力の概念と空間の垂直性〜横のつながりは目線の高さをそろえることから〜
「ピラミッドの頂点」という言葉から何が思い浮かぶでしょうか。
たとえば「勝者」や「権力」といったイメージが反射的に思い浮かんできてしまう。これは意識的にじっくり引き出されるのではなく、反射的という他ないほどに瞬時に思い浮かんでくるものです。
空間的には、ピラミッドは垂直的な構築物で、「多数の下部が少数の上部を支える」という構造をしています。そこには非対称性が存在します。
抽象的でつかみどころがない「権力」という概念も、物理的に(視覚的に)捉えることのできる関係性の尺度に変換することで、それこそ「手に取る」ように輪郭が見えてくる。
そして、人の身体にも通常は上下があり、足や胴体が頭を支えるという構造をしています。上下関係というものを「身体の非対称性」に置き換えて十巻しているのではないか、という気がしてきます。
とすると、身体の位置関係を「垂直から水平へと切り替える」ことにより、上下を伴う力関係の輪郭が薄れ、「縦のつながり」から「横のつながり」へ感覚が移ってゆくのではないかという気がします。
地面に寝そべれば「目線がだいたい同じ高さになる」と思うと、他者が見ているであろう景色や世界の輪郭がつかめるかもしれない。
「同じ高さで景色を見る」ことにこそ「水平的な関係性(横のつながり)」が開けるのかもしれない、という気付きがありました。