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グラサレマ山脈自然公園を馬で行く
今回スペイン馬の旅で一番長い外乗は、滞在したフィンカから少し離れたグラサレマ山脈自然公園での外乗だった。フィンカから2頭しか乗れない馬運車で、フィンカ主自らの運転で、前日に何往復もして馬を運び、知り合いの放牧地に放しておいて、最後の2頭のみ、当日の朝、移動しての民族大移動ならぬ、馬たちの大移動をしての外乗だった。
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この日も素晴らしい天気に恵まれた。日本で外乗を計画・予約するときは、いつもお天気が心配なのだが、今回、見事に連日晴れ。気持ちも快晴!
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いつものようにガイドを務めるフィンカの主を先頭にのんびり常歩。と、いきなり、牛の群れに遭遇。角があるけど、大丈夫なのかとちょっと思ったが(闘牛場に行ったもので、そのイメージが残っていた)、突進してくるような牛はいなかった。のどか。
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グラサレマ山脈はカディス県とマラガ県の間にある山脈というより、山塊、岩の塊みたいなんです。山並みの高さは標高600〜1600メートルだそうで、他が緩やかな丘なだけに、とても高い山に感じられた。1977年にユネスコの生物圏保護区に指定されたそうで、かつて人が住んでいた住居の跡などもあり、岩の小屋みたいな家屋の屋根がつぶれた廃墟のような場所も、かつての暮らしを知る遺跡のような取り扱いで、何一つ持ち去ってもいけないし、位置をずらしてもいけない。ずらしたらわかるほどに、きちんと登録されているのだそうだ。(それでも柵もないし、ましてや日本にありがちなたくさんの注意書きも、景観を崩すものは一切なし。)
岩がごつごつしているが、この地形、日本の秋吉台と同じカルスト地形で、石灰石などの水に溶けやすい岩石で構成された大地。馬に乗っていても、馬の蹄、大丈夫かな、と思うほどごつごつしていた。岩のなるべくないところを通ろうとしたつもりだけど、避けきれない。そもそも足元は馬に任せるしかない。馬が自分でどこを通るかを決める。
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途中、囲いの中にいる馬もいたし、羊の群れやヤギの群れにも遭遇した。
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ヤギと羊が混ざって100頭くらいいる中を通ったのだが、ヤギも羊も色々な音程の鳴き声で、野太い声だったり、まだ幼い子羊、子ヤギの声だったり、寄って来ることはなく、むしろ道を譲ってくれるというか、離れて行く羊やヤギが多かったかな。あまり気にしてない感じで、そのまま草を食べている頭数が一番多かったかも。
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グラサレマ周辺は年間降水量が結構あるところだそうで、途中小川もあった。
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コルク樫
かつてワインといえば、コルクの栓だったが、そのコルクはこのコルク樫から取る樹皮なのだそうだ。知らなかった。ウィキペディアの説明を載せておこう。
樹高は18mに、直径は1.5mに達し、幹の外側に厚いコルク層を形成する。樹齢20年に達したコルクガシのコルク層を剥ぎ取っても生育は阻害されず、再び厚いコルク層が再生される。樹齢約25年になったコルクガシから初めてコルク層が剥ぎ取られる。この時初めて剥ぎ取られたコルク層を“バージンコルク”と呼ぶ。2度目の収穫はその9年から12年後であり、その後150年から250年ほどに渡ってコルク層を収穫することができる。1本のコルクガシからは、その生涯に約12回の収穫が行われる。
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壮大な景色の長い外乗で、外乗というより旅した気分。事前に調べたりもしなかったので、目の前に広がる景色はどれも初めて見る景色で、ファンタジーの世界に迷い込んだようだった。そう、どこか『指輪物語』のホビットになって長い旅をしているような気持ちになった。駈歩で疾走するような外乗も楽しいけれど、こうして景色を楽しむ外乗もすごくいいなと思った。
ビアルンガ村でランチ
長い外乗を終えれば、次は遅いランチだ。馬を下りて、近くのビアルンガ村まで車で連れて行ってもらった。
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地震国日本に生まれ育った人なら、このロケーションは怖いとまず最初におもってしまうのではないだろうか。もろく崩れそうな岩山が迫ってきている。
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小さな村のレストランで食事をした。たくさん遭遇したヤギの乳で作るチーズが有名で、レストランで食べたチーズを使ったドレッシングがかかったサラダも、数種のチーズのスライスも、チーズケーキもすごく美味しかった。
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フィンカへの帰り道、赤いポピーのお花畑があまりにもきれいなので、車を止めてもらった。ちょっとだけ散策。
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これまたすっかりルノワールの世界だな。
花の咲く季節に旅をするっていいなぁとうっとり。幸せを感じた。
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