パレスチナ/イスラエル情勢をめぐる追跡記事🇵🇸🇵🇸🇵🇸(随時更新)
・ピース・フィロソフィー・センター記事(Thursday, November 16, 2023):イラン・パペ教授「何があっても道義的コンパスを失ってはいけない」
You should never lose your moral compass no matter what happens: A summary of Ilan Pappe's talk at UC Berkeley, Oct 19 2023
・『パレスチナの民族浄化』の著者、イラン・パペ氏へのインタビュー記事「なぜイスラエルは苛烈な暴力をいとわない国家になったのか? 長く迫害されたユダヤ人の矛盾、イスラエル人歴史家に聞いた」2024/12/14(土) 9:32配信
・「行き過ぎた国家主義のシオニズムは衰退し、崩壊する ―イラン・パぺ(イスラエルの歴史家)」宮田律さんの記事 2025年1月19日
・【特別公開】ナクバという《ジェノサイド》——抗すべきは「大量虐殺」だけではない(岡 真理)2024.12.19
※『世界』2025年1月号収録の記事を特別公開。
・ハミッド・ダバシ(比較文学、映画芸術論などを専攻するイラン系アメリカ人のコロンビア大学教授)が、「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」(2024年1月18日)と題する寄稿で(Thanks to Gazaなどという表現には違和感を禁じ得ないが)、ヨーロッパの哲学者たちがイスラエルのガザ攻撃を支持していることを辛辣に批判している。なお、ダバシのヨーロッパ哲学批判は、ハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム』(作品社)で全面的に展開されている。
・NHK記事「アウシュビッツ生存者の子がパレスチナのために声をあげるわけ」2024年1月29日
・パレスチナの詩人作家、ガザ・イスラム大学の教授で、シェークスピアやジョン・ダンなどを研究していたレファアト・アライールRefaat Alareer(1979年9月23日~2023年12月6日)の詩‘If I must die’(X(旧Twitter)2023年11月1日付けポストより)。アライールはロンドンの大学で修士号を取得し、ガザのイスラム大学で16年間教鞭をとった。ガザの現状を英語で発信しようとして教育に力を入れ、ガザの一人一人の人生を物語にして出版した。「We Are Not Numbers」という団体を共同設立した。2023年10月にはデモクラシー・ナウ!のインタビューを受けている。ガザをワルシャワ・ゲットーに例えた。避難先の学校にイスラエル軍から電話があり、居場所を特定したことと殺害を予告されたため、周りに被害が及ぶことを避けるために避難所を離れ、妹の自宅に移動。2023年12月6日、イスラエルの爆撃により彼の兄と妹、そして彼女の娘4人とともに殺害された。
If I must die ガザ 絶望から生まれた詩 - NHKスペシャル - NHK
新刊『物語ることの反撃』(リフアト・アルアライール編 、藤井光訳、岡真理監修・解説)
リフアト・アルアライールが忘却に抗うため編み遺した、23の反撃の物語。過酷な「日常」を書き留め、暴力と支配に物語ることで抵抗する。そして想像力によってあたらしい現実を立ち上げるために届けた作品集。
・数十人のレバノン人を殺害し、数千人のレバノン人を負傷させたイスラエルのポケベル攻撃に関する『60 Minutes』の記事は、レバノン人の声を一切取り上げず、完全にイスラエルの視点から語られた。その過程でレバノンとガザにおける戦争犯罪が正当化された。
・リフアト・アルアライールほか著『ガザの光――炎の中から届く声』(斎藤ラミスまや訳、早尾貴紀解説)が発売されました。本書には、ガザ地区内外のパレスチナ人による様々なエッセイや詩が収められています。以下のサイトには、研究者のアスマア・アブー・メジェドさんによるエッセイ「なぜ私たちは今もスマホを握りしめて録画し続けるのか」が全文掲載されています。
・[2024年]11月、オックスフォード・ユニオンがイスラエルのアパルトヘイトとジェノサイドをテーマに討論会を開催した。この討論会はシオニストたちの反発を招き、英国警察による調査まで行われた。
・長周新聞「ジェノサイドを終わらせるために日本が果たすべき役割 パレスチナ問題における大国の責任を問う 法政大学名誉教授・奈良本英佑」(2024年12月20日付掲載)
・疋田哲也さんからシェア。
ニュージーランドの詩人エム・ベリーの詩:
<わたしたちのせいで>
今朝 私は知った
英語の言葉 ガーゼ
(繊細に織られた医療用の布)
それは アラビア語の「غزة」つまり「ガーザ」 からきている
ガザの人々は 何世紀にもわたって熟練した織物職人だった
そこで 私は 知りたいと思った
わたしたちの傷の どれだけ多くが
消毒され包帯をあてがわれてきたのか
ガザの人々のおかげで
