ネタバレ無しでふわふわした感想を述べる試み。
昨日公開の忍たま映画を朝一で観てきた。
映画館までの道のりは遠かったが
十数年ぶりの新作映画である。
観たい!グッズ買いたい!の気持ちが
背中を押してくれた。
こちらは映画を最後に見たのなんて、
まだ結婚前の友人たちとちょくちょく会ってた
昔の話である。
今は年賀状のやり取りをする程度。
寂しいが仕方ない。今もオタクやってるのは私だけだ。
・・本題に入ろう。
前もって指定した席は、
思った以上の特等席。
高過ぎず、低過ぎず。ちょうど良い。
平日朝一なのもあり、
人も少なめ。静か。
だから大画面にかぶり付くように見られた。
遮る頭は一つも無い。
そんなベストなロケーションの中、
映画が始まった。
・・・これは本当にあの
「忍たま乱太郎」なのだろうか・・
別の映画が始まったのか?と困惑する。
いつもの日常風景。
いつもの3人と先生。
この「いつも」を手に入れるのに
土井先生は凄まじく過酷な道を歩いてきたのだ・・
それは本編のアニメでも描かれている。
最近になって原作者プロットの回が放送され、
土井先生というキャラクターの解像度が一気に上がった。
優しい、練り物が嫌いで、いつも担任をしている
一年は組のよいこたちに振り回されて胃を痛めている先生。
今回はそんな先生の「別側面」が見られる。
もし、あの時優しい人に出会わなければあり得た世界線。
予告映像の通り、据わった目で竹林の中を俊敏に動き回り
最上級生でプロ一歩手前の六年生6人を翻弄する。
一方的な力。子供たちはなすすべ無し。
兵法や火薬の知識に優れ、
戦いとなると強大な力で敵を圧倒する。
軍師であり、最大戦力。
私が今回の土井先生に抱いたイメージである。
本当は凄い人物なのだ。
普段はなりを潜めているだけで。
(は組のせいで発揮されてないというか)
一年生の頃から土井先生にお世話になっていた
六年生たちの心情を思うと切ない。
原作小説にもあったが、感極まって慟哭する子もいた。
いつもしかめっ面で動じないタイプの子が。
戦闘慣れしていて、それぞれがスペシャリストである
六年生が、等身大の子供になっていた。
その間、土井先生を待つは組の面々。
教室の扉を開いてやってきたのは
学園とは中立の立場を保つタソガレドキ城の
忍組頭である雑渡昆奈門(ざっとこんなもん)。
包帯で隠された素顔は誰にも分からない。
と、部下の諸泉尊奈門(しょせんそんな・・もろいずみそんなもん)
元はと言えば土井先生行方不明の原因を作ったのは彼である。
事ある毎に土井先生に勝負をふっかけては、
チョークや出席簿、は組の手入れが悪い黒板消しで
翻弄されている。それでも懲りずにやってくる困った人物。
19歳。まだまだ反抗したいお年頃か。
土井先生の代わりに授業を受け持つためにやってきたのだ。
土井先生の時は居眠りをかますようなは組は、
雑渡さんの一睨みで竦み上がる。
は組にとっての地獄もまた、始まっていた。
そんなこんなで、出張に行ったとぼかされていた
土井先生が、本当は行方不明であると知った
きり丸。
彼は戦によって帰る家が無いために
土井先生の家にお世話になっている。
映画では、土井先生に出会う前の
きり丸のワンシーンも見られる。
出会えて本当に良かった・・(´;ω;`)
何で自分の事を気にかけてくれるのか、聞いた。
自分も同じようなものだったからと返ってきた。
先生のとてつもない優しさは
そこから来ているのかもしれない。
あまりにも痛みを知り過ぎている。
行方不明という真相を一人抱え込んで
バイトも食事も通らないきり丸の様子に気付いたのは
いつも一緒の2人。
やがては組が集結し、
独自で土井先生を探しに行くのだ。
驚きの行動力。実践に強いは組である。
怒涛の展開。
捜索を続ける山田先生。
協力する息子の売れっ子フリー忍者・利吉さん。
共に行動する学園の卒業生が2人。
原作にいないゲストキャラ・・
しかもアイドルが声を当てるのか・・
心配はあったかもしれない。
まーーーーーーーーーーったく、心配無し!!
お二方とも、上手い。
いや、ほんとビックリ。
声合ってるし、現実に引き戻される事も無かったし、
出しゃばり過ぎず、まるで利吉さんのバックダンサーのような
役割を果たしていた。
完璧なゲストキャラ。
豪華版のパンフレット(ヘッダー写真の左側のやつ)は
尼子先生の原画や設定も見る事が出来る。
長めのスピンオフ小説も付いてて2500円の価値はある。
読んだけど、オタクが知りたかった情報の洪水だった。
忍たまオタク皆、これを手に取って欲しいレベル。
色々改変された部分があるにも関わらず、
原作の大筋から逸れてはいない。
私が今まで書いてきた事も
大体は原作小説にある部分だ。
は組と先生の絆、きり丸と土井先生の絆、
六年生の絆、学園みんなとの絆・・
絆というものをひしひしと感じる今作。
敵方のドクタケだって。
完全な悪とは言い難い。悪い城だけど。
個人的にあるシーンを見て、
風鬼というキャラの評価がだだ上がりした。
アゴが特徴的でよく本編でも登場するドクタケ忍者。
同じ年頃の子供がいる父親の姿を見せてくれた。
あと劇中歌は、必聴。
アイラインバチバチでいつもと何か違う八方斎。
ちゃんと意味がある。
感想というか、見解・・?
見終わった後は満足感と多幸感に包まれた。
ボロ泣き必至と言われていたが、
私は泣くまでに至らなかった。
端々に挟まれるギャグに気を取られていたからかも。
原作小説でもそんな感じ。
あと作画の良さ。気合が入り過ぎている。
は組一同が走っているシーンなんか凄い。見て欲しい。
パンフレットは、映画を見終わった後に
読んだ方が良い。ホントに。
私の推しである五年生(紫)の面々も出て来るが、
原作小説では出番が控え目であり、全員は登場していない。
今回は全員登場しているが、
あくまで裏方。出しゃばらずに六年生や先生のサポートに
徹していた。それがまたかっこいい。
エンディングに映った五年生は必見。
原作小説の内容を重視し、
プラス方向の改変がなされた今作は
万人におススメ出来る。
また観たいと思える映画。
友人や知人が観に行きたいと言ったら喜んで付き合う。
過酷な冬だけど、心が温かくなる映画。