10月のじゃらん旅アロマはずっとキンモクセイ縛りの天然香水作り
千葉市でアロマスクール「マロウズハウス香りの教室」代表のアラカン(笑)の太田です。現在の仕事は緩和病棟でのアロマセラピストとしての活動やじゃらん旅アロマでのブレンドデザイナーのお仕事、そしてアロマテラピーインストラクターとしても日々レッスンを担当していています。
さて10月のじゃらん旅アロマは2022年からずっとキンモクセイを掘り下げます。なんといってもキンモクセイの香りの裏にある魔力。これはもう、、アラカンにはたまらないお話がいっぱいなのです。
2024年、今年の10月もじゃらん旅アロマはキンモクセイをテーマに現在いち推しの調香師ジャン・クロード・エレナ様を憧憬しつつ💕のお話となりそうです🎵
そもそも10月がキンモクセイとなった理由は、、、
2022年から始まったじゃらん旅アロマ。
精油を使った天然香水作りを楽しんでいただいているのですが、始まった当初はただアロマでブレンドを楽しむ程度。でも、香りの成分も拘りつつその成分が醸す魅力を肝に据えていったところ、だんだんオタクの楽しみになっていっていきました。特に毎月の香りのある植物を中心に精油のテーマを決めていく形へ変化。そして季節ものとしても、10月はキンモクセイが推し。
キンモクセイはこの頃流行りのフルーツの香水に使える1本
なかなか再現するのは難しいアロマテラピーの甘いフルーツの香り。でも唯一グルマンな秋の香りの主役になるのが王道、いえ、黄桃の香りを持つキンモクセイ。
キンモクセイのすごい力は
γ-デカラクトン(ラクトンC10)とγ-ウンデカラクトン(ラクトンC11)
実はこの甘いグルマンな「桃」の香り成分は若い女の子の香り。
よく言われる女の子の甘い香りっていうのは、桃の香り成分。そしてキンモクセイにはこの中のγ-デカラクトンが入ってるとのこと。
でもこの香りが体からぷんぷん匂うのが20代まで。30代で大幅に減少し、その先は。。。だから巷では、この甘い香りが入っちゃってるキンモクセイをこの季節に体にかけまくりが溢れてくることになってるのかもしれません。
あ、ちょっと待って!この成分が入ってるキンモクセイをブレンドして香水として使うと「もしかしたらアラカンでも若返り?!」やばーい!これは10月のブレンドファクターにしかならない!←心の声
そのほかの成分を調べてみても良き良きばかりなり。イオノンとリナロール。イオノンはイリスに入っていて、リナロールといえばラベンダーやベルガモット、クラリーセージ
そういうわけで、季節ものキンモクセイが10月の毎年のブレンドファクターとなりました。
お酒は桂花陳酒、お茶は桂花茶
楊貴妃が愛した桂花陳酒。
キンモクセイの花を3年間、白ワインに漬け込んで作ったお酒がこの桂花陳酒。中国の宝と言われているそうで、3000年の歴史があるという代物らしい。このお酒と楊貴妃の面白いエピソードが「私に見合う酒を作りなさい」と命じて桂花陳酒を作らせたと言われている。まるでシャネルがNo.5を選んだ時の「これからの香りよ!」っていうのに近い感じがする(笑)
楊貴妃と香りにまつわるエピソードは他にもあるのですが、やっぱりキンモクセイは彼女の美にまつわることに貪欲な生活を感じちゃいます。
さてこの桂花陳酒は中華料理の食前酒としても親しまれているそうで、それはそれは強いアルコール度数。その上香りも芳醇で甘い。花の香りを飲み物に持ってくるのっていかにもすごい文化だと感じ入ります。
精油の産地はそもそも生産地としても有名どころ
精油の産地としてこの頃名前が上がってくる中国。
キンモクセイ精油もこの地のものが一番らしい。当然ながら精油が取れるっていうことはキンモクセイを使う産業があるっていうこと。農業が続いていくのは生産できる体制、それを加工する技術、そしてそれが売れる販路。すでにキンモクセイは雲南省、広東省、広西チワン族自治区などが有名な産地なのです。というわけで、もともとお酒を作るためのキンモクセイ。
次はお茶としてもその香りを楽しんでいたそうです。それが桂花茶。
花の香りを楽しむ中国茶の中で、ジャスミン茶、菊茶、そして桂花茶。ずっと昔から花茶として、こうしてフレーバーティーを楽しんでいたっていうのもすごいことだと思います。
桂花茶の歴史も古い
調べてみると、宋の時代に福建省で茶葉に精油を振りかけて作られていたという説があるとか?!宋の時代というと紀元1000年前後で、まさに源氏物語の頃。そんな時代に精油があったの〜って調べてるのですが、現在グーグル先生に返答なし(笑)
現在は香りをスプレーで噴霧したり、乾燥した花を直接混ぜ込んだりして作っているそうですが、この香りは源氏物語の頃には日本に存在していなかった香りなので日本の秋の香りはもう少し緩やかな香りを楽しんでいたのかなぁって思います。
キンモクセイが日本入りしたのは江戸時代
キンモクセイの伝説を調べていくと
「中国の神話の時代。秋の夜、月に棲む嫦娥は宮殿から下界を見下ろしたところ、美しい湖に月光が非常に美しかったため、気分がよくなった嫦娥は舞いを踊ると、夫の呉剛はそれにあわせてキンモクセイの木の幹で合いの手を入れた。すると木の枝から花と実がこぼれ落ち、それが地上にも落ちてきたため、花の実が根付き、地上にもキンモクセイの木が育つようになった」
