かわいい たっくん
たっくんという男の子がいました。
当時5歳だった彼は今15歳。
どうしているのかな。。。
なんでも、かんでもが、不思議に満ちた日常の出来事。
マリア幼稚園に通っていた たっくんは
ある時 私をみつけると かけよって来て
目をくりくりしながら
口をとがらせながら 私に 質問してきました。
「かわいい たっくん」
「どうして かみさまは みえないの?」
たっくんは ちいさいくちを たこのように とんがらせて 聞きます。
「たっくん おばちゃんが ふうっと はいた 息がみえた?」
「みえない」
たっくんは ちいさいくちを つばめのように すぼませて
首をふります。
「たっくん おばちゃんが ふっと はいた 息を 感じた?」
「うん。」
たっくんは おおきな おめめを くるくるさせて
小鳥のように うなずきます。
「たっくん おばちゃんが たっくんのこと
かわいい かわいい っていう思いが
見えた? 感じた?」
たっくんは おでこに しわをよせて
ふくろうのように じっと みつめます。
たっくんは 「かわいい かわいい」と いう
言葉は みえません。
でも
たっくんは 「かわいい かわいい」と いう
言葉を 感じて くるくる 踊りはじめます。
目に みえなくても ある。
肌で 感じなくても ある。
かみさまもね 目には 見えないけれど
心で 見ることができる。
かみさまもね 肌では 感じなくても
心で 感じることができる。
たっくんの
おかあちゃんの 笑顔
おとうちゃんの 笑顔 の中に
かみさまの 笑顔が 見えるよ。
おかあちゃんの 言葉
おとうちゃんの 言葉 の中に
かみさまの 言葉が 聞こえてくるよ。
おかあちゃんの だっこ
おとうちゃんの だっこ に
かみさまの 温かさを 感じるよ。
おかあちゃんの ちゅ
おとうちゃんの ちゅ に
かみさまの 優しさが わかるよ。
おかあちゃんと おとうちゃんは
たっくんが
大事 大切 大好き
でも たっくんは 目では 見えない。
でも 感じる。
あのね かみさまは 大事なもの
大切なもの 大好きなものを
かくしてあるの。
だからね かみさまは
見えないんだよ、たっくん。
でも、感じるね。
たっくん。
11/2/10 Tue. 5:00p.m.