知らない人にしてもらったちょっとした事で心が和んだ話
最近、色々考えることがあって、ちょっと心を病み気味で、noteも更新出来てませんでした。
仕事の事、プライベートの事、人間関係なんかのありきたりな悩みで、誰もが日常的にある事なのですが、そういう小さい事がつもりに積もって、鬱々としていたんです。
誰が悪いとか、こんな事をされたとかそういうわけでも無くて、だからこそどうして良いか分からなくて。
もちろん今もそれらが解決されたって訳ではないのです。
でも、今日起きたちょっとした事で、なんだか心が和んで、ほんの少し元気が出ました。それを書く事で、おんなじ様にモヤモヤを抱えてる方が少しでも元気になればと思って、筆をとりました。
私の職場では、物販や飲食の複数の店舗の休憩場所とロッカーが一ヶ所にまとまっています。駅ビルなんかで働いた事ある人は簡単に想像がつくと思います。自販機や椅子が置いてあったり、その奥に男女別のロッカールームが併設されている様な感じです。
いつもだったら、チラッと横目で見て、お疲れ様でーす、くらいの声かけ程度、本当に最低限のマナーを守る程度にしか、ロッカールームでは交流しないのですが、今日はあるトラブルがきっかけで、いつもと違う交流が生まれました。
私はあんまり多くの人と関わるのも得意じゃないし、まぁ話しかけられれば返すくらいはしますが、職業柄なのか、逆に変に気を遣ってしまって、世間話でも疲れてしまうので、なるべく他の人とはお話ししない様にさせてもらってます。
しかし、今日はいつものロッカールームで、なんと、あいつが出たのです。
実際は何をする訳でもないのに、みんなに煙たがられ、ひょっこり顔を出そうものなら新聞紙で叩かれたり、毒薬を吹きかけられたり、黒光りするその容姿から気持ち悪いと罵られ…それでもめげずに、飲食店やら家屋などに出没する、そう、あいつです。
私も世の中の多くの人の例に漏れず、見つけるなり、きゃー!と声を上げ、意味もなくジタバタ。脱ぎかけた服のまま、とにかくジタバタ。1人なのに、え!どうしよう!嘘でしょ!などと騒ぐ。
すると、別のお店の方が、すーっと入ってきて、その光景にびっくり。その方をAさんとします
私 「大変です!ゴ○ブリが居ます!」
Aさん「え!それはマズイですね!…私お店からゴ○ジェット持ってきます!」
私「良いんですか!?すいません、お願いしたいです!!私見張ってます!」
(私は自分の職場の鍵を持っていないので、すでに施錠された職場へ武器を取りに行けなかったので助かりました…)
〜Aさん武器を取りに行ってくれる〜
Aさん「まだ居ますか!?」
私「はい!さっきと同じ場所に居ます」(ロッカー下の隙間)
そしてAさんが、シューっと一撃!しかし、隙間の奥に逃げ込むあいつ!
Aさん「ちょっと多めにかけときましょう、多分かけておけば死ぬはず…」
私「そうですね!」
Aさん シューと多めに隙間に散布。
〜2人で安堵〜
Aさん「これでひとまず安心して着替えられますね」
私「そうですね、本当ありがとうございます、1人でジタバタしてて、どうしようかと思ってたんで、助かりました、救世主です! 涙」
Aさん「いやいや、とんでもないです!」
ほっこりしながら、どこのお店ですかー?とか、ゴキブリって慣れると免疫結構つきますよねー、なんて話をしつつ、2人で着替える。
すると
Aさん「ピーナッツのアレルギーとかってお持ちじゃないですか?」
私「はい、ないです…?」
Aさん「これ、よかったら、廃棄になっちゃう物なんですけど、ご迷惑じゃなかったら、召し上がりませんか?」
美味しそうなドーナツを一つ差し出してくれる
※きっと廃棄を持って帰ったり、人にあげるのを禁止しているお店もあると思います。
私は有名人でもなんでも無いので、これを書いて何か起こるとは考えづらいです。でも、こうして発信する以上、念の為記しますが、メーカーや店舗を推測して責める様な事はご遠慮頂きたいです。この話の焦点はそこにはないので、ご理解頂ければと思います。
個人的には食べ物を捨てる事は、倫理的にも、環境的にも良くないと考えており、廃棄のような良くない循環を産むのも、それを改善していくのも、消費者一人ひとりの行動であると思っています。
私「え!良いんですか!(遠慮しない笑)」
Aさん「どうぞどうぞ!」
私「ゴ○ジェットも持ってきて頂いて、その上ドーナツまで…なにから何まで…ありがとうございます!」
Aさん「いえいえ、むしろ入ってきてすぐ教えて頂けて、撃退できたから、こちらこそ助かりましたー!」
私「そう言って頂けて、良かったです。ドーナツ美味しそう、嬉しいです。本当ありがとうございます!」
Aさん「喜んで頂けて、良かったです!では、お疲れ様です!」
私「ありがとうございます、お疲れ様です!」
全く知らなかった人が、認識した事もお互い無かった他人同士なのに、助けてくれて、お裾分けまでしてくれて、なんだかとても心が温まりました。Aさんの謙虚な姿勢や、他人に気を遣わせない、飾らない話し方にも心打たれました。
極端な話、違うお店の話したことない私を助けなくたって、ドーナツをあげなくたって、Aさんはなにも損しないし、逆にしてあげても全然得もしないじゃないですか。それは極論としても、咄嗟に自分に出来ることを見つけて、人の力になる事ができて、喜ぶ事もしてあげられるって、すごいなって。私はあまり上手くできない、人との距離の取り方もとても上手で素敵だと感じました。
Aさんからしたら、別になにも大した事してないって思うのかもしれません。確かに命を救われたとか大きな事ではないし、あの時Aさんが現れなかったとしても私は多分1人でワーワー言いながら、なんとか着替えて、家に帰っていたと思います。
でも私のささくれ立っていた心には、とてもとても響くものがありました。自分の未熟さとか、考え方のねじれが解きほぐされる気がしました。偶然て素敵な事だと感じました。全く知らない人からの親切が、相手の気持ちにこんなに響く事ってあるんだなと改めて思います。
私だって、きっとAさんだって、聖人君子では無いけれど、他人にほんの少しだけでも親切にする事って、もしかしたらその人の人生を変えるくらいのパワーがある事なのかも知れません。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
素敵な秋の夜長のお供にして頂けたら嬉しく思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?