心が動く日本史の授業!〜日本史の大原則2「和を重んじる」
「和を以て貴しと為し、さかふることなきを宗とせよ」十七条憲法の第一条。
7世紀になったばかり。今から1400年も前に、「和」を何よりも重んじるよう、聖徳太子が国作りの基本とした方針。そして、それが役人の心得でとどまらず、国民一人一人にまで行き渡っていく日本。世界のどこにそんな国があるでしょう?
日本が2000年以上も1つの王朝として続いてきた理由は、まさにこの「和」の精神を国家が理想としてきたからです!
しかし、戦後70年以上が経過し、気づけば日本人のアイデンティティとも言える、この「和」の精神が、壊れかかっています🤢
GHQの占領政策以降、誤った個人主義や合理主義が長い年月をかけて広まり、今は「和」から「分断」へと向かっているような気がします😮💨
そこで今日は、日本人の「和」について改めて見つめ直し、誇らしい日本を取り戻すための授業をしたいと思います🤓
講義の最後には、音声授業ファイルを添付しました!今回のテーマについて、心の動くまま、思いを込めて話した内容です☺️文章に興味を持っていただいた方に聴いてもらえると嬉しいです!
講義内容
1. 「倭」から「和」へ
2. 日本国家が貫く理想
3. 日本人が「和」を大切に思う理由
4. 日本の凄さの源は「和」の精神にあり
5. 今こそ見直そう「令和」の日本
6. まとめ
7. 音声授業ファイル
1. 「倭」から「和」へ
中国の史書「魏志」倭人伝からもわかるように、それまでの日本は、中国から「倭(わ)」と呼ばれていました。中国は華夷思想により、他国を侮蔑した呼び名(文字)で呼ぶ習慣があります。だから「邪馬台国」や「卑弥呼」も、「邪」や「卑」みたいな嫌な字を使うんですね。
それを変えたのが聖徳太子です。日本でも漢字が使われるようになって、日本を、悪い意味の「倭」から「和」へと変更したのでした。もちろん、「和」が日本人にとってピッタリの意味だと思ったからですね。
2. 日本国家が貫く理想
実は、日本人が「和」を重んじるようになったのは、聖徳太子よりもはるか昔です。以前の授業でも詳しく話したように、日本は建国の時からすでに「この国に住むすべての人が幸せになること」を目的にしていましたよね。
上下、老若、男女など関係なく、等しく幸せになることを第一に考える国だったわけです。そして、そのためにみんなが「和」を大切にし、互いに協力したり、意見を出し合ったりして、みんなにとって良い社会を作ろうとしてきたのです。
日本の神話では、高天原には八百万の神様がいるとされています。その神様たちは、それぞれの個性を生かしながら、すべてのことを話し合いによって決めたとされています。神様でさえ、「和」を大切にするってことです。
「建国の精神」「十七条憲法」「五箇条の誓文」「大日本帝国憲法」「教育勅語」・・・その他多くの法令や詔の中で何度も強調されてきた「和の精神」。具体的には、「話し合い」「思いやり」「協力」「団結」「滅私奉公」などですね。
3. 日本人が「和」を大切に思う理由
そもそも日本人が「和」を重んじるようになったのはなぜでしょう?
その答えは縄文時代にあります。日本は「奇跡の地形、奇跡の気候」でしたよね!そのおかげで、きれいな水、豊富な食料(海の幸、山の幸、川の幸、里の幸、野の幸)がいつでも手に入り、人々はそれを奪い合う必要もなく、協力し合って手にすることで豊かな生活を送っていました。
その結果、1万年以上も「戦争のない平和な時代を続けた」のです。そりゃ、和の精神が日本人のアイデンティティにもなりますよ。
日本人は、小さな子どものうちから「人の迷惑になることをするな」「うそをつくな」「困っている人がいたら助けてあげなさい」「周りと合わせなさい」「人の気持ちを考えなさい」などと言われ続けます。言い換えれば、「和」を重んじることを当たり前の価値観として持つことになるのです。
「誠実」であることが美徳とされ、「他者との関係」でその人の価値が評価される国なんですね。西洋の価値観からすると、「自分の意見が無い」とか「NOと言えない」などと言われてしまいますけどね…。
自分の気持ちよりも周りの気持ちや雰囲気を察して何がいけないんでしょうか?自分の感情や欲望に任せて不用意に発言(行動)しないのは、日本人が基本的には「和」を大切にする国民だからです。
確かに、現代の世の中においては、このような性質のせいで不都合な面も出てきます。「責任を負わないネガティヴな日和見主義」ということも多い(ここにも日「和」見がありますが)。
だからといって、日本人の特性を否定すべきものではないと思います。だって、その性質は、他の国の人たちにはできないこともやってのける、日本人の凄さの源でもあるからです。
4. 日本の凄さの源は「和」の精神にあり
「和」という文字には、「なごむ」「おだやか」「争いをやめる」「打ち解ける」「合わせる」「合計」などの意味があります。そこに殺伐とした感じはありません。みんなの「心の平穏」「協調」がベースです。
日本は、遣唐使廃止や鎖国によって、他国との関係を断っても、日本人同士が団結し、協力し合って、日本独自の文化を作り上げていきます。
一方で、仏教や儒教の受け入れや外国文化の影響を受けると、それらを上手に受け止めて、日本風にアレンジし溶け込ませていきます。しかもオリジナルを超えて、さらに素晴らしいものに変化させていく。
これぞ、日本の凄さ!なんです。そして、その根底にあるのが「和」の精神だと思います。
他の国や人の良い点に素直に敬意を払い、それを取り入れるために謙虚に学ぶ。相手に対しては感謝の気持ちを忘れず、自分たちができることで恩返ししようとする。
その姿勢がなければ、オリジナルを超えるほどのものを生み出すこともないでしょうし、これだけ高度な文化も手にできなかったと思います。
そして、その最大の成果が2000年以上一つの国家として継続していることでしょう!