つまりキンモクセイは天界の香木でその花はまさに金色の木犀の香り。元々日本には銀木犀っていうのがあったようですが、その色合いからも金色の香りは特別なものだったに違いありません。
そんな聖なる木、日本では江戸時代に輸入されてそうでその時になぜか雄株しかお呼びしなかったそう。だから天界の香木は結実しない。なぜ雌雄で持ってこなかったんだろうってところは調べてみたいところでもありますが、何か事情があったに違いありません。
ということでこのキンモクセイ。せっかくなので香りをお菓子の風味つけに使っても楽しそうと思い2022年は焼き菓子の仕上げにモナンのキンモクセイシロップをひたひたにしたレシピをご紹介しました。
キンモクセイは漢方の世界でも有能です。
歯の痛み、うがい薬、低血圧の改善、不眠、健胃に良いそうで、体が冷えて血流が悪くなることによる痛み、生理痛の緩和、冷えの改善にも良きということで、お茶やお酒にした理由も香りだけじゃぁない!のだと強く感じます。
キリアンのgood girl gone badオードパルファムをこの年はオマージュ
桃だし、若返りだし!ということで2022年のオマージュレシピは調香師のアルベルト・モリヤスが世界初のオゾンをテーマにした香水を調香したジャック・キャバリエを引き継いだオスマンサスのブレンド。「良い娘が悪女になる」というのはアダムとイヴのリンゴを食べちゃったっていうテーマをメタファーした香水らしい。2007年にアメリカで大ヒットした歌姫リアーナが同じタイトルの曲として歌ったことも香水が爆売れした話に繋がるのですが、香水がまさに少女が大人の女の人に変身する感じにピッタリなお話しだなぁと思いました。
そして、おーた、これはもらいます!ということになりタイトルは「老女が若返る」というブレンドデザイン(笑)
キンモクセイの花言葉は、謙遜とか気高い人、真実
魔除けの花は不浄を隠す
加齢臭という不浄を浄化するかもしれないそんなレシピは?
ジャスミンサンバック
キンモクセイ 原液とパレット
ローズabs.
チュペローズ
シダーウッドバージニア
パチュリ
ベチバー
ベンゾイン
イリス
バイオレットリーフ
2022年のブレンドレシピ by Kumiko Oota
そして翌年の10月もキンモクセイ。
また2023年は源氏物語と繋がってより深掘りテーマとなっていきました。
ちょっと長くなりますが、引き続き2023年の源氏物語をテーマにしたじゃらん旅アロマ「キンモクセイ」のネタ帳をご紹介します。
源氏物語をテーマに始めた2023年10月は秋の季節も重なることもあり「紅葉の賀」を選びました。この年から始まった源氏香遊びでは五つの香り
キンモクセイ
スイートオレンジ
ネロリ
ゼラニウム
システ
を嗅いでいただきなんちゃって香道のようにこの中から源氏物語のお話の形をあてていただきます。
1、3、4が同じ香りで2、5がそれぞれ別
後で気がつきましたが、キンモクセイとオレンジの相性は絶大。
今年、2024年流行しているキンモクセイ&オレンジのファクターをすでにこの年にすでにやっていたことに気がつきびっくり(笑)
その上、システとキンモクセイの甘いコンビも相性抜群。
素敵なアロマブレンドデザインとなりました。
そして2023年のデザートは、キンモクセイのシロップでリンゴを炊いてそれをヨーグルトとチーズで合わせたのもの。これ、お酒にも合いそうなデザートとして、チャッチャッと作れるものとしてもご紹介。お酒を嗜む大人の女子が好きそうなアイテムで参加のSさんはこれでブランディーを飲む!とお話しくださいました。源氏物語って大人女子のうんちくアイテムにピッタリなフレーズがいっぱい。そしておしゃべりに欠かせないスイーツもお酒に合う方がいい。
今年もこれがいいかなぁ〜🎵
ということでざっくりな2023年のご紹介だったのですが、今年度のキンモクセイのブレンドについてもちょっぴりご紹介です。
「オスマンサス・ユンナン」をオマージュして
今年は憧れのエルメスの調香師として長年素晴らしい作品を生み出してきたジャン・クロード・エレナ。その彼の作品の一つである「オスマンサス・ユンナン(雲南)」をオマージュしたブレンドファクターを探しているところです。おーた、今年になっていきなり推しとなってしまった彼のお話しと共に今月もまったりお過ごしいただく時間となれば嬉しいです。季節がちょうどキンモクセイ。堪能する1時間をお過ごしください。
2024年10月13日(日)10時から始まるじゃらん旅アロマ
ぜひお時間合う方はお申し込みください。
お申し込みはこちらから
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000215805/
そして今年のキンモクセイが終わりましたら、またここに続きを書きますね。それも楽しみにしていてください。
2024年9月30日 Kumiko Oota
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