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気分障害(うつ病、躁うつ病)シリーズ5

~薬とか色々ややこしくまとめているところがありますが、そのあとかみ砕いでまとめています。(そのつもりですが、分かりにくかったらすみません。)

難治性うつ病の治療について

うつ病の薬物療法は、抗うつ薬を中心に必要に応じて抗不安薬や催眠薬を併用するのが通常であったが、

今日では、種々の抗精神病薬が用いられるようになってきている。

海外では、一部の第二世代抗精神病薬はうつ病に適用拡大し、日本でもうつ病患者に抗精神病薬を投与することが増えている。

双極性の要素が確認されれば、気分安定薬や第二世代抗精神病薬が投与されるケースも増えている。

解説)

現在は、今まで使われていた薬以外にも使われるようになったということです。

抗精神病薬が処方されることがありますが、うつ病は精神病ではありません。ただ、抗精神病薬が効くことがあるということです。

例えば、最近ではコロナウイルスにエイズの薬が効いたとかニュースで言っていましたが、コロナとエイズは違うものですよね。(ちょっとずれているので例えが分かりにくかったらすみません。)

では、何故効くかというとシリーズ1でまとめた、セロトニンとかドパミンを上手く働かせるように抗精神病薬が手伝ってくれるのです。

それによって、今まで使われていたうつの薬や不安や不眠に効く薬だけでは効果が出にくかった、治りにくいうつ病の手助けになっているということです。

難治例の対応

うつ病における薬物療法の原則は、抗うつ薬を単剤で、十分な期間投与するが、気分や意欲、活力の回復が不十分な場合には、

①他の抗うつ薬へ切り替える

②別の抗うつ薬を追加する

③抗うつ薬以外の薬を追加する

を考慮する。

近年では併用療法が推奨される傾向にある。

②の例)SNRIとNaSSAの併用が、精神症状をつかさどるセロトニン(安定感)、ノルアドレナリン(意欲)、ドパミン(快楽)の3種類を活性化させるといわれている。

解説)

SNRIとかNaSSAは薬の種類なので気にしなくて大丈夫です。

一緒に使うと効果が高まることがある薬があるみたいです。

参照:医師が処方を決めるまで 日経ドラッグインフォメーション 

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上の図は階段をのぼる度に症状が悪化していると考えてください。

セロトニンが減ってきて、イライラし、不安になり・・・最後は生き甲斐がなくなってしまうようにです。この減ってしまった、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンを働かせることによって階段をおりていくことができ症状が改善していくということです。

アンヘドニア(無快楽症)

抗うつ薬で治療し、症状は改善しているがアンヘドリアが残ることがある。

アンヘドリアとは、喜びや生き甲斐が感じられず、何をしても楽しめない状態のことである。

ドパミン神経の機能低下が原因と考えられている。

解説)

うつ病の回復過程にしばしば残る症状です。

→ドパミンが作用するようにしたら改善すると考えられる。

例)抗精神病薬追加など

炭酸リチウム(リーマスの併用)

・治療抵抗性のうつ病に躁病治療薬の炭酸リチウム(リーマス)が使われることがある。

理由)抗うつ薬の効果を強めるため。セロトニンの神経伝達を増強する。

注意)SSRIと炭酸リチウムの併用でセロトニン症候群が起こりやすくなる。

解説)

セロトニン症候群とはセロトニン濃度が脳内で高くなりすぎてしまうことにより起こる症状です。症状は頭痛、めまい、嘔吐、発熱、発汗、悪寒、昏睡、そして最悪の場合はごくまれですが死に至ることもあります。

セロトニン症候群は薬を飲んで数時間以内に起こることが多く、症状が出た場合、服用を中止すれば24時間以内に症状がなくなることが多いようです。

・効果増強に必要なリチウムの血中濃度は0.4~1.0mEq/L程度とされ、効果がでるまでに1週間ほどかかる。

注意)1.5mEq/Lを超えるとリチウム中毒を起こすことがある。炭酸リチウム服用中のNSAIDs服用注意。(血中のリチウム濃度が上がることがあるため)

解説)

NSAIDsとは市販薬でも売られている身近な薬で、解熱鎮痛薬のことです。風邪薬や痛み止めに入っている可能性があるので注意が必要です。

甲状腺ホルモン剤の併用

抗うつ薬の効果増強療法には、炭酸リチウムに次いで甲状腺ホルモン剤も併用されることがある。

神経症性うつ病

典型的なうつ病は、精神全体が疲労したときの精神症状であり、神経症性うつ病は、人生に対する否定的思考が心を支配したときの精神症状である。

心の病の治療とケアの標的が複数あることを見落とさないようにする。

重要な標的が改善できると他の標的も改善されていく。

必要なものを選んで服用する多剤併用が望ましい。

クロミプラミン(アナフラニール)は強迫性障害の治療薬として使われる(75~225mg)

SSRIのフルボキサミン(デプロメール)も使われているが相互作用の恐れ(CYP1A2,3A2,2D6の阻害作用あり)があるので注意が必要。

しかしクロミプラミン(アナフラニール)は適応外。

解説)

強迫性障害を伴ううつ病の人によく使われている薬があって、適応外ではあるが、効果があるので使われている薬もあります。

保険適応の薬がありますが、その薬は他の薬との相性が良くない場合があるので使いにくかったりします。

不眠で処方される薬の中にも一緒に飲んではいけない薬があるので要注意です。

注意しなければならないのは医療人で、患者さんは知らなくて問題ないですが、現在飲んでいる薬は必ず病院では医師、薬局では薬剤師に伝えてください。病院で伝えていても、ミスで飲んではいけない薬が処方されてしまうことがあります。そういった場合、薬局に飲んでいる薬を伝えることでミスを回避することができます。

実際、ミスはあります。私が経験した中だけでも何回もあります。そのミスに気が付けるのは、患者さんが見せてくれたお薬手帳の内容だったり、自己申告です。安全に薬を飲むために是非情報提供にご協力お願い致します

薬を覚えられない方や伝えるのが面倒な方は必ずお薬手帳を持ちましょう

話はずれましたので元に戻します。

リスペリドン(リスパダール)は、対人過敏が強く、聴覚や嗅覚が過敏であり、中枢神経が興奮している時に使われることがある。

注)薬の名前は一例ですのでこれが全てではありません。

以上です。

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