そして どれだけ多くのガザの人々が
これまで 放置されてきたのか
私たちのせいで
・イスラエルの占領下で暮らすパレスチナ人家族の物語を伝える近著を著したネイサン・スロール(Nathan Thrall)へのインタビュー記事「イスラエルの『支配システム』を理解する」(2024年7月3日配信)
・パレスチナを支持するコロンビア大学ロースクール(法科大学院)のキャサリン・フランケ教授に対して事実上の解雇の措置を取った大学当局。
・<[2025]1月15日まで無料公開>無法化が進むイスラエルとアメリカ【小田切拓に聞くパレスチナ・イスラエル】
・公開書簡:「ドイツはパレスチナ人殲滅を支援することをやめるべきである」(1年以上にわたって、ドイツはイスラエルに政治的、財政的、軍事的、法的支援を提供することで、パレスチナ人の殺害と非人間化に積極的に加担してきた。イスラエルの残虐行為へのドイツの加担は止めなければならない。)
ドイツは国策としてイスラエル支持を表明し、ブランデンブルク門にイスラエル国旗をこれ見よがしにぶらさげたり、ルペンの反・「反ユダヤ主義」=「イスラエル」支持=反「パレスティナ」=「マグレヴ系」排除デモを「シュピーゲル」が大きく取り上げたりなど、どう考えても行き過ぎである。
・ニューヨークのユダヤ教超正統派が集住するウィリアムズバーグの地のルーマニア由来のサトマール派のハシディック・コミュニティから抜け出してレズビアンの作家としてドイツで生きる選択をした作家で、その半生を綴った回顧録をもとにした全4話のリミテッド・シリーズの米独合作ドラマ『アンオーソドックス』で知られるデボラ・フェルドマン(Deborah Feldman)の寄稿「ドイツはユダヤ人が住むのに良い場所だ。ただし、私のようにイスラエルを批判するユダヤ人である場合は別だが」(2023年11月13日)
・武井彩佳さん(ドイツ現代史、ホロコースト研究)の記事「ドイツとイスラエルの和解とパレスチナ問題」(2013.10.08)
・南アフリカが2023年12月29日、イスラエルを相手取ってガザでの行為について、ジェノサイド条約違反で国際司法裁判所(ICJ)に提訴&仮保全措置請求をしたが、これは国際法上、第三国による対世的(erga omnes)義務違反の主張ということになるそうだ。それで思い出したのは、2000年女性国際戦犯法廷のハーグ最終判決文で「対世的(erga omnes)義務」という概念が適用されていることだ。判決第1部で、戦後日本の歴代政権が一貫して主張してきた国家間合意の平和条約で「解決済み」とする論理に対して、判事団は、日本軍性奴隷制のような「人道に対する罪」は、ラテン語でいう対世的(erga omnes)義務(=二国間ないし多国間ではなく国際社会全体に対する国家の義務)を生じさせるという判断を示している。つまり、「人道に対する罪」のような重大な人権侵犯は、それを犯したその一国だけに関わるものではなく、犯罪がどこで行われようと、その犯罪は国際社会全体に関わるものであるから、国家が政治的な協定や合意を通して、被害を受けた個人の損害賠償請求権を斥けることはできないとしている(第1部パラグラフ75~80、第6部パラグラフ1041~1045)。今回の南アフリカの訴訟で「対世的(erga omnes)義務」概念の実際の適用を見て感慨深いものがある。なお、2019年にロヒンギャに対する行為についてガンビアがミャンマーに対して起こした訴訟もまた同様の構成で、第三国による対世的義務違反の訴訟だったそうだ。
・国際司法裁判所における南アフリカ代表8人の口頭弁論(2024年1月11日):南アフリカはイスラエルがガザのパレスチナ人民に対し、ジェノサイド条約第2条に違反して、ジェノサイドの定義に該当する犯罪を行っていると訴えた。
* 南アフリカ代表による口頭弁論のビデオ(3時間)
South Africa levels accusations of ‘genocidal conduct’ against Israel at UN Int'l Court of Justice
United Nations
* 南アフリカ代表による口頭弁論の逐語録
https://www.icj-cij.org/sites/default/files/case-related/192/192-20240111-ora-01-00-bi.pdf
* 南アフリカによる審理開始請求
https://s3.documentcloud.org/documents/24252642/192-20231228-app-01-00-en.pdf
* 南アフリカ代表の口頭弁論に関する記事の中ではクレイグ・ムーリーが書いたものが最も良い。元イギリス大使(作家、人権活動家)はオランダのハーグを訪れて、平和パレスにおける南アフリカ代表の口頭弁論を傍聴している。メモを取る紙は許されたのに、ペンは凶器になるという理由で取り上げられたそうだ。
Your Man in the Hague (in a Good Way).
