読書「スタンフォード式最高の睡眠⑧完」~エナジードリンクに頼らずに眠気をおさえる方法~
私は中高生のころからずっと眠気と戦っています。授業中、電車内、会議中など、眠気に襲われることはしょっちゅうです。この眠気との闘いに終止符を打つべく、この本を手に取りました。
第5章では日中に襲ってくる眠気に対してどのように向き合えばよいのか書かれています。
・日中感じる眠気の定義とは?
眠気の定義として、著者は「まとまった長い覚醒を維持できない状態」としております。ナルコレプシー患者は眠気が頻繁に起こり、それが1日中続きます。健康な人の場合はたいていは一日中続きませんが、眠気は日中に発生します。この章では筆者が以降に示す3つの眠気に対する原因と対策を述べています。
・「朝目覚めてもボーっとする人」の原因と対策
朝目覚めが悪い人は、慢性的な睡眠が足りず、睡眠負債を抱えている可能性があります。こうした状態だと短い昼寝をしてもリフレッシュはできません。また、生活リズムが乱れるとそっくりそのまま睡眠リズムの乱れに繋がります。これは眠りはじめのノンレム睡眠において大事な役割である睡眠圧の解消がうまくできず、明け方になっても眠気が残ってしまうこととなり、起きても頭がボーっとしてしまいます。そのため、眠りはじめを損なわないような工夫をする必要があります。
・「ランチ後に眠気が襲ってくる人」の原因と対策
昼食後の午後2時ごろに起きる眠気の襲来は昼食を抜いても発生することが研究の結果わかっております。昼食と午後の眠気には関係が無いようです。また、昼食をとることで胃腸に流れる血流が増えるため、脳に向かう血流が減って眠気が生じるという説もありますが、どんな状況でも脳血流は第一に確保されることが分かっており、こちらも原因ではないそうです。著者は、眠気の原因は満腹感による意欲低下が引き起こすものと考えているそうです。眠気とは違う倦怠感がこうした現象を起こしていると述べています。
・「会議中に眠くなる人」の原因と対策
会議中に襲ってくる眠気の原因は覚醒のスイッチがオフになっているためと著者は述べております。アメリカでは居眠りをする人が日本よりも少ないと言われていますが、この理由は会議体にあります。アメリカの会議時間は日本よりも短く30分単位も珍しくありません。メンバーも必要最小限であり、もともと発言しないものはそこにいないと同じという文化があるため、必ず発言します。こうした会議形態の違いによって積極的に覚醒のスイッチが強く押されている状態になると言えます。的外れなことを聞くかもしれないが、それは当たり前だという認識がみんなにあるため、質問もしやすい環境にあります。ミーティングでは質問をして細かなことでもいいから発言する、疑問はその場で解消するといった思いで会議に臨めば眠気も少しずつ姿を消すはずと著者は述べています。
・眠気が生じた際にはどのようにして闘うか
覚醒スイッチをオンにする方法はさまざまです。例えばガムやコーヒーといった覚醒効果のあるものを摂取することが効果的です。また、午後の眠くなった時間帯には闘わずにあえて昼寝するのもパフォーマンス向上のためには効果的です。
・1時間以上の仮眠は認知症リスクが高まる!?
20分程度の仮眠をすることでパフォーマンスを再び高まり、昼寝をしない人と比べて認知症の発症率も低下することが研究結果で出ています。しかしながら、1時間以上昼寝をしてしまうと認知症の発症率が昼寝をしない人と比べて2倍も高まることがわかっています。このことから仮眠は20分程度がよさそうです。
・サザエさん症候群を抑えるための休日の過ごし方
日曜夜の憂鬱、いわゆるブルーマンデー現象も睡眠によってコントロールできます。週末から月曜日に切り替えられないのは生活リズムの乱れにあります。どうしても土日になると就寝時間が遅くなり、そのあおりを食らって起床時間も遅くなるので、睡眠の質も下がり、こうした問題が発生します。週末でも平日と同じ時間に就寝することが大切です。
・月曜朝に大切な会議をもってくる効果とは?
会議を設定するときに月曜朝に持ってくるのもチーム運営を高める手段の一つです。こうすることで自然と週末の生活パターンも変わり、ブルーマンデーも減ってくるからです。ただし、その分夜の会議や仮眠を促すような無駄な会議は廃止させることが賢明です。こうしたある程度の強制的な手法も有効策となります。
~終わりに~
会議中に眠くなるのは睡眠不足が原因と考えていましたが、どうやらそれだけではないみたいですね。私はそうしたときに堪えられていると思っていましたが、そもそも堪えてはいけないんですね。積極的に覚醒スイッチをオンにすることを意識していきたいと思います。
働き方改革が叫ばれてる今日ですが、仕事の効率を高めるためには眠り方の改革も必要なのかなと思います。オンタイムのパフォーマンスを最大化させるためにはオフタイムの使い方も重要ということですね。
本書を読んだことでこれまで知らなかった入眠、睡眠、眠気のメカニズムが分かってきました。30年近く生きてきて知らなかったのは損してたなーとも思いますし、今わかってよかったーとも思います。認知症リスクのことも理解でき、読書は病気にかかるリスクも減らせるんだなと気づきました。これからも読書を続けていきたいと思います。
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