見出し画像

私の病気と手術の決断

私の病気は、てんかん。


11歳のときに診断を受け、以来薬の飲みながら治療を続けてきた。


意識消失のけいれん発作(大発作)が半年〜1年に一度。
意識はあるものの、今の状況や会話の内容が理解できなくなる発作(焦点発作)が、上記の発作の直前に前兆のように数回。


かつてはこの程度だった。


だけど私の症状は徐々に悪化。
数年前から大発作が2〜3ヶ月に一度。
焦点発作は週4〜5日。
立て続く際は1時間に2〜3回の頻度。


比べようもない。


「薬を飲めば発作は抑えられる」
「てんかんは良くなる病気」


そう、主治医に言われてきたはずだった。

それがいつしか、
「これ以上悪くならないように現状維持」
それで精一杯の状態に。


そしてついに、
「今のまま薬を飲み続けても良くなることはない」

そんな現実を突きつけられた。


これまで信じてきたことはなんだったのか。
多くの時間とお金を使って、家族の祈るような想いを背負って、何より「いつか終わる」そう自分に言い聞かせてきた19年間はなんだったのか。


涙は一滴も出なかった。


診断から19年の年月が経ち、初めて本格的におこなった検査入院。
そこで幸いにも外科治療が可能なことがわかった。

なんでもっと早く詳しい検査をしなかったのか。
しようと思わなかったのか。


自分を責めた。

悔しかった。


もっと早く検査をしていれば、今ほど悪化しなかったかもしれない。
発作と隣り合わせの恐怖から解放されていたかもしれない。
自分も家族も、こんなに苦しまなかったかもしれない。


考えるだけで悔しかった。


信じて続けてきた服薬治療が何の意味もなかった、今後続ける価値もないと知った家族はどんな想いだったろう。

自分からは、とても聞けなかった。


この先何十年、たとえ新薬を試し続けたとしても大きな効果を得られないであろう服薬治療を続けるのか?
それとも外科治療をおこなうのか?

心は即決だった。



手術を受けよう。



それは服薬治療を始めたときと同じだったかもしれない。


〝きっと良くなる〟


もう一度、そう信じることにした。


いいなと思ったら応援しよう!