研修会のストーリー
私は、お仕事で、保護者向けの子育て講演会や、保育士さんや養護教諭など先生、栄養士さんや子育て支援センタースタッフさんなどの専門職向けの研修会の講師もさせていただいています。
5月に入ると、今年度の予定が見えて来て、色々なところから講師依頼の連絡をいただきます。
今日はオフだったので、今月末にある研修会の資料・スライド作りをしていました(オフでなく仕事ですが・・・)
いただいたお題を元に、研修会のストーリーを考え、スライドを作っていきます。
「あぁ、どんな人が参加されるのかなぁ。。。」
「あぁ、どんな反応でワークされるかなぁ~」
「ここで一息、振り返るワークを入れると、自分事としイメージしやすくなるかなぁ。」
「ここでちょっとお隣と見せあいこ出来たら、他の人の考えに触れ、何か新しい発見が出来るかも!」
私は一方的に話す講義形式はあまり好きではありません。
グループワークやディスカッションや踏まえて構成していきます。
私も参加された皆さんとの対話を楽しみにしています。
講師のお仕事をはじめてやらせてもらったのは、かれこれ14年前。
当時駆け出しの家庭相談員だった私に、ベテランの障がい分野の相談員さんが声をかけてくれて、県全体から相談員さんが集う研修会のパネリストの一人として呼んで下さったのです。
家庭相談員は、0才から18才までの子どもと家庭に関わり、児童虐待の予防から対応、DV相談、離婚相談、家庭内暴力から不登校、発達障害や親の精神疾患や経済的困窮などありとあらゆる相談に乗る相談員です。
4月から家庭相談員をはじめて、この研修会は7月。まだ3ヶ月しか経っていない私に、ベテランの相談員さんは
「今回がはじめてでも、これから土居さんはこんな人前で話すお仕事をしていくようになる人だと思うから」
と、自信満々に爽やかな笑顔で説得してくれたのでした。
私の知らない未来の私
「その確信はどこから来るんだろう?」と、不思議で仕方ありませんでしたが、その後その相談員さんの予言は的中、人前で話すお仕事がどんどん増えていったのでした。
はじめてのパネリストのお仕事
「まだ相談員をはじめて間なしの私の話なのに、こんなに一生懸命真剣に皆さん話を聴いてくれるのか!!」
とってもとっても嬉して、質疑応答が楽しくて、今でも覚えている会場の雰囲気。
色々な対象者で講師の仕事が増えていきました。対象が先生やお医者様の時はとても緊張して、台詞までカンペを作って講演したことがありました。
すると・・・。これが全く楽しくない!!
緊張しても楽しく話せる時と、どうしても最後まで緊張ばかり感じて楽しくない時があるのです。
そんなことを繰り返していたある講演会。
会場の皆さんと対話をし作り上げていく研修会が終わって・・・。
私はカンペを見るのではなく、参加者さんのお顔が見たいんだ!
私は参加者さんに声を届けたいのではなく、参加者さんの声が聴きたいんだ!
私は参加者さんに学んで欲しいのではなく、自分も皆さんと一緒に気付き学びたいんだ!
その後、その為にはどうしたらいいか試行錯誤。
一生懸命考えて。考えて。
その① カンペは作らない
・・・カンペを見ていると参加者の皆さんのお顔が見えません。皆さんのお顔を見て、話すペースや内容も少しづつ変えていきます。
その② 内容も作り込み過ぎない
・・・一方的に教え込むのではなく、私も一緒に学んでいくため。余白があるから、自分で主体的に考える余地が生まれます。
その③ 参加者さんの力を信じて助けてもらう
・・・どんな学びを持って帰るのかは、参加者次第。私の意図しないところでその方は大切な気づきをされているのかもしれない。ただ1つの正解なんてない世の中。沢山の正解を参加者さんと見つけていこう!
スライドを準備しながら、まだ出会わぬ参加者の皆さんのお顔を思い描き、皆さんとのやり取りを想像しながらにやにやとパソコンに向かう。
あの相談員さんは、何で私がこのお仕事が楽しめるってピンと来たのだろう???
駆け出しの相談員だった私に何が見えたのだろう・・・。
私の『特技』を引き出して、『スキ』を作るきっかけをくれた大切な相談員さんとの出会い。
『スキ』の輪が広がる沢山の人と出会えるお仕事をさせていただけることに心から感謝。
「土居さん今年も来てくれる?うちの職員さん達みんな楽しみにしとるんよ」の電話口の言葉に心躍る。
今年はどんな出会いがあるのかな、蓋を開けてのお楽しみ。。。
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