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ヒデ(Hide)さんの闘病記です。
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2022年5月の記事一覧

闘病記(27) 感覚が麻痺してしまったあなたへ

闘病記(27) 感覚が麻痺してしまったあなたへ

 突然だが、今回のタイトルにあるような名前のついた冊子やパンフレットは無い。リハビリ病院に転院してまもなく、自分なりに一生懸命探してみた。ナースステーションのスタッフや介護福祉士の人たちに「感覚障害の人のための、生活の手引書みたいなものはありますかね?」「右半身か左半身どちらかの感覚が麻痺してしまった、ちょうど僕みたいな患者が生活する上で気をつけた方が良いことなどをすまとめたものは何かないですか?

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闘病記(26)そうだ!相談員さんに相談してみよう。

闘病記(26)そうだ!相談員さんに相談してみよう。

電話口に待ち人が出てくれるまでの間、どんなふうに時間を使っているだろうか?メモ用紙から終わったタスクを消していったり、意味もなくボールペンの後の部分をノックしてみたり。なんにせよ、ゆったりと過ごしているとは言えなさそうだ。自分の場合も、発病する前、仕事をしていた頃はそうだった。意味なくテーブルの上で指をせわしなく動かし、爪の先で音を立てていた。今でも、「イライラ」とまではいかなくとも、ゆったりとは

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闘病記(24)絶え間なく。惜しみなく。その②

闘病記(24)絶え間なく。惜しみなく。その②

 「話し相手のオーラが見える。」、「誰かの後について入ってきた子供の霊が見えている。」、「足音を聞いただけで、誰がやってくるのか見ないでもわかる。」と言った打ち明け話を友人からされたとして、あなたならどう応じるだろうか?「えーそうなの!?」、「いやいや、さすがにそれはないでしょう。」、「あ、、実は私もなの。」とか。自分は「いやいや、さすがにそれはないでしょう。」と口にしてしまう方だった。あの出来事

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闘病記(25)歩行器デビュー。

闘病記(25)歩行器デビュー。

 理学療法士Tさんに見守られながら、自分の足で立つことができるようになって以来、「歩いている人」に対する憧れは日に日に強くなった。リハビリで歩く練習をしている人を見ては「いいなぁ。自分もあぁなれるかなぁ。」と思い、病院のスタッフが忙しそうにしているのを見るにつけ、「あんな速さで仕事をこなしてすごいよなぁ。」と感心し、しまいにはマイケルジャクソンの動画を見て「ああ、こんな風に踊ることができたらどんな

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闘病記(23)絶え間なく。惜しみなく。

闘病記(23)絶え間なく。惜しみなく。

パタピシパチ、パタピシパチ…。言語聴覚士、Mさんの指が、ハープを弾くように頬の上で動き、気持ちの良い刺激を与えてくれる。あまりの心地よさに、ついうとうとしかけて目を開けると鏡の中でMさんと目があった。
「本当に申し訳ないですね。指でマッサージまでしてもらって。これじゃぁ、リハビリと言うよりエステティックサロンですね。どうもありがとうございます。」そうお礼を言うと、
「いえいえ、いいんです。赤松さん

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