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#読書感想文
かろうじて単語の中に閉じ込めた。究極の概念の。ばあちゃんが念入りに書いた。冷蔵庫の中の。
ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳『アーモンド』を読んで。
リビングの机。ミックスナッツの入った丸い蓋付きのケース。蓋を開けて香りを嗅ぐ。先が尖った茶色い実をとって、ながめる。
こういう感じか。
不安や恐怖などの私たちが感じる感情は、このアーモンドによく似た扁桃体によって感じることができているらしい。医学的な知識が貧しいので、詳しいことはよくわからない。
『アーモンド』は、その扁桃体が生
刺す 刺される 剥き出しの心に
「リリィ・シュシュのすべて」について。
まずは、これを見てほしい。
…見た?
これが私の「リリィ・シュシュのすべて」との出会いだ。
当時、中学生を終えんとしている私。(もしかしたら、高校生になりたての私。)インターネットでは爆裂に『ニコニコ動画』が流行っていた。今、若人にとって動画サイトといえば『YouTube』で、ニコニコ動画なんて知らないだなんて、あの時は想像もつかなかったほどに。いや