「美味しいところだけパクッて、自分が儲かればいい」とか「自分の得になるなら、他に迷惑かけたり、環境を破壊してもいい」、「相手の善意を利用して、平気で嘘をでっちあげる」、「話し合いで合意した約束を、自分の都合で平気で反故にする」とかを信条としているような国には到底マネできないと思いますね!
5. 今こそ見直そう「令和」の日本
ここまで話したように、日本という国は「和」の精神で続いてきました。戦争や災害が起こっても、その国難に国民全体が団結して乗り越えてきました。苦しい時こそ、他人を思いやるのが日本人だったのです。
でも、先の大戦で負けたことで、初めてそれが否定されてしまいました。全体主義、ファシズム、というレッテルを貼られ、自国のために自分は何ができるかを考えることは、いけないことのようになりました。
そして70年。私たちは、「国家は家、国民は家族」という建国の精神を見失い、とにかく自分の権利を優先させる誤った個人主義を信じるようになってしまいました。
和の精神は、前提となる共通の意識があるからこそ成り立つものです。一言で言えば「公共心」です!国家の中での自分、他者の中での自分、それらに貢献したいという気持ちです。
為政者は、国民の幸せを第一に考え、国民はそれに応えるため、節度をもって行動する。そこには「お互い様」の気持ちや、相手への敬意や感謝、信頼があるはずです。
でも、コロナ禍の今、日本にはそれらが無くなってしまったことがわかります。
国民の幸せの為に議論してるとは到底思えない政治家。与党も野党もプラスの成果を生み出すために議論せず、互いに非難し合うだけ。
庶民に対してお願いはするけれど、気づけばそれが当たり前になって、命令口調で迫る「みどりの都知事」までいます。
そんな為政者に対して、国民も善意をもって応える意識は薄れ、信頼も無くなっていくばかり。政府に対しても批判はすれども感謝はしないし、ネットを使って誹謗中傷が横行する社会になってしまいました。
フラストレーションをぶつける為に、叩きやすい相手を見つけては徹底的に叩きまくるメディア。そのためには、偏向報道やフェイクニュース、報道しない自由とやらまで発動する始末。
しかも、それにまんまとひっかかる国民が多いのも事実ですし…。
共通しているのは、どのポジションにいる人も、自分の損得ばかり優先させて、他人を思いやる気持ちや、国難を乗り越えるために協力し合おうとする意識が無いということです🥺
うまくいかないことを、誰かのせいにして批判ばかり。権利は大声で主張😤するけれど、自分が貢献できることをしようとは思わない😒。みんな「ご都合主義」なんですね。
なんだか、「不和」の国になっちゃいましたね…
そうそう、最近では日本があたかも「差別する国」のように言われることがあります。「女性差別」「民族差別」などなど。でも、それってちゃんと本質的な訴えですか?っていつも思います。
「私たちは、ものすごく虐げられてる!」みたいに訴える活動家のような人たちが、実は一番差別的にものを見てるように感じるのですが。
もちろん、不当なシステムや法はあるし、実際に困っている人たちのために改善すべきこともたくさんあるでしょう。
でも、本質と関係ないところまで過剰に反応する人たちが、正しく議論して良い答えを見つけ出すことを阻んでいるように思います🤔
日本は「差」ではなく、「和」で繋いできた国ですよ✨「和」の発想がない人たちが「差」ばかり気にするんです!
「和は足し算、差は引き算」ですからね。どちらが良い国か、ちょっと考えればわかるでしょうに…😉
6. まとめ
なんだか、暗い気分になってしまいましたね😊でも、素晴らしい日本に戻るチャンスはまだまだあると思います。なんてったって、2000年続いてきた奇跡の国ですから。
日本が日本であり続けたのは、根底に「和」の精神があったから。ならば、それを取り戻すために、日本の歴史や先人の思いに立ち返ればいいんです🤭それこそ「歴史を学び、歴史から学ぶ」ということでしょう。
元号「令和」の「令」は、「素晴らしい」という意味らしいです。まさに「素晴らしい和」なんですね!そして、それが失われつつある今、「神のお告げ、命令」の意味での「令」も必要だと思います。
「和を以て貴しと為し」という聖徳太子の言葉がとても胸に響きますね☺️
7. 音声授業ファイル
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