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①発達障害が判るまで:誕生から年長(5歳)まで

知的遅れは無いけど…多彩過ぎるうちの子に発達障害の診断がつくまで。

【誕生~乳児期@東京多摩エリアの公立保育園】
 ユキは2011年11月生まれ。長女とは4歳離れた男の子です。
 生まれた時から、力が弱く、大人しーく寝ていることの多い子でした。
 寝返りやハイハイ、歩行などの「運動面」の発達については全て2-3カ月遅れ。歩き始めに至っては1歳6カ月と大きく出遅れ、途中、0歳9か月の時には、健診で「筋緊張低下(低緊張)で要観察」「でも重篤な遺伝的・先天的な病気には見えないけどねぇ」と言われたこともあったため、かなり早い段階で「何らかの障害」を疑っていました。

 ユキは2人目の子供で、私が生後5ヵ月でフルタイムで復職し、保育園に預けていたこともあり、
「何か異常があれば保育園の先生からも相談があるに違いない」
「これもまぁ、個性かなぁ〜」と、非常にのんきに構えていました。


【幼児期2歳~4歳@大阪の公立保育園】
子供が2歳半の時に、東京の市部から大阪府吹田市に転居。保育園待機で半年間仕事をしない時間があったため「この際だから!」と保健所と、近所の小児科クリニックに相談しました。

2歳後半だったうちの子の「変だった」ところ
・もう3歳になろうとしているのに「走れない」
・もう3歳になろうとしてるのに「ジャンプできない」
・よく「ぶつかる」よく「こける」
・体操の「動きがまるっきり真似できない」
・いつも「ゴロゴロ、ふにゃふにゃ」している
・語彙はあるけど、吃音がすごい。

しかし、保健所でも、小児科のクリニックでも
「お母さん、これは異常とは違いますよ。病気の子とは違います。」
でおしまい。。。ほんとにそうなの?そりゃ、病院に入院するような、そういう病気ではないけど。。。
 そうこうするうちに、吹田市の保育園に入園が決まり、市立の保育園にて3歳児、4歳児クラスと、みんなの元気にだいぶ遅れながらも、楽しく過ごしていました。運動会では「戸板のぼり」など、できない演目もありましたが、多くのお子さんがスルスルと猿のように板を登っていく中、最後にユキはたっぷり5-6分かけて「戸板のぼり」をして、最後までよく頑張ったと、大勢の保護者の方から拍手をもらってました。大阪では、ちょっと変わった子(汗)を地域が温かく見守ってくれる雰囲気があり、大好きな環境でした。


【5歳@大阪の公立保育園・年長クラス】
 ところがです。5歳児クラスに持ち上がる際に、担任の保育士から「保健所の発達相談」を勧められました。理由は「小学校に進学した時、何らかの配慮が必要だと思うから」とのこと。これには焦りました。そして「なぜ今更!?」と悲しくなりました。もとよりずーっと疑ってきたわけなので。
 保育園の先生には、3歳児クラス入園の際にも「うちの子ちょっとおかしい」と、私なりにお伝えしてきたわけですが、「やっぱりおかしかったんかーい!!!」と大声で叫びたかったです。

 保健所でK式という発達検査を受け、結果、6-8カ月程度の発達の遅れがあるとの事。(大阪・京都の関西圏ではWISCではなく「K式」による発達検査しか当時は行っていませんでした)
 保育園では、加配(補助の先生)が付いたものの、同じクラスに息子よりも難しい状況(自閉症スペクトラム)の子が他に2名おり、息子を含め3名の為に1名の加配だったので、前年度と対応はあまり変わりませんでした。でも、その保育園では、気の合いそうな子供(健常)と3-4人のグループを意図的に作ってくれて、他の子(とにかく元気っこ達!)とは別の部屋で、ゆっくり過ごす時間を設けて貰ったり、コミュニケーション面での配慮を頂き、子供はとてもすごしやすかったようです。


