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インナーチャイルドを癒したら、子育てが変わったという話

私の親バカぶりはなかなかすごい。
お腹に宿っているとわかったその日から愛おしくて愛おしくてたまらないスイッチが入り、分娩台まで続いたつわりも、「この子のためなら!」と乗り越えられた。(めっちゃくちゃ辛かったけど)

生まれてからなんてもう、そりゃそりゃ愛情爆発!
お義母さんが「こんなに全身全霊でかわいがるのはすごい」と言ったのを覚えてる。
35歳で出産した私は、それまでにそこそこ人生の大変さを経験していたので忍耐力が備わっていた。
娘に初めてイラっとしたのは、1歳半を過ぎてイヤイヤ期が始まった頃。
あまりに泣き止まない娘にイラっとして、そのイラっとした自分にショックを受け、トイレに1人こもって大泣きした。
そのくらい愛情を注ぎまくるのが私の子育てだった。

幼稚園の参観日は毎回泣くので、ママ友がそんな私を見にきたし、初めての遠足で娘が乗るバスが出発したときには、「生んでから初めてこんなに離れる〜」とバスを見送りながら号泣し、ママ友たちに笑われた。

そんな私が、ある時から娘を抱きしめられなくなった。
かわいいと思うし、愛おしいとも思うけど、「ママ〜!」と抱きついてくる娘を受け入れられない。
「私、どうしたんだろ……。なんでこんな風になっちゃったんだろ」
泣きながら夫に相談したこともある。
でも、その原因がわからないまま時間が過ぎていった。
娘が小2になった頃のこと。

ちょうどこの頃、運命の巡り合わせ的に私はヒプノセラピーと出会う。
そして、ヒプノセラピーでインナーチャイルドと対面することになる。

母子家庭で育った私は、女手一つで私と弟を育てるためにスナックを経営する母の代わりに、家の中で「お母さん」役を担っていた。
それがちょうど小2からスタートした。
夕方出勤していく母を見送ったら、1つ下の弟のために夕飯を作り、2人で食べて、お風呂に入る。22時には弟と2段ベットに入って寝る。
朝起きると、隣の部屋のベットに母が寝ていて、私たちは母を起こさないように起きて学校へ行く。
そんな生活をしていた。

ヒプノセラピーで出てきたのは、夜中に目が覚めたら、まだ母が帰っていなくて、家の中に弟と自分しかいないという恐怖に怯える7歳の私だった。
「早く帰ってきて。夜は家にいて。寝るときはそばにいてほしい!」
7歳の私はそう言って泣いた。
当時の私は、母を困らせたくなくてそんなこと言えなかった。そして、その言えなかった気持ちがインナーチャイルドになっていた。

別のセッションでは、お母さんを困らせないように頑張る8歳の私が出てきた。
「お父さんがいないからだと後ろ指さされるようなことは絶対しないでね」
母から言われるこの言葉は、幼い私にとって呪縛になっていた。

母を困らせちゃいけない。
弟に寂しい思いをさせてはいけない。
私が頑張らなくちゃ。
私が、頑張らなくちゃ!

娘と同じ年齢のときの私には、子どもらしく生きるという選択肢がなかった。

娘は、小学生になっても私が隣にいないと眠らない。私の腕に抱きつきながら安心して眠りにつく。
娘と同じ年齢のとき、私は1歳下の弟が眠りにつくのを2段ベットの上から覗き込んで見ていた。
「寝れる? 大丈夫? 怖くない?」
私が母に言って欲しかった言葉を弟にかけながら、弟が眠りにつくのを見守っていた。

インナーチャイルドと対面したことで、娘を抱きしめられなくなった理由を知ることになる。

なんと、8歳の私が、私の娘に嫉妬をしていたのだ。

「私はそんな風に子どもらしく思いを伝えられなかった。
お母さんを困らせないように頑張ってきたのに、あなたは自分の気持ちを抑えずぶつけて受け止めてもらえててずるい!」

びっくりしたけど、腑に落ちた。
そして、そんな風に気持ちをぶつけてくる小さな自分を愛おしく思った。

「あなたはとっても頑張ってる。
だから、お母さんは安心して働けるし、弟もお母さんが夜いない家で安心して眠りにつける。
そんなに小さいのに、まだまだ子どもなのに、もう立派なお母さんをやってて本当にすごい! とーってもえらい!
でもね、もっともっと子どもでいたかったよね。甘えたかったよね。わがままだって言いたかったよね。
わかるよ。今、言えなくて抑えてた気持ちを私に聞かせて」

そうして、大人の私は8歳の私を強く強く抱きしめた。

抑えてた感情が溢れて涙、涙のセッション。

このセッションで、私はインナーチャイルドを癒すことができた。

その後、私は娘のことを全身全霊で抱きしめられるママに戻った。
娘を心から抱きしめられる自分に安心したし、きっと娘もその変化をなんとなく感じてたはず。

我が子を心から愛して抱きしめられるって幸せなことだ。
もし、それができなかったり躊躇したりする気持ちがある人は、もしかしたら自分の中に傷ついたインナーチャイルドがいるのかもしれない。

親子関係に限らず、誰かを幸せにするには、まず自分が幸せじゃなきゃいけない。
自分を信じられない人が、他人を信じられるわけがないし、自分を愛せない人が他人を愛せるわけがない。

だからまず、自分を信じて愛してほしい。もし、それができないならその理由を探って、解決してほしい。

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