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ヤングケアラー研修会

家族のケアを大人の代わりにやっている子ども達のことを『ヤングケアラー』と言います。
この言葉を聞いたことがありますか?

ケアと言っても色々な状況があります。
「寝たきりの家族をつきっきりで世話をしてる」までの状況にはなくとも、

例えば、
幼いきょうだいの保育所の送迎をする為に部活に入らない。

精神的に不安定な母親の職場での愚痴を毎晩遅くまで聞いていて、学校の課題が全く出せない。

病気で闘病中の家族の服薬管理から食事の介助をしているので週末は友達と遊ぶ約束ができない。

認知症の高齢者が外に出ていかないように、親が不在の時間は常に見守りをしている。
など、状況もケアの頻度もまちまち。
ですが、これまでのヤングケアラーの調査では、毎日ケアをしている時間が、4時間に及ぶ子もいました。

『ヤングケアラー』の経験は悪いことばかりなのか?
そんなことはありません。

例えば、
ケアされる家族を見守る経験で、人を思いやる気持ちが育つのは勿論のこと、小さな相手の変化にも気づける観察力や洞察力も培われます。
でも、これを過度にやる過ぎることで、相手の顔色ばかり気にして、周囲の状況を優先し過ぎ自分の感情に蓋をして、自分を大切にすることを忘れてしまう子もいます。

ケアされる家族の思いを汲んで対応する日々を送ってきた経験からは、どんな相手でも、どんな場所でも周囲に合わせて動ける柔軟さが身につきます。
でもやり過ぎると、学校でも大人になって職場でも、過剰適応となり心身が疲弊して、うつ状態になる子もいます。

どんなにケアを頑張っても、病気や障害のある家族が元気にならない状況を体験することで「自分は無力だ」と、自己肯定感を下げてしまうこともあります。
でも、これが原動力となり、看護師や介護職、相談にのるソーシャルワーカーやカウンセラーなどの進路に進んでいく子も沢山います。

実際に私もそんな経験者の一人です。

ヤングケアラーの調査によりと、ケアについて相談したことがない子が半分以上。その理由に「相談しても状況が変わると思わない」と書いた子も。
大人を、社会を、諦めている子ども達。

社会課題『ヤングケアラー』と聞くと、私達はどうしても、それが「悪」か「善」かジャッジしたくなります。
でも私達がすることはジャッジではなく、そんな子ども達に寄り添い、一緒に考えることなんじゃないかと思うのです。

ソーシャルワーカーの仕事をしていると、子どもでも大人でも当事者が諦めている状況の方に出会います。
例え、当の本人が諦めようとも、「わたしだけは本人さんが幸せになることを絶対に諦めない!!」それが私の『モットー』

子ども達の幸せだけでなく、ご家族の幸せも諦めたくはありません。
子どもにケアをさせていることを不甲斐なく思わないといけない社会ではなく、「わたし達は困っている。だから誰か手伝って」と安心して言えて、それはお互い様で、助けたり助けられたり。「ありがとう」がこだまする世の中を作りたい。

大切なのは「子どもが子ども時代を、子どもらしく過ごせる」こと。
お手伝いの「やり過ぎ」にならないように、周りの大人が気を付けて目をかけ、声をかけ、暖かく。「見張る」のではなく「見守って」いく。

この大人からの声かけから子ども達は「自分らしさ」や「自分の強み」に気付いていくことができるのです。
そしてそれは、自分を大切にすることに繋がっていく。子ども達とわたし達の未来にも繋がっていく。。。

『ヤングケアラー』を真ん中に据えて、自分の役割や社会の在り方をちょっとだけ立ち止まって考えてみませんか?

お近くの皆さまのご来場、心よりお待ちしております・・・。
子ども達とわたし達の未来のために。

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