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エネルギー交換とは?

自分で言ってても、その『エネルギー交換』
とやらの感覚が言語化できなかったけど、やっと何となく掴めた気がするので書き出したツイートとその補足。

ギブアンドテイクとか、気持ちを押し返すとか、打って響くとか、この辺の感覚がどうしても夫とのやり取りでは感じられず、なんか疲れる。なんなんだろう?この感覚は、暖簾に腕押し?糠に釘…と散々嘆いてきたところだ。
夫の質問に私が渾身の受け答えをしたとしても、やり取りのビフォーとアフターで、夫には何の変化もないわけだ。
「シュ!」ッとブラックホールに私の声が消えて、ついでに私のエネルギーも吸い取られてしまうかのようだ。

まず、夫が分からない事があったから聞いたんだよね?私はそれに答えたから、少なくとも夫は分からなかった事が分かるようになったのか?くらい知る権利があるよね?って話をした。
そしたらやっぱり夫のデフォルトでは、聞きたい事を聞いて、自分が理解したら満足してしまうらしい。それに対しての感想は特にない。聞きたいから聞くだけ、と。
それだとやっぱり、自己中心的でエネルギー搾取されてる感覚がある。そりゃないぜ!って思う。精神的にケチか!と(笑)

そして、ツイートのようにギブアンドテイクの状態を指摘したら
「そこで妻ちゃんはエネルギーが取られる感覚になるのか」
と、私の違和感をやっと認識してくれた。

この"give"の部分で人は相手の感情の手応えを感じてるんじゃないかな?って思う。自分の知りたい事を訊いたら答えてくれて、自分はおかげで分からなかったことが分かるようになったよ。と気持ちを押し返す作用反作用が、人間味とか温かさと呼ぶ部分かなと思う。私はここに「気持ちと気持ちの視線が合う」という感触を感じる。
つまり夫とのやり取りは、目と目が合わないままのような違和感がある。ひたすらこちらが"give"してエネルギーがブラックホールに吸い込まれていく…という感覚。
たったリアクションを返すというだけで、私は人とのやり取りで何気にエネルギーをチャージし合っていたのか!尊いな…という気付きも得られたわけだけど。

ところが、このgiveって大層な事ではなく、「ナルホド」とか「そういう事ね」とかいう相槌だったりする。『あなたの話によって、私の考えや気持ちに変化が起きましたよ』という影響を当の本人に伝えられさえすればいいわけだ。事前に相槌のバリエーションを作ってくれてもいいのに、と思うけど、恐らく、外モードではない素の夫にはそれは難しい。

だけど、この部分がとても重要だと思うのは、夫の気持ち(take)に応えて(give)ノーリアクションされるって、すごくダメージが大きくて、私の気持ちが乾涸びてしまう一番の原因だと思うから。ここに勝手に悪意を感じて被害妄想を乗っけてしまった日には、ぐんぐんカサンドラ化してしまう分岐点になると思う。今のここだよ!ここで返事が欲しいんだ!って定型側が指摘できると、ASDもだいぶ気付けるのでは?と思う。つまり、自己完結しないで欲しいところを私から指し示す必要がある。
自分にgive=与えてもらいたいところを自ら示すっていうのは、自作自演のようで結構骨の折れる作業なんだよね。

だけど夫は私の受け答えを「聞く=自分の中で理解する」までで誠心誠意、精一杯で、リアクションしない事が無視、はたまたエネルギー搾取になっているなんて夢にも思っていない。本当にASDのデフォルトはやり取り一往復で満足してしまうものなんだ、というのは理解している。
だから夫に何か聞かれても、自分のエネルギーが少ない時は、答えない時もある。夫のガチの疑問に腑に落ちる説明するって私もすごくパワーが要るから。私が自分で自分を守るのも大切。

それで、今回何が言いたいかと言うと、今までも似たようなやり取りは何度もしてきたけど、進展があった。

夫は私に対して疑問を投げかける時点で、私の考えを知りたい。私が答えた話を理解する事で、夫の中で私という人物像を少しずつ積み上げるように、作り上げているんだ、とようやく本心を話してくれたのだ。

こうして書いてみたけど、一般的にはスゴイ事が分かったわけじゃない。ごく当たり前の内容なんだけど、夫が自分の気持ちをこうして言葉に出して言ってくれるというのがスゴイ。

今までの「自分が聞きたかっただけ」という表現だと、自分の事しか考えてない自己中心的で冷たい人だと私は勘違いしかねない。
だけど、やっと自分の気持ちを私が分かる言葉にしてくれたから嬉しい。夫、ブラックホールではなかったようだ!と思える。

エネルギーが吸い取られると感じてしまうのは「夫の質問に答えた私の気持ち(エネルギー)」が蔑ろにされたと感じてしまうからだと思う。ここに気持ちを押し返すリアクションがないと、私は物のように利用される感覚があるのだ。
「自分や他人の気持ちを受け取っていても、思ったことをリアクションとして表に出すことが難しい」この特性をASD本人が自覚するのはめちゃくちゃ重要だと思う。
感情面を言葉にのせられないとか、人の感情のインプットはできても外に出すのは時間がかかるという感情表現の少なさは、認識の違いによって無意識に相手のエネルギーを奪ってしまうかも知れないからだ。

実際私は、夫がなんで?どうして?を聞いてくるのは、妻ちゃんがどう考える人なのか、人となりを知りたかったんだと言葉で表現してくれて、やっと夫から"give"してもらえた気持ちになれた。
しかも、私という人物像を感じてもらえているのか不安だった私としては、この先一緒に時間を重ねても大丈夫だなとやっと思えた。共に生きていく者として、相手のリアクションというのは一つ一つはほんの些細な事でも、積もればかなり切実なボリュームの話につながる、コミュニケーションの連結部分のようなものかも知れない。
夫とのエネルギー交換は、スッとはいかず時間がかかるけれど、お互いできるようになりたい気持ちがあって、ツボさえ押さえられれば、その時間も短縮していけると感じられた出来事だった。


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