確率思考の戦略論は地方で実装可能なのか?を考えてみた。

どうも、桜井です。

昨日、森岡さんの「確率思考の戦略論を理解し、エクセル予測モデルを使えるようになる!」という講義に参加してきました。

とんでもない本書はこちら。

私自身、マーケターを自称しながらも、確率思考については学びを深めぬまま時を過ごしてきた後ろめたさがあり、「いつかは学ばないとなぁ」と思い、まずは第一歩を踏み出すことにしました。


マーケターに求められる3つのスキル

「確率思考」の話の前に、まず「戦略思考」から少し触れておくと、マーケティングブートキャンプで森岡さんから直接お話があった、「強いブランドをつくり、結果を出すため」にマーケターに求められる3つのスキル、というお話がありました。

1.真の消費者理解
2.真の戦略思考
3.真のリーダーシップ

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私はどれも道半ばではありますが、消費者理解にはそれなりの実戦経験とスキルを持っているはずだ(と思っていました)。しかし、いくら消費者心理が読み解けても、それが戦略に落ち、事業または組織に戦略が実装されなければ、当然ながら結果を出すことはできません。

(そう考えると、消費者のことを知り、戦略をつくり、組織へ実装支援するマーケターって仕事、めっちゃ難しくないですか・・・?!)

ちなみに確率思考を使いこなせていない私は、以下のような戦略思考フレームで仮説構築をしていました。

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また「ブランディング」と「マーケティング」双方の出発点から、それぞれを行き来し、市場分析→事業戦略をつくっていく、という独自のフレームを活用しています。

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◉マーケティング視点:損益分岐点に合わせたビジネスを選択する
魅力的な市場だとしても営業利益が出なければ参入メリットがないため、まずは営業利益が担保できる市場参入考える

◉ブランディング視点:ブランドの存在意義からビジネスを選択する
<[誰(WHO) :どんな価値観の持っている人] に[何(WHAT):どんな提供価値を ] 届けたい。それは [なぜ(WHY) ] だから>の構文を完成させる

最近は事業戦略を構築するフェーズで、北の達人コーポレーションの5段階利益計算表を用いて収益予測を立てています。

↓のような表に当てはめて、事業構造の型をつくります。

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ここまではある程度、思考の型としてできているのですが、あくまで戦略思考であり、確率思考ではありません。私が行っているのは市場分析・ファクトデータから鑑みた際の事業戦略策定〜マーケティング戦略の策定にすぎず、需要予測ではない、ということです。

大きな絵を描けるし、KGIから逆算したKPIの設定は導き出せますが、もう一歩、実現可能性を伴った戦略を描きたい・・・それには確率思考(統計学を用いた事業計画)が必要なのかもしれない、といった課題を持っていました。


確率思考を受講した所感

なにを、どう学んできたか?については以下のnoteがモウレツにわかりやすいため、そちらに譲るとして、、

とても為になったのですが、確率思考を扱う前提というのがあるんだな、と個人的に感じました。特に地方へ実装する場合はいくつか注意が必要だとも感じました。

確率思考をあみ出された森岡さん・今西さんはP&G、USJ出身であり、言わずもがな大企業です。さらに消費財・エンターテイメント施設が対象となるため、浸透率(一定期間の利用数)、LTVが大きくなる事業であるゆえ、複数回の利用が前提とした思考モデルである、ということ。

さらに細かく定義すると、

・大手企業は認知と配荷の伸びしろは中小・零細企業と比較して低いため、プレファレンスに特化している(確率思考はプレファレンスに特化した思考だと考えています)

・消費者アンケートの結果が数値に影響されるため、調査会社へのコスト・消費者インタビューの高いスキルが求められる(問い方1つで回答は変わってくるセンシティブな変数がある)

のような注意が必要だと思われます。上記注意事項を「課題」として言い換えると、以下の3つにまとめられそうです。

①そもそも地方ブランドはプレファレンス(使い心地や使用頻度の向上)以前に、認知・配荷が足りていないケースが多いため、認知・配荷を高める施策の方が優先順位が高い可能性がある

②消費者アンケート調査にコストをかける企業が圧倒的に少数のため(かけたいが予算が足りないケースと、アンケート調査そのものに価値を感じていないケースがある)

③さらに①②の課題を把握し、実践できるマーケター及び事業主体者が少ない(というかほぼいない)

今一度ですが、確率思考の戦略論では売上を高めるためのロジックは以下の数式となっています。

◉市場全体の売上(一定期間)=延べ購入回数×購入1回当り平均購入個数×平均単価

※延べ購入回数におけるシェアを競合と奪い合っている
※消費者の意思決定はそのカテゴリーにおける消費者が持つ相対的なプレファランスによって決まっている

※浸透率=一定期間内にある商品を一度以上買ったことがある人の割合
※購入回数=そのカテゴリーの商品を何回買うか
↑どちらもプレファランスによって決定される

講義の中でも、プレファレンスよりも「M=浸透率」をいかに高めるか?の方が大切であるという議論があったと記憶しており、浸透率を高めるには「いかに、まず一度買ってもらえるか?」が必要であることから、プレファレンスよりも、認知・配荷を高めることで、まず購入を促していく、ということが求められると思います。

さらに本書のおさらいなのですが、消費者のプレファレンスは下記のNBDモデルの式のパラメーターMとKによって決定されるものでした。

(同書P59 より引用)Mは、自社ブランドを全ての消費者が選択した延べ回数を消費者の頭数で割ったものです。
(同書P60 より引用)Kは、消費者の購入確率がどのような分布の形になるかを決めている指標です。

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※以下のnoteより抜粋させていただきました


【現状の結論】地方に確率思考を持ち込むには

グダグダと書き連ねてしまったのですが、結論、地方に確率思考を持ち込むためのトリガーとしては、以下の壁を超えていく必要があると考えています。

①プレファレンス(使い心地や使用頻度の向上)を高める前に「認知・配荷が足りているか?」を事前検証する
※足りていなければまずそこにフォーカスする必要がある

②消費者アンケート調査を「より安価に、より正確に」行うスキームを用意する

③①・②の課題を把握し、「戦略・戦術に落とし込むスキーム」を用意する

さらに細かくいうと、①の認知・配荷とは、具体的に「だれ」の認知なのか?(3C・STPの理解)を特定し、ターゲットに最適な配荷はなにか?を設定するスキルや、②の消費者アンケートの調査設計ができるスキルや、定性調査の場合、内容からインサイトを読み解くスキルなど、さまざまな無数の壁が存在しているようにも思います。

しかし、その各種壁を解消するために私が存在意義を見出したいとも感じているため、地方で確率思考を浸透させるべく、課題を可視化し、実装・実現に向けて一歩ずつ歩んでいきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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