【水樹ミア】氷の王子と魔法使いは花の褥で恋を語らう

 春の妖精の加護を持つラファがとても可愛らしく、感情が高ぶると花を降らせてしまう設定が作品の中で存分に生かされていて、幸せな気持ちにひたることができました。

 花を降らせることができるって確かに役に立つことはないスキルですが、氷のように無表情に誰にも心を許せない環境に身を置くしかなかったウィルクにとっては、とても素敵な魔法だったんだろうなと思います。寒く、閉ざされた場所でひとりで暮らしていくしかない状況で、ラファが春の陽気とともに彼の世界へ鮮やかに色を付けていく、仲が深まっていく過程がほほ笑ましく、大変悶えました。

 帯にあるように、本当にお互いが運命の相手で唯一無二の存在で、相手のためなら王位を捨てることも、精霊の加護を捨てることもできる。ふたりの強い愛が感じられる作品でした。花に埋もれてしまうふたりをもっと読みたいです。

 今回のお話もミア先生らしく、かわいいけれど芯は強い受けで安定していて、楽しく読むことができました。

 アマゾンは電子版しか見つけられなかった。コミコミスタジオは特典でイラストカードが付いていました。

<コミコミスタジオ>https://comicomi-studio.com/goods/detail/128456



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?