きちんと丁寧に生きることについて
小手先だけの奇をてらう方法はもうそろそろ終焉を迎えているようです。
結構長い間、ファッション業界で働いていました。
今でこそカジュアル全快ですが、昔はちょっと人と違った服がオシャレという雰囲気がありました。
特にコレクションを季節ごとに発表するデザイナーは、自分の個性を表現しなくてはいけません。それはそれは大変なことだと思います。
一流のデザイナーは産みの苦しみを毎回経験しながら、ギリギリの時間まで完璧なものを創り上げる努力をしていました。
そんな中でそこそこ売れている三流のデザイナーの人は、「奇抜なデザインを作ったらいいんですよ。変わったものを作れば、アート的とかファッショナブルと思われますよ」と言っていました。
その頃はまだ未熟ながらも、消費者を馬鹿にした発言だなと思いました。
でも今でも、奇抜なことをやって目立てばいいという人が巷に結構いるようです。
しかし、小手先だけの仕事では、一瞬成功してもすぐに化けの皮ははがれてしまします。それは、ファッションだけでなく、政治やその他の業界でも同じです。
バブルの時代はとっくの昔に終焉をむかえました。ピークは1989年でしたね。
今、資源が少なく経済的にも元気がない日本にとって、一番世界に誇れるものはなんでしょうか。
ひとつ上げれば、日本の職人芸だと思います。例え、見えない裏の部分でも、しっかりと創り上げるという心意気は、潔癖な清々しさが漂います。また、その丁寧さは群を抜いたものがあります。
生き方も、人に見えないところでも、きちんと物事を納めていくようにすれば、すっきりとした人生の終焉を迎えることができそうです。
断捨離やミニマリズムという生き方に共感を感じる人が増えてきているのも、人々が物事の本質を見る大切さに重きをおき始めた証拠のように感じます。
個人的には、とてもいい時代の流れのように思いますがどうでしょう。