見えなくなっても残るもの
思い出。
心に残るような、感覚や風景。
子どもの頃の記憶も、
なぜかずーっと鮮明に残ってることあるな〜。
何でこれ覚えてるんだろう、みたいなこと。
心に残ってる風景の中でも
特に鮮明に覚えてるのは...
我が子たちのお産。
長男のお産の、鮮明に残っている風景
(地元のクリニックにてお産。微弱陣痛により促進剤。)
陣痛中に夫が泣いたこと
分晩台の手すりをずっと握って、ひたすら呼吸に集中して痛みに耐えつづけたこと
産まれてすぐ産声があがって「産声ってほんとにすぐ聞けるんだ～」って思ったこと
一瞬だけど、産んだ直後薄い紙ごしに手の平の上にのせて、「あったかい」ってぬくもりを感じたこと
分晩台の上での初めての授乳に、「さっき産まれたのにもうおっぱい飲めるのすごい」って感動したこと
次男のお産の、鮮明に残っている風景
(長男と同じクリニックにてお産。予定日超過で誘発→促進剤で心拍低下×2→翌日に陣痛→心拍低下で吸引分娩)
お産が近くなったらPCR検査が必須で、「こんなに元気なのに、偽陽性とか出て自分の意思も関係なく帝王切開になったりするの…？」って憤りを感じながら、検査のドライブスルーしたこと
分娩誘発の日、朝実家を出発する時に、不安とドキドキで、お母さんと目を合わせられなくて、そっけなく家を出発したこと
「一人で痛みとたたかうのか…」って寂しくて怖くて、夫と長男に病院の玄関で見送ってもらいながら泣いたこと
促進剤を入れると心拍が下がって助産師さんや先生がバタバタしながら「手術室準備して」
って言った言葉に、「元気に産めなかったらどうしよう」って不安と怖さでいっぱいになったこと
NSTモニターからずっと目が離せず、どうか無事に生まれてきてって強く願いつづけたこと
その日の夜、スマホで長男の写真見ながら涙が止まらなくなったこと
当たり前だった日常がものすごく幸せで愛おしいものだと気づいたこと
不安と硬い分娩台で眠れないところに、助産師さんが他愛もない話をしに来てくれて、気持ちが和んだこと
帝王切開のこと調べながら、とにかく元気で産まれてくることだけのために頑張るんだ、って腹くくったこと
次の日の朝、トイレでおしるしがあったこと
その日何度も分娩室に顔を出して、内診ぐりぐりしてくれた助産師さんのこと
陣痛が強くなったらいっきに進んだけど、夜勤の助産師さんと入れ替わるタイミングだったから助産師さんバタバタで、点滴3回くらい失敗され、その点滴絶対しなきゃだめなんですか〜って思いながらよじれてたこと
陣痛の痛みでパニックになって体が震えてたこと
陣痛の波も分からなくなって、ずっといきんでたこと、
吸引分娩になって、「ここまできて産めないなんてことになってたまるかー一！！！」って意地でもなんとか産もうとしたこと
すぐに産声があがらず、夫と2人で「〇〇、がんばれ」って何度も声をかけたこと
「元気ですよ」って先生に言われた時、心の底から安心したこと
早く抱っこしたい、早くおっぱいあげたい、私の子なのに全然触れない、って思いながら、次男とママの処置が終わるのずっと待ってたこと
娘のお産の、鮮明に残っている風景
(助産院にてお産)
助産院に到着して、健診からお世話になってる院長さんと副医院長さんの顔を見て、「あ、今日は安心して産める」ってホッとしたこと
陣痛の波を大きくするために、夫とお散歩に行ったこと
陣痛中、院長さんが写真撮りながら「我ながらいい写真が撮れました〜☺️」って嬉しそうだったこと
院長さんが、安産うちわとか手触りいい手拭いを持ってきてくれて和んだこと
スクワット下手すぎて、夫と副院長さんがおいおいってなってたこと（笑）
トイレ行った時、陣痛きて「あ゛ーーー」ってなる度に、ドアがバンッて開いて助産師さん3人がヒーローのように登場して、みごとな連携でスッとサポートしてくれたこと
「あれ？もう産まれる？」って感じた瞬間
「わぁ！！お股にはさまってるー！」って感じた瞬間
もう出てきそうな娘の頭触って「わぁ、髪の毛だ〜」ってなった瞬間
ふり向いたらズルンッて産まれてきた瞬間
産んだ後すぐ院長さんがめっちゃ笑顔で「できたね☺️」って何回も言ってくれたこと
陣痛中「いやだー」「いたいー」「いらなーい」って、助産師さんたちに子どもみたいにタメロになってたけど、産まれたらちょっとずつ冷静な大人の自分を取り戻していったこと
初めましての妹に戸惑ってた次男の表情
緊張しながらもしっかりお兄ちゃんの顔で、臍の緒を切ってくれた長男
ママの胸の上にぴたっとくっついて穏やかな娘
ずっと優しく横にいてくれてた夫
とにかく幸せで幸せで幸せだったこと
それぞれのお産の風景、
3人とも全然違うけど、
元気に産まれてきれくれて、
ママを幸せにしてくれた。強くしてくれた。
これからもきっと色褪せずに、
ずっとずっと残る私のお産。
どのお産が良かった悪かったとかじゃなくて
全てに意味があった。