By Craig Murray, Jan 11, 2024.
・『ナミビアは、ガザの罪のない市民に対する人種差別主義者イスラエル国家の大量虐殺意図に対するドイツの支持を断固拒絶する
ナミビアの地で、 ドイツ は1904年から1908年にかけて20世紀最初の大量虐殺を行い、数万人の罪のないナミビア人が最も非人道的で残忍な状況で死亡した。ドイツ政府は、ナミビアの地で犯した大虐殺に対して、いまだに完全な償いをしていない。従って、ドイツがその恐ろしい歴史から教訓を引き出せないことを考慮し、ナミビア大統領は次のように述べた。
昨日2024年1月12日、ドイツ連邦共和国政府が、#InternationalCourtofJustice(#国際司法裁判所)において、イスラエルがガザにおいてパレスチナ人に対するジェノサイドを犯しているとして、南アフリカが提起した道徳的に正当な告発を拒絶するという衝撃的な決定を下したことに、深い懸念を表明する。
憂慮すべきことに、ドイツ政府は、ガザにおける23,000人を超えるパレスチナ人の暴力的な死や、食糧や必要不可欠なサービスが極度に不足する中、ガザの85%の市民が国内避難民となっている懸念すべき事態を示す国連の様々な報告書をないがしろにして、国際司法裁判所において、ガザと占領下のパレスチナ領土における罪のない市民に対するイスラエル政府の大量虐殺的でおぞましい行為を擁護することを選択した。
ドイツは、ガザにおけるホロコーストやジェノサイドに相当する行為を支持しながら、ナミビアにおけるジェノサイドに対する贖罪をふくむ、国連ジェノサイド禁止条約へのコミットメントを道徳的に表明することはできない。ヒューマン・ライツ・ウォッチなど多くの国際機関が、イスラエルがガザで戦争犯罪を犯していると厳しく結論を下している。
ガインゴブ大統領は、2023年12月31日に行った「平和を愛するいかなる人々も、ガザでパレスチナ人に対して行われている殺戮を無視することはできない」という訴えを繰り返す。ナミビア大統領は、ドイツ政府に対し、国際司法裁判所において、イスラエルの大量虐殺行為を擁護・支援する第三者として介入するという不適切な決定を再考するよう求める。(ナミビア大統領)』(石田英敬X 2024年1月14日)
・ドイツ公共放送によるナミビアでの植民地支配と虐殺の歴史を説明した2023年の動画。70%の農地がドイツ系住民の地主に占有されていることへの抗議も出てくる。
・翻訳家・くぼたのぞみさん旧Twitter投稿(2024/1/14)より:「英米が支持するイスラエルのガザのジェノサイドを南アフリカが国際司法裁判所に訴え、イスラエルが反論し、ドイツがイスラエルを擁護し、それをナミビアが批判するという展開。ドイツとナミビアの関係はJMクッツェーのエッセイを巡り連続3回書いたので、ここで読めます。
JMクッツェーが2015年にケープタウン大学公開講座で行ったレクチャー「ナミビアにおけるドイツの征服への抵抗Resistance to German Conquest in Namibia」はここで実際に聞くことができます。よかったら。」
・しんぶん赤旗■ドイツがナミビアから持ち去った…「十宇架返還すべきか」【ベルリン歴史博物館公開シンポ】2018年6月21日(木)
https://goo.gl/Xfsb16 ←第2次世界大戦後に起こった内戦の76%は植民地化された地域で起こっていた。
https://goo.gl/xeENi6 ←ドイツ・カッセルで5年おきに開かれている現代美術展「ドクメンタ」、その2002年はアフリカ出身のオクウィ・エンヴェゾーが総指揮を執り、アフリカ視点からの「グローバリゼーション」が意識される画期となった。
https://goo.gl/j7NGVu ←グローバリゼーションとは世界化・地球化を意味する。では何が世界化しているのだろうか。 コロンブスが1492年、「新大陸」を発見した時代、ほとんどの人は農村で生活を営んでおり、当時の人が生涯で最も遠くへ移動した距離は平均24キロくらいだったといわれている。そんな時代、ブラジルにやってきたポルトガルの商人に、土地の長老か問いかけた。
https://goo.gl/vLxgnP ←ポルトガル・スペインの海外進出には、貿易の利益を求めるとともに、植民地を得て富を吸い上げ、支配を円滑にするため住民をキリスト教に改宗させるという側面もあった。
