見出し画像

思い出すだけでほっとする笑顔

昨日は、スクールカウンセラーの今年度初出勤日だった。

私の勤務している地域では、中学校区毎にスクールカウンセラーが配置されています。。私の勤務校の中学校区には小学校が3校あるので、全部で4校を担当しています。
昨日はその中学校の入学式。
いつも入学式には出られるようになるべく調整している私。

子ども達のみんながみんな、小学校にも勤務している私を覚えている訳ではないけれど、ただ一人でも、私の顔を覚えてくれている子どもがいるのなら。
そして、その子が期待よりも大きな不安を抱えて、中学校の入学式を迎えているのなら。
そんな入学式で、見覚えのある私の顔を見つけて「あっ見たことある先生!」と、ほっとしてくれたらいいな。そんな想いで入学式に参列しています。

これは保護者さんにも同じ。
特に一人目のお子さんの場合、保護者さんにとっても中学校は初めての体験。そんな中私の顔を見て、「あっ先生だ!」とほっとしてくれる保護者さんが居てくれたらいいな。そんな想いで入学式に参列しています。

そんな目的の私は、入学式の受付も手伝って、スリッパも配って、出口で誘導もして。。。
なるべく沢山の生徒と保護者さんの目に留まるように。
笑顔で心を込めて「ご入学おめでとうございます」と声をかけます。
職員紹介の自己紹介でも「相談室で待っています」と気持ちを込めて伝えています。

校長先生の挨拶の中で「手塩にかけて育ててきた大切なお子さんをお預かりします」と話された。
本当にその通り。
新入生だけでなく在校生も、保護者さんに、ひとりひとり大切に大切に育てられた、私達の宝物。

中学生の頃の私は、どちらかと言うと学校も先生もあまり好きではありませんでした。
私にとって学校は窮屈で息が詰まりそうな場所だったので、いかに息を抜くかをいつも考えていたような。。。

入学して暫くして衣替えをするかしないかお天気だったある日
別の小学校で中学から仲良くなった友達に誘われて、
授業を抜け出し、学校を抜け出し、自販機でジュースを買って。

2人で防波堤に座って、目の前に広がる真っ青な海を眺めながら、戦利品のジュースをゴクゴク飲み干す。
青空を見上げ、この世界には自分達だけかのように。
めい一杯『命』を感じて大笑いをした。
それから、何食わぬ顔で授業に戻る。
これは二人だけの秘密。

当時はスクールカウンセラーなんて気の利いた先生はいませんでした。
当時の私は、先生は高圧的ないばりんぼう。いきなり怒鳴ったりに笑ったり裏表のある理不尽な大人。そんな大人になるものか。そんな風に感じていた私・・・。
勿論、家庭のことで悩んでいても、友達のことで悩んでいても、健康のことで苦しんでいても。先生に相談したことはありませんでした。
先生の前ではいつも『良い子』だった。
心を開いたことは一度もない。ずっと『良い子』を演じていた。

スクールカウンセラーになって入った学校現場。
先生達がどれほど子ども達を想い、子ども達の為にどれほど心を使って教育をしているかを目の当たりに。
中学時代、もう少し先生と話してみても良かったかもしれないなぁ。この年になってちょっと反省・・・。

そんなわたしが「先生」として、子ども達とどう関わるのか。
自分が嫌だと感じたことはしたくない。
いばりんぼうにもなりたくない。とにかく子ども達と同じ目線に立って。
顔と顔を合わせる。目と目を合わせる。

裏表や理不尽さでなく、とにかく誠実に誠実に。
「入学おめでとう」を心から。「よく育ったね」「よく育てたね」沢山頑張ってきた子どもと保護者に心から。伝える。

こんな変わった先生も居たなぁと、こんな変わった大人も居たなぁと。
じゃぁ自分が変わっていてもOKかと。
そんな風にいつか遠くに思い出してもらえたら。。。

ちなみに・・・。
不思議なことに、中学時代の海への脱走は全く先生にも親にもバレず。今となっては良き思い出に。

彼女はどうしているだろうか。
おひさまみたいに、キラキラした彼女の眩しい笑顔を思い出す。

『命』「生きている!」を感じれた、大切な大切な思い出をくれた彼女にありがとう!


いいなと思ったら応援しよう!