日高山脈
ワークショップも4日目になると、話し合いがヒートアップして来て、一人一人の発言が長くなり、間髪入れずに様々な意見が出てくるために、通訳には負荷が大きくなるばかり。今日はもうヘトヘトである。明日の最終日が終了する瞬間が今から待ち遠しい。
ずっと座りっぱなしだったので、ちょっと外に出て体を伸ばしながら撮ったのが上の写真だ。今日は曇りだったので、夕暮れの空はほのかなピンク。綺麗いだなぁ。
プレートの衝突
先日、地質学の先生と日高山脈の話もした。プレートがぶつかってプレートがめくり上がって出来上がったため、日高山脈の西側、浦河でアンモナイトの化石が見つかるという話を聞いた。その時、私は、そのぶつかる瞬間から一気に今の日高山脈が出来上がるような、超早送りな動画を頭に描いた。ディズニーの映画「Mr. インクレディブル」に出てくるフロゾンの氷のような動画だ。
爪と同じ
描きながらも、そんなはずはないだろう、と思い、先生に、今の日高山脈ができるまでって、めりめりって音がして動いているのがわかる感じだったんでしょうか? どれくらいの速度だったのでしょう? と質問すると、自分の爪が伸びるのを自分でも気づかない、そんな感じでしょう、という答えが返ってきた。年に数cmと言われても実感がわかないが、ものすごく納得感があった。
過去を知る
その回答を聞いてから、日高山脈を見るたびに、この姿になるまでの長い年月に思いを巡らせるようになった。読書猿という人が、歴史を学ぶ意義とは、「現在と過去との対話を続けていく間だけ、人は未来への希望を語ることができるから」と書いていた。「現にある状態とは異なる可能性を知らなければ、現にあるのとは違う未来を考えることもできません。」とも。
フラットな状態からこんな急峻な山脈ができるのだ。とてつもなく大きな希望を感じるではないか。体も伸ばしたことだし、明日も頑張ろうっと。