https://goo.gl/1j6ZhV ←植民地支配下の朝鮮から「朝鮮総督府(日本が朝鮮に置いた植民地統治機関)からの寄贈」「盗掘」「略取」でわが国に移った文化財1つ1つをどう扱うのか…原産国に無条件返還の世界的趨勢にキチンと向き合うべき…と。
・2024年3月1日、ニカラグアがドイツをジェノサイド条約違反でICJに提訴した。イスラエルの重大な国際法違反のために使われることを明確に認識しながら、ドイツがイスラエルに政治的・財政的・軍事的支援を行ってきたことがその理由である。とりわけUNRWAへの資金拠出の即時再開とイスラエルへの軍事支援の即時中止を要求している。以下の記事は、具体的な数字を挙げているが、「ストックホルム国際平和研究所によると、ドイツ政府はイスラエルに輸入兵器の23.9%を提供しており、武器調達の面では米国に次いで2番目」だそうだ。言うまでもなく、UNRWAへの資金拠出の打ち切りやイスラエルと防衛協力を行っている点では日本政府も同罪である。
・パレスチナ問題に対する日本の責任
① 第1次世界大戦後に行われたサンレモ会議(1920年4月25日決議)で英仏による中東の委任統治とバルフォア宣言の履行が明記された。参加6カ国中に日本の代表もいて、山東(シャントン)半島の利権や太平洋島嶼の委任統治の承認を求めて日本は決議に賛成した。つまり日本はアジア太平洋地域における植民地支配を認めてもらうのと引き換えに、中東の植民地分割を承認したのである。したがって、パレスチナ問題の起源に日本はまず加害者側で関わっているという歴史的責任を負っている。
② 第二次世界大戦においてはホロコーストを行ったドイツの同盟国であった責任。
③ 2014年のネタニヤフ首相の来日の際に安倍首相は「日本・イスラエル間の新たな包括的パートナーシップの構築に関する共同声明」を結び、イスラエルに対する装備や技術移転が可能になった。このイスラエルとの包括的パートナーシップによって、現在のガザ攻撃に日本の防衛装備品や技術が用いられていることは否定できないだろう。日本は本来ならば、国際司法裁判所や国際刑事裁判所などの判断を受けてイスラエルとの包括的パートナーシップの即時停止を行わなければならないが、この「共同声明」以降、産官学を挙げてイスラエルとのパートナーシップの提携を行っていて、現在ジェノサイドが行われている最中にも防衛省がイスラエル製のドローンの購入も検討したりなど、政府レベル、企業レベル、更にはアカデミアにおいてもイスラエルとのパートナーシップが国策として推進されているので、それを止めさせる責任が有権者にはある。
*日本・イスラエル間の新たな包括的パートナーシップの構築に関する共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000038473.pdf
*2024年3月19日発売の『AERA』3月25日号の24〜25ページに形山昌由さんが執筆された記事「虐殺への直接の加担〜防衛省がイスラエル製ドローンの導入を検討」
*防衛省のイスラエル製ドローン輸入は「一線を越える」。防衛大卒業生が実名で反対する訳【取材・執筆=國﨑万智(@machiruda0702)】 | ハフポスト NEWS
*バナバ民族の日本軍の占領、虐殺、戦争犯罪、強制移住の歴史を知る人は日本では少ない。しかしコモンウェルズ諸国や英国では「西のパレスチナ、東のバナバ」と称され有名です。
北口学さんFB投稿(2021/12/14):
*北口学さんFB投稿:
・特定非営利活動法人パルシック主催<パレスチナ連続講座> 第6回 ドイツとイスラエル―食と農の植民地主義研究を中心として
2023年10月から1年3か月以上も続いたガザ地区へのイスラエル軍による無差別攻撃と軍事侵攻は、4万5,000人(イギリスの研究チームの調査によれば7万人とも)を超える市民の命を奪っただけでなく、住居、学校、病院など、あらゆるインフラを破壊しました。戦争以前はガザ全土の42%(15,053ヘクタール)を占めていた農耕地も約7割が破壊され、ガザ内での食料生産能力は著しく低下、そして封鎖下での厳しい物資の搬入制限により人為的に引き起こされた飢餓は、このままの状況が続けば2025年4月末までにガザの全住民の91%以上を急性食料不安(IPCフェーズ3)以上に陥れると危惧されています。欧州連合(EU)の外相も、飢餓を戦争の武器として利用しているとイスラエルを非難するほどです。
