坐骨神経痛に枕は有効?

今回は腰と坐骨神経痛について考えていきましょう。
まず坐骨神経痛が起こるメカニズムですが、ここに背骨のモデルがあります。
背骨というのは首と胸と腰、骨盤、ここまでの長い脊椎全体を指す言葉で、坐骨神経痛はこの腰と仙骨の部分から出ています。
腰の骨が5つありますが特に一番下の4番と5番、そして仙骨の1番、2番、3番、この辺りから出る神経これが腰からずーっとお尻、足、膝、脛、そして足先までずーっと伸びている人間の体の中で最大に太くて長い神経、これが坐骨神経です。
この坐骨神経が何らかの原因で傷んでしまって痛みやしびれ、ひいては足が動きにくい、こんなことが起こるのが坐骨神経障害、坐骨神経痛なのです。
この坐骨神経痛の原因となる病気をお話すると、まず皆さんもよく聞いたことのある腰の変形、変形性腰椎症とか、椎間板が出っ張る腰椎椎間板ヘルニア、神経がとても狭くなってしまう腰部脊柱管狭窄症、こういった腰の病気が挙げられます。
でも、それだけではなくその下にある骨盤骨盤の病気や怪我、引いては腰や骨盤にできる腫瘍、頻度は少ないですが様々な原因でこの坐骨神経痛が起こってくるんです。
ですから私どもがお話しするこの対処方法でもしよくならない場合、症状が長引く場合、症状が強い場合は適切な医療機関にぜひご相談ください。
では、なぜ坐骨神経痛持ちの方が枕を調節することが重要かというお話をします。
当院に来る患者さんの多くが夜寝ている時に足が痛い、しびれる、時には足がつるとか、朝目が覚めた瞬間にもう腰から足の痛みが出ているという訴えをよく聞くことがあるんです。
本来であれば体の負担を減らして夜寝ている時こそ腰の負担を減らして神経を回復させる、坐骨神経痛を良くする必要があるんですが、寝てる姿勢が悪いと坐骨神経痛を翌日までまた持ち越していく、ひどい場合はどんどんどんどん悪くなることが考えられます。
よい睡眠姿勢で寝ることが少なからずこの坐骨神経痛を回復するために重要な要素なんです。
特に寝ている時にじーっと寝てしまうのではなく、動かしたいときに体が自由に動けること、これがとても重要。
なぜなら動くことによって腰回り坐骨神経に入っている血流がよくなったり、神経に対する圧迫がほどけて楽になったりするからです。
適切な寝返りが打てるためにはこれまで何度も話している適切な枕、これをきちっと使っていただいて寝ることがなにより大事なんです。
ですから坐骨神経痛を持っている方は枕を整え、自由に寝返りがスムーズに行えるようにして夜間のうちに坐骨神経痛が改善するような土台を作りましょう。
今晩から簡単ですのでやってみてください。
ここでおまけ情報です。枕を整えると寝返りができて坐骨神経痛が改善する可能性がありますよということをお話しましたが、あといくつか寝返りが打ちにくくなってしまう悪い条件っていうのがあります。
それは枕だけでなく体の下にあるマットレスや布団の硬さ。また、上に掛けている掛け布団。この掛け布団にもカバーをかけてしまうとより悪いんです。また、寝る時に靴下を履いて寝てしまう。
もう一度おさらいします。ベッドや敷布団が柔らかくて腰が沈む。掛けている掛け布団がカバーが付いたり、毛布を掛けることがあって体に纏わりついて寝返りが打ちにくい。
足のあたりが靴下を履くことによって掛け布団と絡まって寝返りが打ちにくい。このようなことが起こると本当に寝返りがしにくくなってしまうんです。
適切な硬さのマットレスや布団を使い、掛け布団カバーは使わず、毛布は掛け布団の上に掛け、靴下は履かない。
このようなことをおまけとしてやっていただくとよりスムーズに寝返りが打てて、翌日の坐骨神経痛の改善に役立つのではないかと考えています。是非、皆さん試してみてください。

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