カードゲーム「622」の展望
ゲームマーケット2023の初出展を終えて、その記憶が薄らぐ前に感想や思いを残そうと思います。
ゲームマーケット初出展
6月に始まった指定企画での研究期間も残りわずか。そして12月9日、研究の集大成ともいえるゲームマーケットでの初出展を終えました。
『無駄を極めたアナログゲーム』をつくったら売れるのか
その結果は・・・売れました。完売でもなく、爆売れでもなく、一応売れました。しかし、ゲムマ1日で原価を回収する夢は「夢」で終わりました。そのあたりは、研究報告書でまとめるとして、今回はカードゲーム「622」について報告したいと思います。
このカードゲームを作るにあたっての詳細は、以前の記事「ゲームマーケット2023秋に出展します!(1)」をお読みください。
「622」とは
「622」とは、カードに書かれた数字を使って答えが622になるように数式を考えるカードゲームです。それ以外にも「いろいろ語呂つくりゲーム」「みんなで622」が楽しめるカードゲームとなっています。数字の書かれたカードを見ながら自分で+、−、×、÷ や √や乗数、階乗、三角関数など数式に使われる記号なら何を使ってもいいのですが、これを暗算でするとなると、かなりの難度です。いままでこんな使い方したことない、あるいは使っていたけれど忘れてた、その脳の部分を使うことこそがこのゲームの目的です。
「622」の販売集計結果
「622」は見やすくディスプレイしていただいたおかげもあり、頒布した3品の中で一番多く売れた商品です。販売時間は11時から5時まで。その間、トイレ以外はブースを離れずに観察やデータ取りをさせていただきました。
「622」の販売結果は以下のとおり。
<販売価格>1000円(ゲムマ特別価格)
<購入者性別>男性約70%:女性約30%
<年齢>20~30代が約70%、それ以外が約30%
※性別・年齢は見た目での判断です
<購入時間>集中することなくばらばらと。
<支払いに使われたお金の種類>千円札(一万円札なし)
購入者数はnoteでは非公開とさせていただくため、きちんとした統計結果ではありませんが、データからの気づきをまとめると、以下になります。
「622」の販売結果からわかったことは、
・女性よりも男性に興味を持っていただけた
・年齢層は比較的若い(おそらくゲムマ来場者のピークがこの年齢層?)
・説明を聞いたり試遊したりしてもらったなかで、戻って購入してくれたかたが他の商品よりも多かった(お客さんの顔を覚えるのは大事です!)
「622」についての質問
足を止めて説明を聞いてくださったかたの質問に多かったのが「なぜ622?」です。語呂合わせと計算をミックスするなら他の数字でもよかったはず。
ゲームとしての構成を考えるときに、まず何枚でその「語呂」をつくるのか、カードの枚数・種類はどうするか、が一番悩んだところであり時間をかけたところです。それに加えて、できれば1000円以内で頒布したいという思いもありました。
頭の中で暗算する限界が私の場合4枚でした。5枚になると途端に難しくなる。なので4枚で作れそうな数、百の桁を考えてから残りを考えられる数、そして語呂になる数が「622 ムフフ」だったのです。他にも候補はありましたが、それは別の機会に使えるとも思っており、ひとまず「622」で進めることにしました。
構成を考えるため、試作したカードで「622」を作ってExcelに記録する日々が始まりました。最初は13種類のカードを使い、8月の試遊会直前で14種類に変更。その試遊会の様子から遊びかたに変更を加えたため、合計15種類に落ち着きました。
今回のゲムマで「622」ゲームを購入する特典として、「622」になる18例を印刷してお渡ししました。「622になるのはこれだけですか?」との質問に、「いえいえ、今日までに√と指数、三角関数、階乗をつかって約50種類ほど見つけました。18例以外は見つけてもらいたくて全てを記していません」と返答。遊ぶうえで解答があったほうがいいのは承知なのですが、対戦でなくても一人で4枚並べて悩むのがこのカードの役目でもあります。毎日4枚ながめてできる、できないを繰り返すだけでも、脳トレ・脳活できます。それが今回ゲムマの展示だけでは伝わらなかったのが残念です。また、そういった目的ならゲムマではなく他の販売方法を選べば良かったかもしれません。それは今後の課題であり、引き続き模索したいと思います。
「622」の展望
さて、「ゲーム」はおもしろくなくては売れません。本当は私くらいの中年層にこそ買っていただきたかった…。なぜなら、この年齢からの脳活はとても大事だと思っているからです。しかし、今さら計算なんて難しくてと敬遠されてしまった、そしてまだ数学を習った記憶が残っている若者が興味を持ってくれた。計算きらい、計算嫌だという子どもにどうやったら好きになってもらえるのか考える先生のようです。その年齢層が受け入れてくれるおもしろい何かを探しつつ、「622」の展望としては「mix」。これは「"622"を2つ買って混ぜると人数増やして遊べますか?」との質問、そして「語呂合わせ」の部分の強化からです。実際に2組混ぜて遊んだことはないのですが、同じ種類のカードが2倍になると、プレイ人数を増やすことは可能ですが、早く上がるまたは上がれないの確率が増えるのではと考えています。やってみないとわかりませんが。そして片付ける時とても面倒なことになります。人数を増やして遊ぶ方法は他にもあるので、まずはその方法を試したいと思っています。できてお披露目するのは来年の秋かな。そのまえに「622」を売らないとその先は望めません。
ゲームは作れても、売るのは大変です。それでも来年リベンジしたくなるのは、ここまでたどり着いたからだと思います。売れないならやめておこうと思われるかたはそれでいいと思います。ただ、一度でもゲームを作ってみたいなと思われたかたは、ぜひ誰かのサポートでもいいので、この場に参加してみてください。そこで得たものはきっと宝物になるはずです。
カードゲーム「622」で脳トレしたいというかたは、下記 note のストアからご購入いただけます。
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