読書「スタンフォード式最高の睡眠②」~眠っている間に起きていること~
私は中高生のころからずっと眠気と戦っています。授業中、電車内、会議中など、眠気に襲われることはしょっちゅうです。この眠気との闘いに終止符を打つべく、この本を手に取りました。
第1章では、人間が睡眠をとる理由、睡眠中に身体の中で起こっていることについて書かれています。
・日本人の約30%は不眠症にかかっている
日本でもアメリカでも約30%の人は慢性的に不眠の症状を抱えています。不眠症は脳との関わりが深い症状で、睡眠に関する正しい知識を得て理解を深めたり行動をすることで治療することが出来ます。これを認知行動療法と呼びます。
・睡眠の役割①「休息」
睡眠の役割は主に5つあります。まず欠かせないのが休息。自律神経は日中、脈拍を上げたり、集中力を高めたりと活発に働きます。そのため、夜間は日中に働く自律神経を抑えて副交感神経優位にシフトさせて脳と体を休ませることが重要です。
・睡眠の役割②「記憶を定着させる」
睡眠初期の黄金の90分で訪れる深いノンレム睡眠はイヤな記憶を消去する役割があり、明け方などの浅いノンレム睡眠では体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)を固定する役割があります。そのため、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返し、時間とともに浅い睡眠にシフトする中で記憶が整理され、定着されるようになります。
・睡眠の役割③「生活習慣病を避ける」
睡眠時には多くのホルモンが働いており、良い眠りは生活習慣病の改善にもつながります。ホルモンが出ることで筋肉や骨が強くなり、代謝が正常化します。また、皮膚の保水量も睡眠によって上がるといった効果も見られます。
・睡眠の役割④「免疫力を上げて病気を遠ざける」
睡眠が不足すると免疫の働きもおかしくなります。インフルエンザなどのワクチンを取り入れても睡眠が乱れていると接種の効果が認められない報告もあるそうです。また、免疫増強が働かないとアレルギーも悪化する危険があります。
・睡眠の役割⑤「脳の老廃物をとる」
脳のまわりにある脳脊髄液という保護液は新しい脳脊髄液が出て、古いものが排出されるといったサイクルを1日4回600㏄ほど繰り返します。古い脳脊髄液といっしょに脳の老廃物が除去されますが、きちんと排出されないとアルツハイマーなどの疾患の引き金にもなってしまいます。
・夢を見る理由
これまで「人が夢を見るのは、レム睡眠のとき」と言われてきましたが、ノンレム睡眠でも多くの夢を見ていることが実験で分かりました。ただし、ノンレム睡眠で見た夢は抽象的なため覚えていないことが多いそうです。加えて、レム睡眠とノンレム睡眠が入れ替わるごとに夢も切り替わるため、切り替わるたびに最後の夢以外は忘れてしまうそうです。目が覚める前のレム睡眠時に見る夢には起きる準備をするという意味があると考えられています。
これまでの研究で、見たい夢を見ることは不可能という結論がなされています。見たい夢を見た場合、それは偶然に起こっているだけのようです。
・リーダーは眠りを大切にしてほしい
このように、睡眠の質が悪いと健康への被害が起きてしまいます。リーダーは自分の意思決定で周りが影響を受けることがあるため、意識して良質な睡眠をとってほしいと書かれています。アメリカでは、上層部のリーダーほど睡眠を大切にしているそうです。
~終わりに~
睡眠をしっかりとることで体で覚える記憶が定着するということは、プレゼンの内容を覚えたりするときにも有効かなと思いました。寝る前に発表練習を行い、しっかり眠ることを心掛けていきたいです。
睡眠不足がアルツハイマー発症リスクが高まることは知りませんでした。睡眠不足の多い日本人は、こうしたリスクが高いということをもっと伝えるべきかなと思います。
また、見たい夢を見ることはできないというのは、なんとも悲しいエビデンスです。平安時代は「相手からの思いが夢になって現れる」とロマンチックに考えていたそうですが、思い違いだったみたいですね・・・。この辺りは研究が進むにつれて結果が変わる可能性もあると思うので、期待を捨てないでいたいと思います!
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