ヨルダン川西岸地区でもまた2023年10月以降、国際法違反とされる入植活動が急速に進められ、パレスチナの人びとから土地や資源を収奪し、一部の違法入植者たちによるオリーブの木への放火など、農地を破壊する襲撃も相次いでいます。
このような明らかな国際法の違反、ガザにおける戦争犯罪と人道に対する罪の疑いをかけられてもなおイスラエルが突き進む要因は、アメリカやドイツによる支援があるからにほかなりません。ドイツのショルツ首相は「イスラエルとその国民の安全はドイツの『国是』だ」と言いました。人権、人道主義を掲げてきたこれらの国々が、イスラエルに対しある意味盲目的ともいえる姿勢を貫くのはなぜなのでしょうか。
パレスチナ連続講座第6回は、ドイツ現代史、特に食と農の歴史がご専門の京都大学の藤原辰史先生にお話しを伺い、ドイツ現代史・ナチズムとイスラエルの関係、そしてパレスチナにおける食と農の暴力について考えます。
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藤原先生より
ナチスが、ソ連兵や中東欧の住民の餓死を3,000万人想定して(飢餓計画)、ソ連と戦い始めたことはあまり知られていない。それは、ナチスが中東欧をドイツにとっての都合のよい経済圏に変えていく東部総合計画と並んで、ナチスの植民地主義的性質を映し出すものだった。帝政ドイツのアフリカでの虐殺を含め、以上のような歴史よりもユダヤ人の虐殺をイスラエルとの関係のなかで唯一無二の悪行と記憶してきたことが、今回のイスラエルのパレスチナ人に対するジェノサイドに対しドイツが批判できない大きな理由のひとつとなっている。とともに、イスラエルの食と農を通じた植民地主義への無関心とも繋がっていると私は思う。本発表では、食と農の植民地主義という観点からドイツとイスラエルの現代史を概説的に捉え直してみたい。
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オンラインでの開催となります。どうぞお気軽にご参加ください。
<開催概要>
日時:2025年2月13日(木)19:00~20:30
場所:オンライン(ZOOM)
スピーカー:藤原辰史さん(京都大学人文科学研究所准教授)
・【字幕付き動画と文字起こし】パレスチナ人スーザン・アブルハワ氏が、オックスフォード・ユニオンで語った感動的なスピーチ(24.11.28)
または
・現代アフリカ地域研究センターのWEBサイトより、宮本佳和「10年にわたるジェノサイド交渉の閉幕と波紋」(「今日のアフリカ」)2024/12/31
>ナミビア内閣は、12日、植民地期の残虐行為をめぐるナミビアとドイツ両政府間の約10年におよぶ交渉の終了を告げた。
・デンマーク・オールボー大のレアンドロス・フィッシャー(Leandros Fischer)准教授(国際学)へのインタビュー記事。「ドイツの歴史に対する贖罪」に潜むナショナリズムと反イスラーム主義的人種差別を指摘。
・レアンドロス・フィッシャー(Leandros Fischer)氏の論文「ドイツの親イスラエルの合意を読み解く」
Leandros Fischer, “Deciphering Germany's Pro-Israel Consensus”
・「ホロコーストの反省が排除的ナショナリズムに通ずる」現象についての記事。「反ユダヤ主義という一般的なドイツの社会問題を、中東を背景とする少数派に押し付けた」と、ドイツ社会を根源的に批判。
https://jewishcurrents.org/bad-memory-2
・新しいドイツの国会決議は、イスラエルの批判者から公的資金を奪おうとしている。ドイツではイスラエル批判者に公的支援を打ち切ることで黙らせようとしている。「21世紀のホロコースト」と呼んでもいいようなナチスまがいのジェノサイドをやっているイスラエルを擁護して批判者を弾圧することで自らの過去に回帰するのではないか。