【いよいよ診断へ@大阪の公立保育園・年長クラス】
大阪の吹田市は、大阪大学付属病院をはじめ大きな病院がたくさんある地域です。しかし、病気ではない「発達障害」は、診断する医師が少なく、緊急性を伴わないこともあって、公的な大きな病院では受診できるまで1年待ち…。それでは1年生の入学に間に合わない…。結局、JR吹田駅近くのビルの中にあった精神科クリニックで小児精神科の先生の発達障害の予約を取り、そこから2-3カ月ほどで「発達障害」「要配慮」の診断を受け、ようやく「療育(発達障害の子供のためのトレーニング)」が始まりました。

 診断をした先生に「市民病院で念のため脳波を取って貰ってほしい」と、頂いた「紹介状」には封がしてありましたが、先生にお願いして、中の文書を見せてもらいました。そこには息子の病名として「自閉症スペクトラム(ASD)」「発達性協調運動障害」とはっきり記載されていました。

先生から保護者である私への説明では「自閉症スペクトラムの傾向があるんですが、恐らく困りごととしては、発達性の協調運動障害の方が強く出ると思います。でも協調運動障害は自分の専門ではないし、専門としている医師もまだ少なくて、学校で配慮が必要なことは確かですが、具体的な対策まではアドバイスできずすみません。」という内容でした。

その医師の説明を聞いて私は「うちの子、自閉症スペクトラムではないんだなぁ。クレーンとかさんざんされたけど、意図が伝わりにくいとかは無いしなぁ…」と早合点していたのですが、紹介状には病名としてはっきり記載があったのを見て、改めて腹をくくりました。先生、遠回しにおっしゃらず、ズバッと言ってくださって大丈夫ですよ!むしろ早く覚悟ができた方が、嬉しいです!
 (尚、紹介状は保護者に見せる前提のものではなく、特に精神科だと親子関係の所見を記載していることも多いため、本来は、患者や保護者は封を開けてはいけないそうです…念のため…)


【そして療育へ@大阪の公立保育園・年長クラス】
ユキの場合は、特に発達性協調運動障害が強く疑われるとの事だったので、高齢者に対しての「ケアマネージャー」のような役割のコーディネーターの方に、「作業療法士(OT)」さんがいる民間の施設を紹介してもらい、月2回、作業療法をマンツーマンで受ける事。また、吹田市立の療育施設の順番待ちをして、吃音の矯正として「言語聴覚士(ST)」の先生との訓練を受けることになりました。市の療育施設も半年〜1年待ちの状態ですが、専門家の方の指導を何とかして受けさせたい!と、ここは頑張りました。


【小学校への進学@大阪から東京へ】
前述したように、我が家は転勤で大阪に来て、もう4年目となっていました。通常であれば、夫の異動は3-4年毎なので、もう転勤のタイミングです。発達障害を抱えるユキが、大阪で1年生に進学して、直ぐにまた転校となると、これはとても厄介ですし、大阪では頼れる親戚も居ない事から、ユキが小学校へ進学するタイミングでの東京への帰郷を会社に願い出て、「小学校は東京の地元の公立小へ」と進路を決めました。


【豆知識:「小児科」か「精神科」か?】
子供の発達障害というと「小児科」を受信するイメージかもしれませんが、小児科の先生は「身体の病気」は診ますが、精神の勉強はしていません。一方で精神科の先生は普段は大人の患者が中心のクリニックの先生でも、必ず「児童の精神分野(児童思春期精神医学)」を一定期間学んでいます。開業医さんを受診する場合は、小児科ではなく、精神科で探した方が「発達障害」を診断できる先生に早く巡り合えると思います。
ただ、精神科(メンタルクリニック)というと、普段関りが無い方の方が多いかと思います。先ずは、かかりつけの小児科の先生に相談して、近所の「発達障害の診断ができる」「児童精神科を診れる」病院に紹介状を書いていただくのも良い方法です。私は、大阪では小児精神科を専門とする先生がいるクリニックをネットで探し、東京ではかかりつけの小児科クリニックの先生に事情を説明し、快く紹介状を書いていただき、都立の小児医療センター・児童精神科を受診したあと、都立の療育センターを受診しました。


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