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【記事紹介】女子大同級生11人の共同ペンネーム「加島葵(かしま・あおい)」の活動の日々
女子大の同級生11人が40年以上、共同ペンネームを使って海外の児童書や絵本を翻訳してきたという記事。この世代の方々のシスターフッドの絆の強さ、社会参加や学習意欲は素晴らしいですね。
加島葵さんの作品一覧(一部)
『魔少女ビーティー・ボゥ』
著者:ルース・パーク 作 加島葵 訳
出版社:新読書社
出版年:1993/7/10
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両親の別居に傷つく少女、アビゲールがであったのは「ぼうず頭の女の子」ビーティー・ボウ。アビゲールの成長と恋の物語。1981年「年間子どもの本賞」受賞。
日本ではオーストラリアの児童書があまりないと聞き、大使館の図書館で作品選び。原書をコピーして分担し、週に一度集まって各自の訳文を全員で論評、修正した。
石﨑さんによれば、「半分はおしゃべり。翻訳も複数並行してのんびりやっていましたが、だんだん欲も出てきて出版したいと思うように」。訳ができた後、〝営業担当〟の岡本さんらが出版社に持ち込み、平成5年5月、オーストラリアの児童書「魔少女ビーティー・ボウ」を出版した。当時の感慨を石﨑さんは「初出版寿ぐごとく風薫る」と俳句に詠んだ。
『魔女のウイニー』
作:ヴァレリー・トーマス
絵:コーキー・ポール
訳:加島葵
出版社:河合楽器製作所・出版事業部
発行日:1996年
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『魔女のウィニー冬は好き?』
作:ヴァレリー・トーマス
絵:コーキー・ポール
訳:加島葵
出版社:カワイ出版
発行日:1997年12月
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『ぼくが犬のあとをつけた夜』
作・絵:ニーナ・レイデン
訳:加島葵
出版社:カワイ出版
発行日:1999年07月
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『ポスおばあちゃんのまほう』
作:メム・フォックス
絵:ジュリー・ヴィヴァス
訳:加島葵
出版社:朔北社
発行日:2003年05月
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『ちきゅうはみんなのいえ』
作:リンダ・グレイザー
絵:エリサ・クレヴェン
訳:加島葵
出版社:くもん出版
発行日:2005年
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『ウォンバットのにっき』
作:ジャッキー・フレンチ
絵:ブルース・ホワットレイ
訳:加島葵
出版社:評論社
発行日:2005年09月
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『ジャミールの新しい朝』
作:クリスティーン・ハリス
絵:小倉 正巳
訳:加島葵
出版社:くもん出版
発行日:2008年03月
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流砂にきえた小馬
アリソン・レスター/著 加島葵/訳
四六判 並製 190頁 (本体1200円+税) (2010.8)
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岬にまつわる様々な秘密と事件…
子どもから大人へと成長する少女の姿。
オーストラリアの自然の中、厳しくも温かく少女を包み込む家族の心温まるストーリー。
ビディーは牧場を営む家に生まれた女の子です。早く両親のように役にたつ仕事をまかせてもらいたいビディーは、牛集めに一緒に連れて行ってもらえることを夢見ています。ある日お父さんとお母さんが話しているのが聞こえました。
「今年はビディーも牛集めに…」とお父さん。「でも大変だし」とお母さんはためらっているようです。もしかしたら今年こそ一緒に牛集めに連れて行ってもらえるかもしれない……!ビディーの胸は高鳴りました。
新刊『魔法のルビーの指輪』
著:イヴォンヌ・マッグローリー
絵:深山 まや
訳:加島葵
出版社:朔北社
発行日:2024年07月25日
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■学生時代に戻ったみたい
また、メンバーで翻訳作品の舞台など海外に旅行もした。8年にアイルランド・ダブリンの書店で見つけたのがイヴォンヌ・マッグローリー作「魔法のルビーの指輪」だった。
現代のアイルランドで暮らす、勝ち気でわがままな少女ルーシーが11歳の誕生日直前、100年前にタイムスリップし、貴族の城で働きながら友情をはぐくみ、成長する物語だ。「昔少女だった人はみんな面白いはず。映画になったらいいなと思います」と市川さん。
翻訳は31年にはほぼできていたが、コロナ禍などで今年7月の出版になった。この間に亡くなったり、ケア施設に入ったりしたメンバーもいて、「今回が最後の作品」という。