・イスラエルによるガザでの大量虐殺の恥辱は、今後100年にわたり、国際的な道徳的良心とイスラエル人の精神につきまとうだろう。ドイツの永遠の恥辱に慣れ親しんできたイスラエル人は、今、自分たちが直面しなければならない恥辱に対して何の準備もできていない。
・デイヴ・デキャンプ(Dave DeCamp)の2024/11/9付の記事「ガザでイスラエル軍にできることは『もう何もない』とギャラント氏」Gallant Says There’s ‘Nothing Left’ for Israeli Troops to Do in Gaza
・パレスチナ/イスラエル問題に関して、『パレスチナ/イスラエル論』(有志舎)と『希望のディアスポラーー移民・難民をめぐる政治史』(春秋社)を刊行したばかりの早尾貴紀さんへのインタビュー記事。
・上記のインタビュー番外編。
・ガザの人々の生の声を届けたい——『ガザの光』訳者・斎藤ラミスまやさん、解説者・早尾貴紀さん インタビュー (2024年12月16日公開)
・パレスチナ/イスラエルの傑作ドキュメンタリー映画『ルー181』の上映後の早尾貴紀さんのトークが音声のみネットラジオで公開された。
・Netflixから19本のパレスチナ映画が削除されたとのこと。(追記)2024年10月にNetflixはパレスチナ映画24本をそのラインナップから削除したが、その背景にはイスラエルや米国の親イスラエル団体の圧力があると見られている。
・ガザをめぐる米国医療界の故意で危険な沈黙
ジェノサイド(大量虐殺)と医療戦争犯罪を示す圧倒的な文書があるにもかかわらず、米国の主要な医学団体、学術誌、ロビー団体は、こうした残虐行為に反対の立場をとる義務を怠ってきた。
マンソール・マリク、ラヴィ・チャンドラ、ゲイリー・S・ベルキン 著
・カマル・アドワン病院院長のフッサム・アブ・サフィヤ医師がイスラエル軍に拘束されてから1週間が経過した。報道によれば、彼は悪名高い拷問施設内に拘束されているようだが、イスラエル当局は彼の居場所を確認しようとしない。
・コードピンクのオンライン署名「フッサーム・アブ・サフィヤ博士をイスラエルの拘束から解放せよ!」
・宮田律さんの記事。
・私たちの子どもたちの涙 ニュースレター第1号(2025年)パレスチナからスーダンに至るまで、帝国主義の戦争は罪のない子どもたちの命を破壊し、生き残った子どもたちに長期にわたる身体的・精神的傷を残している。2025年1月
・中村一成さんFB投稿(2025/1/9):「パレスチナでジェノサイドを続ける「現代のナチス」イスラエル。その現役軍人の宿泊予約を本人に取り消してもらったことを巡り、京都市内のホテル支配人が解雇される事件が起きました。
処分されたのはブラジル出身のジェロニモ・ゲレスさん。その彼がホテル運営会社を相手取り、解雇無効を求めた訴訟が今日1月9日に京都地裁で始まりました。
弁論と報告集会、その他諸々を終えて帰宅すると、彼の闘いについて書いた『週刊金曜日』新年号が届いてました。「人間として当たり前のこと、当然のことをしただけ」「知ることには責任が伴うと思います」。日常生活の継続と、人間としての倫理との葛藤の中から紡ぎ出された彼の言葉を肝に銘じます。ぜひお読みください」
・今、イスラエル極右政権から大使館閉鎖とか断交を突きつけられるのは、むしろその国が外交的道義に立脚していることを意味し名誉なことだと考えた方が良い。さすがは英植民地主義に対する独立戦争を戦った国、アイルランドである。
・国際司法裁判所(ICJ)のウガンダの裁判官であるジュリア・セブンティンデは、ガザのパレスチナ人を保護するためのイスラエルの裁判において、同裁判所のすべての判決に反対票を投じた唯一の裁判官であり、現在、大統領に就任する構えを見せている。
Uganda’s judge at the International Court of Justice (ICJ), Julia Sebuntinde, the only judge who voted against all of the court’s rulings in Israel’s case to protect Palestinians in Gaza, is now poised to assume the presidency.
