母の休日
今日は夫の仕事が休みだったので、髪を切りに行った。
電車に乗って、街に出る。緊急事態宣言下、土曜日にしては人が少ない。
早く着いたのですいているカフェでコーヒーを飲み、ガラス張りのブランドショップが並ぶ通りを抜けて、美容院へ。
髪を切り終えて、会計のときにLINEを見たら、すやすやと寝ている息子の写真が送られてきていた。
美容院に行く、というのは、母にとってひとりで出かける免罪符。
と言っても、別にひとりで出かけちゃいけないと言われているわけでもない。おひとりさまタイムが欲しいときはいつでも夫に頼めるし、ご飯の支度をさぼってもいいんだよ、と言われているのだけど、なぜだかちょっと悪いような気がしてしまうのだ。
それでも、1歳2ヶ月くらいで授乳が終わってから、その少しの罪悪感や、早く帰らなくちゃ、という気持ちは、確実に薄れてきている。
身体も変わったが、気持ちの面でも、この子の命は私が守る!というオラオラ戦闘モードから、たいていのことは大丈夫よ〜、という肝っ玉母ちゃんモードにシフトしてきている気がする。
息子がまだ1歳にならないうちは、たまにひとりで出かけるときの開放感がすごかった。そう、これが私だった!と、産む前の自分を思い出し、ひとりの時間を噛みしめて、颯爽とした気持ちですいすいと街を歩いた。
けれど今は、ひとりで出かける時間も日常の延長という感じ。きっと、息子と過ごす時間が特別なイベントではなく、日常になってきているからだと思う。一生懸命頑張らなくても、自然体で一緒に過ごせるようになったのだ。
夫も、理由もわからずに泣く息子を抱っこしながらお留守番していた頃よりも、とてとて歩いて本をめくったりソファ によじ登ってきたりする今の方がリラックスしてふたりの時間を楽しめているだろう。暇をもて余したら、公園に行ってもいいし駅に電車を見に行ってもいい。
おもちゃ屋さんで息子のおみやげに木のたいこを買い、お昼ごはんに海老とトマトとチーズのパスタを注文して、ごはん食べて帰ります、とLINEしたら、1時間前と同じポーズで寝る息子の写真が送られてきた。
世の中がこんな状況じゃなかったら寄り道して服を見に行きたい。買い物したい。うう。ワンピースが欲しい。
でも仕方ない、帰ろうと家に向かう電車に乗る。
でももうちょっとこのひとりの時間を満喫したくて、最寄りの駅に着いたら本屋さんに寄って、もうひと休みしてから帰ろうかしら、などと企んでいる。
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