子供が絵を描くことで得られるもの
「絵を描くことは、自分の感情や感性が絵にのっかるということ」
娘(3歳)の保育園でお世話になっている、幼児絵画の先生によることば。
幼児期に絵を描くことは、子供の心を育むといった点において、
とっても重要な役割を担うという。
子供たちが描く絵は、どんな形でもどんな色使いでも芸術作品。
画用紙いっぱいがぐるぐるだったり、不揃いな丸が無数に書いてあったり、大好きなキャラクターがとてつもなく大きく描かれていたり。
その子にしか描けないタッチ、表現方法で、白いキャンバスが彩られている。
我が子が描く絵が、形を成していなかったり、月齢にしてはあまりうまく描けていないとか、暗い色使いに不安を覚えたことはないだろうか。
クリスマスの時期、とあるこどもが、自分が描いたサンタクロースをクレヨンで真っ黒に塗りつぶしたことがあったそう。
もしも、その絵を描いたのが我が子であるとしたら、
クリスマスにいい思い出がないのかな?
何か悲しい思いがあるのかな・・?
なんて、少し心配になってしまったりするのではないだろうか。
実のところ、その子がサンタクロースを塗りつぶした理由は、
「サンタさんはエントツから入ってくるから、炭で汚れているだろう」と考えたのだそう。
これには、私も驚いた。
子供の想像力は、大人が想像しているよりも深いのだ。
大人になると、無意識に「答え」を探してしまうクセがあり、
顔に鼻がなければ、「お鼻はどこ?」と聞いてしまう。
しかし、絵画というものに正解はない。
子供が描いた一枚の絵には、
その子の「感情」と「感性」がのっかっている。
お父さん、お母さんを描いてみようと言われ、
ぐるぐるの丸で、ぶどうとかき氷を描いた我が娘。
それらを描いた理由を聞くと「そのとき食べたかったから!」だそう。
彼女の中に「べき」「すべき」はない。
「今、ここ」を生きている子供たちの感性を、例えそれがどんな絵だとしても、受け入れてあげる。そして、「すごいね」「よく描けたね」って褒めてあげることが大事なのである。
”正解のない遊び”である絵画。
「描いた絵を受け入れ褒めてもらえること」を何度も体験することで、
自分で考え、自分の意見を持ち、そして他人の気持ちを大切にできる、
そんな心が育まれていくのだ。
子どもたちを豊かにする自由な「遊び」。
頭がカチカチになっている大人が、子どもの絵を通して「思い込み」を解放する。
そんな授業があってもいいのではないかと思っている。
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