やっぱり、冬が好き。
この街には珍しい白い雪がダウンジャケットに
うっすら残るような冬の日。
手袋もマフラーもしないで
寒い、寒いと悲鳴を上げる君。
「そんな格好してるからだよ」と僕が笑うと
「だって、モコモコするじゃん」と意味不明な回答。
「でもねー」
青空とか夜空とか
不思議と背筋がシャンとする
この空気感とか
寒いのは苦手だけど、
― やっぱり、冬が好きだなぁ。
なんて、本当に愛おしそうな顔して君は言う。
「あー。けどやっぱり、寒いー」
いつもと同じ景色なんだけど
冬になるとなんだか少し輝いて見えるよね。
澄んだ空や凛とした空気。
そして、そんな空を鼻を赤くしながら
キラキラした目で見上げる君。
僕も、そんな冬が好きなんだけど、
何よりも
― やっぱり、君が好きだよ。
さあ、帰ろう。暖かい部屋へ。
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