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【ヘルスケア】ヘルスリテラシー③:カラダに備わった3つの体内時計

前回(12)に引き続き,本記事はこちらの書籍を基に書いています。

私たちの体内には,実は 3 つの体内時計が備わっています。

① 中枢時計:体全体の調整を担当するメインの体内時計。脳の中でも自律神経の中枢である視床下部の『視交叉上核』の領域に存在し,神経やホルモンの濃度をコントロールすることで,体全体の統制を司っている。抹消時計や細胞時計の時刻調整を行い,全身の臓器のリズムや細胞分裂のコントロールなどが行われる。太陽や蛍光灯などの『光』の刺激に影響される。

② 抹消時計:胃腸や肝臓などの組織に存在する体内時計。食事や運動などの光以外の要因にも左右される。

③ 細胞内時計:細胞に存在するサブの体内時計。

夜更かしや暴飲暴食をするなどして,これらの体内時計にズレが生じることを『社会的ジェットラグ(時差ボケ)』といい,集中力や作業効率の低下を招くだけでなく,不眠症やうつ病,生活習慣病(高血圧や糖尿病)などにもなりやすくなると考えられています。

さらには,『体内時計の乱れ』が『老化や病気のカギを握る』テロメアにも悪影響を与えるという研究結果もあるようです。

体内時計と日常生活のリズムを一致させる『健康パターン』が,病気の予防に大変重要なのです。

皆さんも,医学的に根拠があり,最も効果が見込める最低限の『健康パターン』を決めてみてはいかがでしょうか。

本書で紹介されているルールを以下にまとめます。

ルール① 起きる時間から逆算して寝る時間を決める
確実に脳とカラダが回復するだけの睡眠時間を確保する。
ルール② 睡眠時間 < 起床時間 < 眠りにつく時間の法則
自分の脳とカラダが回復するために必要な睡眠時間を決める。
→ 起床時間を決める。
→ 就寝時間が決まる。
ルール③ 朝食は絶対に抜かない
人間の体内時計は,24 時間より少し長めの周期でリズムを刻んでいる。
『中枢時計』は朝の光でズレをリセットするが,『抹消時計』は食事によってその日をスタートさせるため,『抹消時計』の補正には朝食が重要にある。

ルール③ に関しては,昨今では食事量を減らすことが健康に繋がるという主張もあるので賛否あるかと思います。

念のためルール③ に関して本書での説明を補足として加えておきます。

食べ物を口にすると,消化管ホルモンである CCK(コレシストキニン)などが分泌されます。
こうしたホルモンや自律神経を介した刺激が脳に伝わり,眠りから活動へと向かうリズムを整えてくれるのです。
朝食を抜くと,活動のスイッチが入らないだけでなく,なんとか血糖値をあげようとグルカゴンなどのホルモンの分泌が活発になります。
空腹時間が長くなればなるほど,何かを口にしたとき,一気に血糖値が跳ね上がり,その後,反動で急降下します。
急激に血糖値が上がると,その瞬間は気分が良くなりますが,インスリンが血糖値をガクンと下げると,眠気やだるさ,イライラ,頭痛,吐き気などが起こるため,当然,パフォーマンスはガタ落ちします。

本日はここまで。次回に続きます。

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