『こころは発達』は一生涯。
大学の後期の授業が始まりました。
非常勤講師の私は、彼らに会えるチャンスはたったの15回。
大学は、子ども達が社会に出るまでに、大人達に見守られた安心感の中で、失敗して成長できる最後のチャンス。
そんな彼らの学びに、この15回の授業の中で、私が先生としてどう貢献できるだろうか。。。
この夏、松岡茉優さん主演の『最高の教師』というドラマを毎週観ていました。
松岡さん演じる高校3年生の担任教師が卒業式の日に誰かに突き落とされるシーンから始まり、次の瞬間4月の始業式の日にタイムスリップしてもう一度そこからやり直していくというストーリー。
少しだけネタばれ。
『最高の教師』は生徒達だった。。。
いつも私もそう思っています。
毎年出会う大学生の彼ら。
彼らの感性は豊かで、彼らは自由に「子ども」と「大人」の間を行き来していきます。
毎回授業の最後に、ミニレポートを書いて提出してもらいます。
授業の内容を自分の言葉で綴るレポートには彼ら一人ひとりの「自分らしさ」が表現されています。
そんな彼らのダイヤの原石のような「自分らしさ」を、授業を通して気づけるように。そして次のステージである社会に、その宝物を持って進めるように。。。
今日の午前中は保育園での座談会のお仕事。
「ママがいい。ママがいい」と1日中チビちゃんの遊びや要求に付き合っている優しいママさん。
そんな話をママさん達の輪の中で私とママさんがしていると、そこにチビちゃんが「ママ来て!ママ来て!」とやって来た!
「ママね今先生とお話ししているんだよ」とすかさず声をかける。
私から声をかけられ、驚いてママの背中に飛びついて顔をうずめる。
「そうだね。よく待てたね。ありがとね」と声をかける。
背中にくっついたまま、チラッとこちらをのぞいて、にやり。
<そうか、そうか。チビちゃんはちゃあんと分かっているんだな>と感じる。
『おぬしやるな』の表情をチビちゃんに投げかけながら、
「ちゃんとチビちゃんは分かっていますよ。ずっとずっと付き合わなくても大丈夫。ちゃんと待ってくれますよ」
と、ママさんに声をかけた。
座談会の終盤。気がつくと、あのチビちゃんはすっかりママから離れて、お友達と一緒に楽しそうに走り回って遊んでいた!
「今日一日だけでも、こんなにも成長するんですね。成長した姿が見れて嬉しかったです」
と満面の笑みでママが感想を教えてくれた。
ママから離れて、お友達と自由にのびのび初めて遊んだあのチビちゃん。
「わたしにだって出来るんだ!」
自分で自分に安心できれば、子ども達はどんどんぐんぐん成長していく。
その為に大切なのは、周りの大人からの声かけと、安全で安心できる場。
まだまだ子どもで、もうすっかり大人の大学生の子ども達。
どんどんぐんぐん。
彼らがどんな成長を遂げるのか、15回目の授業を楽しみに。
「自分らしさ」
「気に入らないところも、良いところも。全部丸ごと、私は私。これもなかなか良いもんだ」
そんな風に安心して社会に出られるように。
今日の授業のミニレポート「人として成長するには、人との関わりが大切だと思った」と書いてくれた学生さん。
学生さん達との一期一会、一瞬一瞬、一回一回の授業を大切に。
彼らと、私の成長を楽しみに・・・。