでいるのだろう。現地語での鼻歌がトイレや廊下に響き渡っていた。よいよい、よい感じ。

(私)「とにかく日本を楽しんで。もし嫌なことがあれば、教職員に相談してください」

(学生)「4年間頑張ります!」

先輩たちのように、アルバイトで稼いだお金を母国の親御さんに送るのだろう。円安の影響をもろに受ける。深夜も操業するお弁当工場が彼らの間で人気職種と聞いたことがある。

🌸新社会人
この4月、新社会人になった青年と話す機会があった。会社組織に初めて勤め、営業職に就き、毎日のように、カルチャーショック以上の体験をしているようだった。

「そうですね。社会人って、なかなか大変ですね」

当然、覚悟はしていただろうが、実際の現実は思った以上に高い壁だったらしい。

「頑張れ。でも、無理しないように」と相反する言葉しかかけられない私。

🍎りんごさん
一言でいえば、今働く職場に〝夢〟がないという。初めてお会いしたが、私は記者魂を発揮して、業種や仕事の特徴を聞いてみた。

なるほどなぁ。そりゃ、大変だ。

「緊急招集」がかかる職種だった。
しかも、男性型雇用の職場。

事件事故や政治ネタを追う新聞記者もまさに同じで、休みであろうが、突然呼び出される。

それが積み重なると、ストレス蓄積になる。

りんごさんはこうも言った。

「上司に五十代の人もいる。皆つまらない」

私が出会う、多種多様な若者に聞いても、われわれ五十代の〝評価〟が相対的に低い。魅力的には映っていない。

主因はなんなのか。

「俺たちが若い頃は」と言いたがる自分が心の中にいる。

常に先を見据える若者にとって、現役引退を控えるわれわれがどう接するべきか。

わが子だってそうで、「俺が東京(駒大生でした)にいた頃は」と言ったところで、携帯電話はない時代。

「どうやって友達(恋人も含め)と連絡取っていたの?」と長男に質問されると、答えにつまる。

果たして、若者の〝相談役〟にふさわしいのか。根本から問い直している。

世の中、〝やおいかん〟ことばかり。

大学のガーデンに咲く野の花に心癒される。
55歳の私である。

可憐な野の花






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?