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ため息の本屋

本屋は好きな場所。
今の職場は始業時間が遅いので、本屋が開いている時間に最寄り駅に到着する。遠距離通勤で電車遅延が心配なため早めに駅に着く電車に乗っているので出勤前に本屋へ寄り道する時間がある。
1階から3階まで様々な書籍の並ぶ空間で、あれやこれや本を見定めて歩くのは楽しい。
これから仕事なので時間を忘れないように少し緊張しながらフロアをまわる。

ああ、この本、面白そう!
あ、こっちの本も読んでみたい!
この漫画、気になる!

経済から化学やSF、奇々怪々な不思議にまつわる本から、泣ける小説、お金儲けや営業や経営や仕事の様々な指南書、資格取得の参考書、介護に関する本、一人で生きる生活の知恵、料理や手芸、漫画に雑誌に、etc,etc,……

様々なタイトルが並ぶ文庫本のコーナーでは、つい「欲しいな~。買ちゃおうかな~」という気持ちになる。
そして脳裏を横切る今月の予算……
「うん、1冊ぐらいなら、いけないこともない……ハズ」
「1冊だけ、選ぼう。どれにしようかな」
どれに……どれ……ど………、、、選べない。

ふ~~~う。

大きなため息。

だんだん悲しくなってくる。
そして、時間切れ。

何も買わずに本屋を出る。

お昼休みにも食後、本屋に足を運ぶ。

出勤前とは別の職場に近い本屋。

午前中の本屋とも、我が家の近所とも、また違ったレイアウトと品揃えで興味を惹かれる本がたくさんある。

「午後の空き時間に読みたい本を買おうかな」と探す。

『ソラリス』読んでみたいな、1,100円+税かあ……
『ファンタジーと言葉』、ル・グウィンのエッセイ、読みたいな~、あ、これも1,100円+税……

値段を見ては戻す。

最近、文庫本の値上がりも甚だしい。
少し(?)前の単行本の値段に近い。
私の使える予算は変更なし。

そして、また、ため息。

本屋は大好きな場所。
そして、現実を思い知らされるちょっとブルーな場所。




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