【有難い】という言葉の意味~インド留学日記①~
0日目(日曜日)
23:00頃、デリー空港に到着。入国審査が激混みでやっと通り過ぎることには24時過ぎ。
入国審査は特に質問されなかったけどなんか、めちゃくちゃ時間かかった。何を見ているのだろうか?
ほっとしたのもつかの間。
デリー空港は国際線から国内線への乗り継ぎの際、一度外に出てしまうと空港の中に入れない、というルールがある。
絶対に外に出ないように4階のラウンジがあるところに行くぞ、と細心の注意を払っていたのにもかかわらず、外に出る自動ドアの前まで来てしまったのだ!!
なぜ?実はいまだに正解がわからないのだけど、翌日の国内線のチケットを軍人さんに見せたら、通常のエントランスまで入れてくれた。
かなりヒヤヒヤしたが、何とかなってよかった。
国内線のエントランスで同じくヨガ留学に参加する人たちと合流。全員初めましてだけど、なんとかここまでやってきた!と、やっと日本人だ!と、ふたつの高揚感で一気に意気投合。朝まで空港のフードコートのようなところで時間をつぶす。
翌朝8時ごろ、インディゴでデリーからデラドゥーン空港へ出発。
ここで注意点。
出発時刻と搭乗ゲートが直前で変更するので何度も確認したほうが◎。
あと、インドの国内線は遅延するのが当たり前と思っておいたほうがよいです。
私たちが乗った便は奇跡的に(?)オンタイムでのフライト。
隣に座った青年が日本好きらしく、カシューナッツをくれたりして和やかな雰囲気。ラインを聞かれたがなんとなく怖くてスルーした。
1日目(月曜日)
デラドゥーンへはたったの50分で到着。
今回のヨガ留学を企画してくれているリシケシ・ヨガシャラスタジオの先生お二人と、インドでのグル、ナラヤン先生がタクシーで出迎えてくれた。
ここまでくればもう安心。
ほっと胸をなでおろしてタクシーに乗る、ものの、【theインド】という運転に度肝を抜かれる。
一体何に鳴らしているかわからないクラクション。
車線という概念を無視した追い越し。
原チャに3人から4人乗り。
道端の牛。
空港で徹夜で過ごした身には情報量が多すぎて完全に酔ってしまった。
宿泊するゲストハウスに到着し荷物を置いたら、街探索に先生方が連れて行ってくれた。
ガンジス川がよく見えるおしゃれなカフェなんかもあって、いい感じだ。
そしてリキシャに乗ってリシケシマーケットに出発。
このリキシャがまたすごかった!!
クラクションの嵐の中
揺れまくる車内
「え、今完全に轢いたよね」という距離でガシガシ歩く人たち・・・
初日にしてインドの熱気にすっかり当たってしまい、ぐったり。
マーケット散策後ガンジス川へ移動。
お腹壊しそう、という印象しかなかったガンジス川。
色も完全に濁っていたがせっかく来たなら足だけ浸かろうと靴を脱いでいると現地の人に「ガンジス川はお祈りしてから入るんだよ」と教えてもらった。
郷に入れば郷に従え。
じゃあ、と手を合わせて目をつぶってみると不思議と心がすっと落ち着いてきたのだ。
そして心の底から「ここに来れて感謝します。私たちのインド留学をお守りください。」という言葉が自然と湧き上がってきたのだ。
この時の感覚をうまく口で説明できない。
でも、ガンジス川が聖なる川といわれている理由が少しわかったような気がした。
お祈り後足をつけてみたら冷たいのなんの!!
ヒマラヤから流れてくるのでとっても冷たくて気持ちがいい。
過情報によりショート寸前になっていた頭がすっきりとしてリセットされた。
こんなに濁っているのに。不思議な川だ。
そしてここでトラブル発生。
ATMが降ろせない。
海外キャッシングできるカードなのになぜ?
実はカードのほうがレートがいいと思い現金をもっていかなかったのだ。
悔やまれる。
明日はできるかと期待してゲストハウスに帰宅。
くたくたになって初日終了。
2日目(火曜日)
子供が保育園に行く前にテレビ電話するためには午前4:30に起きなければいけないのだが、時差ボケか、すんなりと目が覚める。
子供の顔を見て私がホームシックに。
というかもう飛行機に乗っているときからずっとホームシック。
息子に会いたくて泣いた。
話がずれた。
朝10時、入校式としてプージャ(お祈り)が捧げられる。
プージャでは上下白という決まりがあり、祝福のマリーゴールドでできた首輪とおでこに印(ティラック)をつけてもらえる。
入校式が済んだらお昼ご飯。これから1ヵ月はべジ生活だ。
ランチ後は音のヨガ、ナダヨガがスタート。
日本では全くなじみがないが伝統式ハタヨガではナダヨガは欠かせないものらしい。
「存在するすべてのものは、ナーダという音の振動から出来ている」という前提のもと、音の振動・エネルギーを利用して心の苦痛を和らげる目的で行うようになったと伝えられている、らしい。
ハルモニウムと呼ばれる箱型のピアノを使って各チャクラに反映する音階を練習。
黒鍵メインの音階は少し物悲しい雰囲気。
午後はアーサナのプラクティスをして終了。空港からがちがちになっていた体がほぐれて心地がいい。
子供のことを考えつつ、疲れ果てて就寝。
3日目(水曜日)
電気ポットをルームメイトと現地で購入。
子供と電話後、インスタントコーヒーを淹れる。
前回のつぶやきでも書いたが、お湯が自分のタイミングで手に入るのって本当に最高。こんなにおいしいコーヒーはもう二度と飲めない。
朝7時、シャットカルマからスタート。
シャットカルマとはヨガの浄化法でまず簡単な鼻うがいを実践。
これがめっちゃ気持ちいい!!!
