見出し画像

クリスマス直前だけど恋人いないし、サンタにでもなってみようかな


この前夏が終わって、肌寒くなってきたなと思ったら、気付いたら12月もすでに半分過ぎ去っていた。

恋人たちのための、クリスマスという日がもう来週に迫っている。

わたしはクリスマスにあまり思い出がない。

クリスマスに恋人がいたことはなく、友達とパーティーをした記憶もそれほどない。思い出せることと言ったらバイトの代わり要員だったこと。さすがにそれでクリスマスが終わるのは・・・という意地(?)で、バイト終わりに暇なメンバーでそのまま飲みに繰り出していた。やけに街が静かな空気を放つ中で、同志に溢れかえる居酒屋をはしごした。

忌々しいのが、この、「さすがにそれでクリスマスが終わるのは・・・」と思わざる負えない世間のクリスマスムード。

普段はそれほど恋人がいないことが気にならなくとも、どうしてもこの2日間だけは「ひとり」だと世間に言われているような気分になる。

そしてなんと言うことだろう。今年のクリスマス当日の予定は0。イヴにはかろうじて、友達と蒙古タンメンを食べに行く約束があるだけだ(なんじゃそりゃ)。



そんなわたしにも、クリスマスが楽しみだった時代はある。小学生の頃、本気でサンタさんを信じていた。

小学3年生の時クリスマス前に兄と喧嘩し、「喧嘩ばっかりするから、サンタさんに2人とも今年のプレゼントはお菓子にしてくださいって言っておくから」と言われ、本当にお菓子の詰め合わせが来たときは感動した。

親がサンタとつながっている・・・!と。

(お菓子いいやんって思われるかもしれないが、私の実家は小さな商店をやっており、ポテチ等のメジャーなお菓子はいつでも食べれたため特別感がなかった。今思うと何もあげないのはかわいそうだと言う親の計らいだったのだろう)

わたしの家のサンタは小学6年生までと言うルールがあったので、プレゼントが待ち遠しい楽しいクリスマスの思い出は小学校で終わっている。



そんなこんなで、素敵なクリスマスといえばサンタさんからのプレゼントと言う方程式がわたしにはできている。

サンタさんからのプレゼントなんてないし、飲みに行く予定もない。今年はこの忌々しいクリスマスをどう過ごそうかと悶々としていると、友達が「クリスマス大好きなんだよね!」と思いがけないことを言っていた。

その友達には今現在彼氏はいない。24日の予定と言えばわたしと一緒に蒙古タンメンを食べに行くこと。25日も以前聞いたときは予定はないと言っていた。

同じ境遇であることは間違い無いのに、どうしてクリスマスに対してこれほどまでに受ける印象が違うのだろうと驚いた。そして同時に、自分がどれだけ卑屈にクリスマスを捉えていたのか思い知らされた。


わたしだって彼氏とちょっといいディナーにおしゃれしていきたい。いやいや、そんな贅沢言わないから、その辺の居酒屋にでも飲みにいきたい。いやいや、せめて、友達とケーキくらい食べたい・・・!

なんて、わたしは自分の欲望を通してしかクリスマスを見ていなかったのだ。

もちろん、この欲望を満たし例年通りクリスマスを過ぎ去ることができれば問題なかったのだが、今年はこの欲望たちは叶いそうに無い。やはり自分の中には「さすがにそれでクリスマスが終わるのは・・・」という世間に対する劣等感のようなものはある。さてさて、どうしようか。


ここで思いついたのが「サンタになる」ことだった。わたしの最も思い出深いクリスマスをくれた「サンタさん」たちの「サンタさん」になってみようかなって。

ってことで今年のクリスマスは両親にプレゼントを送ることにした。我ながらなんて素敵なアイデアなのだろう。()

このサンタさんは大いなる私情によるものだが、サンタさんになるからにはそれなりにちゃんとしたものを準備した。自分の欲望を満たす以外の方法で、この劣等感をやり過ごす方法があるとは目から鱗だった。これに気付けたことは今年の収穫だ。

これで無事に今年のクリスマスも過ぎ去れる。


来年こそ彼氏とクリスマスデートしてやるからな!!!

いいなと思ったら応援しよう!