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転職は「具体と抽象」が9割
こんにちは。ゴリバと申します。
私は高校教員から転職し、現在は民間企業(教育コンサル)で働いています。
転職活動にたくさんの時間を費やし、結果的に満足のいく転職ができました。しかし、そこに至る道は決して平坦ではありませんでした。
まず、職務経歴書が書けない。どのように書いていいかわからない。
面接でも、何をどのように話せばいいのか…
ネット記事やYouTubeで情報収集をして、自分なりに研究しました。
すると、あることに気が付いた。
転職活動って「具体と抽象」の繰り返しじゃね?
光が差し込み、急に道が開けてきました。
「具体と抽象」とは、ビジネスコンサルタント・細谷功さんの著書であり、名著として評価されています。未読の方は、ぜひご一読ください。
値段が…という人は、audibleで聞くか、kindle版をおすすめします。
個人的にはこちらの「トレーニング本」でも十分です。
私が転職活動に成功できた秘訣は、「具体と抽象」のおかげと言っても過言ではありません。
本を読んでから、記事を読むとを理解が一層深まります。
転職理由は、具体?抽象?
転職理由は、「給与を上げたい」「残業を減らしたい」といった具体的な理由から、「成長できる環境に行きたい」「より社会に貢献したい」といった抽象的な理由までさまざまなレベルがあります。
ここで大切なのは、具体と抽象の関係を見い出すことです。
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例えば、転職理由が「休みがない」と「やりがいがない」とします。
ここで、【転職の軸】を「休みが多い」「やりがいがある」の2つに設定するのは適切でありません。
なぜなら、「どんな生活を送りたいのか」という抽象的な概念の下に、転職の軸があるべきだからです。
では、実際に抽象化していきます。
・「休みがない」
家族と過ごす時間が取れない→仕事と家庭を両立できる生活がしたい
・「やりがいがない」
単純作業がつまらない→人に感謝されるような職種に就きたい
よって、「家庭との両立ができ、人に感謝されるような仕事」と抽象度が上がりました。
「人に感謝されるような職種」というのはまだ抽象度が高いので、さらに深堀りしていく必要があります。
その後、【転職の軸】を具体化していきます。
例えば、「完全週休二日制」や「教育関連の仕事」などです。
企業は「再現性」を評価する
あなたがどんなに前職で活躍していたとしても、新たな職場で力を発揮できるとは限りません。
企業は「再現性」を職務経歴書や面接を通して、評価します。
特に職種や業界が変わるときに、顕著です。
【例】
現在の職種:塾講師
応募先の職種:法人営業
求める人物像:顧客のニーズを的確に捉え、最適な価値を提案できる方
面接で聞かれることの多い「あなたの強みは何ですか?」について、2つの回答で考えてみます。
1.「具体→具体」パターン
私の強みは、ヒアリング力と課題に応じた提案力です。
これまで、顧客である生徒や保護者のニーズを徹底的に分析し、「志望校に対する共通認識」と現状の課題を明確にした上で、最適な学習計画を提案してきました。
その結果、多くの生徒が希望する進路を実現し、グループ内で進学率1位の実績向上に貢献しました。
こうした経験を活かし、御社においても最適な提案を行うことで、成果創出に貢献できると考えております。
ダメな理由は、塾講師という職業の「具体」から、「法人営業で活躍」という部分の論理が飛躍しています。
面接官としては、「指導が上手で実績もあるみたいだけど、営業と関係なくね?」と感じてしまうわけです。
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私の強みは、ヒアリング力と課題に応じた提案力です。
これまで、顧客である生徒や保護者のニーズを徹底的に分析し、「志望校に対する共通認識」と現状の課題を明確にした上で、最適な学習計画を提案してきました。
その結果、多くの生徒が希望する進路を実現し、グループ内で進学率1位の実績向上に貢献しました。
→塾の〖具体〗
こうした経験を活かし、御社においても最適な提案を行うことで、成果創出に貢献できると考えております。
→営業の〖具体〗
塾講師の経験による〖具体〗から、法人営業における業務の〖具体〗に話が転換しています。面接官はこのギャップを埋めることができず、評価が低くなります。
2.「具体→抽象→具体」パターン
私の強みは、ヒアリング力と課題に応じた提案力です。
これまで、顧客である生徒や保護者のニーズを徹底的に分析し、「志望校に対する共通認識」と現状の課題を明確にした上で、最適な学習計画を提案してきました。
その結果、多くの生徒が希望する進路を実現し、グループ内で進学率1位の実績向上に貢献しました。
この経験は、法人営業において顧客の課題を的確にヒアリングし、最適なソリューションを提案するプロセスと共通しています。
どのような状況においても諦めず、粘り強く取り組むことを信条として業務に従事してまいりました。
相手の状況を深く理解し、納得感のある提案を行う力を活かし、貴社の営業成果の向上に貢献したいと考えています。
違いがわかりますでしょうか?
図で表してみます。
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塾講師の〖具体〗を、法人営業に通じるように〖抽象化〗しています。
その後、法人営業における〖具体〗すなわち、求める人物像に繋げています。
私の強みは、ヒアリング力と課題に応じた提案力です。
これまで、顧客である生徒や保護者のニーズを徹底的に分析し、「志望校に対する共通認識」と現状の課題を明確にした上で、最適な学習計画を提案してきました。
その結果、多くの生徒が希望する進路を実現し、グループ内で進学率1位の実績向上に貢献しました。
→塾の〖具体〗
この経験は、法人営業において顧客の課題を的確にヒアリングし、最適なソリューションを提案するプロセスと共通しています。
どのような状況においても諦めず、粘り強く取り組むことを信条として業務に従事してまいりました。
→塾・営業に共通する〖抽象〗
相手の状況を深く理解し、納得感のある提案を行う力を活かし、貴社の営業成果の向上に貢献したいと考えています。
→営業の〖具体〗
面接で、困っている方は「具体と抽象」を意識して構成してみてください。職務経歴書の<自己PR>も同じように記すことができます。
まとめ
転職成功の鍵は「具体と抽象を使いこなす」ことです。
「具体から抽象、抽象から具体」と何度も往復していきます。
転職活動をしている方は、ぜひこの視点を取り入れてください。