・UNRWA、イスラエルのガザ攻撃激化に「世界は麻痺してはならない」と警告
・東京新聞2024年12月24日朝刊・記事
・2025年1月22日毎日新聞京都版
「ヒロシマとガザ 思い共鳴」
京都市在住の被爆女性花垣ルミさんが被団協のノーベル賞授賞式にあわせてオスロを訪問、パレスチナ、ガザの青年ジャーナリスト、モタズ・アザイザさんと対談。
廃墟と化したガザの映像を見るたびに「あのがれきの下には人が埋まっている・・・」
青年と対談会場を埋めた人々に向けて、「被爆者は何とか頑張って生きています。私たちも何か力になれるのなら、一緒にやります」とうったえました。
目に涙を浮かべた青年は花垣さんのシャツに「from Gaza with love」のサインを。
「被爆80年。世界には被爆者の言葉に耳を傾け、勇気づけられる人たちがいる。」
日本政府がやろうとしないことを、被爆者たちがやっておられます。
・Jimmy Carter criticized Israel’s policies in the West Bank and Gaza as apartheid, and argued Israel’s settlements in the Occupied Territories were the main barrier to peace. “Americans don’t want to know and many Israelis don’t want to know what is going on inside Palestine. It’s a terrible human rights persecution that far transcends what any outsider would imagine,” said Carter in 2007. “And there are powerful political forces in America that prevent any objective analysis of the problem in the Holy Land.”
・中野真紀子さんFB投稿:ジミー・カーターが100歳で亡くなった。敬虔な福音派クリスチャンとして、イスラエルの存続と中東の平和のために全力をつくし、1978年にエジプトのサダト大統領を口説いてイスラエルとの単独講和を実現させました。本人の理想はどうあれ、これを端緒にアラブの結束が崩れ、イスラエルの地位は安定し、占領政策が継続するという罪深い結果になってしまいました。
ホワイトハウスを去った後も、カーターはパレスチナ問題の解決に尽力しましたが、オスロ合意の破綻と占領地における分離壁の建設を現地で目の当たりにするにおよんで、事態が非常にまずい方向に進んでいると考えるようになりました。彼は2006年に、イスラエルの政策は南アフリカのアパルトヘイトに等しく、占領地における入植地の拡大を辞めようとしないことが和平を阻んでいると断言する本を発表し、ベストセラーになりました。当時はまだ、アパルトヘイトという言葉でイスラエルを批判することは過激だとみられていたので、人権と平和推進の活動で高く評価されている元大統領が自著のタイトルに使ったのはセンセーショナルだったのですね。イスラエルロビーからの反発も大きく、民主党内やアカデミアでもバッシングを受けました。
昨年あたりからホスピスケアを受けるようになっていましたが、もし現在のパレスチナの状況を認識していたら何と言ったでしょうね。
・保井啓志「イスラエルにおいて戦争に動員される人間/動物の境界」アンジャリ第044号 無料で読めます
「🇮🇱で現れる人間と動物の境界は、ねじれた形で戦争に動員されている」「動物の権利に対する意識の高さは、まさに倫理における優位性につながっている」
・イスラエルを熱心に支持するボブ・ディランと、BDS運動を支持するロジャー・ウォーターズ。
・パレスチナに関する世界の各種報道機関の発信がまとめられています。
・ハン・ガンさんによるノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」(斎藤真理子訳)全文が一挙公開されています。虐殺が起きたすべての場所で、圧倒的な暴力が攫っていったすべての時間と空間で灯される、別れを告げないと誓う人々のろうそくはどこまで旅をすることだろう?
・ハン・ガン ノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」