インドはとにかく空気が汚いのでこういう浄化法が発展してきたのだろうか?
その後朝のプラクティス。伝統式ハタヨガでは1レッスン120分と長い。そしてやたらと後屈のポーズが多く、張り切ると後で腰を痛めそうだ。
ブランチ後ナダヨガ。
休憩時間は2時間あるのでオーガニックショップにシャンプーや化粧水などの日用品を買いにお出かけ。
超円安なので日本円に換算するとそんなに安くないのだが、オーガニックでこの値段なら超安い!といった感覚。
ATMはまだまだ降ろせない。なぜだ。
午後の哲学の授業では「不変の幸福とは」というテーマでディスカッション。
相手をリスペクトして話を聞く。
自分の思っていることを素直に口にする。
こうやって本音で話せることがヨガライフなのだ、と実感。
シャワーのお湯が超ぬるくて寒い。
夜になると子供が恋しくて泣いた。
4日目(木曜日)
4日もたつとすっかり全員と打ち解ける。
参加者は全員いい人ばかりだ。やはりこんな円安&コロナの中、わざわざインドに来る人達なので、目的意識が高い。
夜はファイヤープージャにお出かけ。
出発前に断水していた。だが全然気にしない自分に気が付く。
つぶやきにも書いたが、大爆音の中での集団ヨーガやマントラの大合唱。これ毎日ってどういうこと?
神聖な気持ちというよりなんだか人酔いしてしまった。
息子に会いたい気持ちがピークに。
帰りのリキシャでも酔ってしまい涙が出そうに。
でも、仲間が背中をさすってくれたらすっと楽になった。
有難い。
戻ったころには断水が改善?していた。
水が流れるってありがたい。
水道水が飲める日本って超絶ありがたい。
そんなことを思いながら就寝。
(ちなみに寝た後停電していたらしい)
5日目(金曜日)
ヨガ哲学の授業では、毎日ものすごく腑に落ちまくっている。
これこれ、これが知りたかったのよ!の連続だ。
今まで自分が興味があって学んできたマインドフルネスや山下良道さんの著書によく登場する第五図。
全部わかるようでなんだかわからなかったことの答え合わせをしているような感覚だ。
やはりマインドフルネスはスピリチュアルなしには語れない。
今まで倦厭してきた、というかちょっと馬鹿にしてきたスピリチュアル。(円を、縁とかくタイプのインストラクターが苦手だ。)
でも、私たちの幸福にはめちゃくちゃ重要なものなのだと実感する毎日。
夜は1週間で帰ってしまうアイちゃん(仮名)のお別れ会を兼ねて、みんなで輪になって手を繋いで気を流したり、もたれかかったり、肩をもんだり。
こんなに他人にべたっと触れることが超超久しぶりでものすごくハッピーな気分に。
「怪しい集団だよねー」なんてげらげら笑いながら輪になっていると私とかあなたとかの輪郭があいまいになってくる。
小難しいことはいらない。体が、心が、心地いいと言っている。それがスピリチュアルだと体感する。
その夜、やっと子供に会いたいと泣かなかった。
6日目(土曜日)
午前のプラクティス後、占星術師でヒーラーの現地の方に手相占いをしてもらった。
観光客相手のインチキな人ではなく、ガチな人に、だ。
結果の詳細は省くがおおむね良好。
よき瞑想者といわれてうれしい。
土星の影響で後2.3年は低迷期なのでしっかりと瞑想すること、とのこと。
その後現地の人の案内で、車でヒマラヤに登ることに!
恐ろしい崖路をグングン進み(生きた心地がしなかった)名前もない、ただ夕日がきれいに落ちる場所に連れて行ってくれた。
山羊を追う少女が歩いている。
どこからともなくふさふさの毛の人懐っこいわんこが走っていく。
運転のおっちゃんが煙草を吹かす。
それらすべてがまるで映画のワンシーンのよう。
そこで日が落ちるまでぼんやりと過ごす。最高に贅沢な時間。
一週目まとめ
とにかく目まぐるしい一週間だった。1日が3日のように感じる。
でも、日に日に日本で感じていた役割を演じることによる息苦しさからの解放感も感じ、ゆったりと流れる時間を贅沢に感じる。ありがたいは、有難い。
インドで痛感する日々だ。
ちなみにまだお金が下ろせない。ピンチ。
来週からは何が待ち受けているのだろうか。