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すぐに結果が出なくても続けるということ

今日は、ジェレミー・リフキン氏(文明評論家・経済評論家)による書籍『限界費用ゼロ社会 - <モノのインターネット>と共有型経済の台頭』より「指数曲線」という一節を読みました。一部を引用してみたいと思います。

指数関数的増加は人の目を欺く。知らぬ間に増えてゆくのだ。(中略)指数関数的増加はピンとこないという人がほとんどなのは、とかく私たちが物事を直線的に捉えがちだからだ。
その後、ITの広い領域でムーアの法則が観察されてきた。ハードディスクの記憶容量にも、同様の指数関数的な増加曲線が現れている。ネットワーク容量(光ファイバーを通過するデータ量)は、さらに急勾配の曲線を描いて増加を達成してきた。光ネットワークを伝わるデータ量は、ほぼ九か月ごとに倍増している。
演算能力の限界費用は、ゼロに近づいているのだ。情報の生成における指数曲線は、私たちの暮らしぶりを根本から変えてしまった。先に述べたように、人類の多くはインターネットで互いにつながり、情報、娯楽、ニュース、知識をほぼ無料でシェアしている。限界費用がゼロの社会に、すでに移行しているのだ。

「物事を直線的に捉える」とは、どのようなことでしょうか?

これは「過去の延長線上で未来を考える」と言えるように思います。

アウトプットがインプットに対して直線的に比例する関係が成り立つと仮定して、「あとこれぐらいの時間でこれぐらいの労力をかければ、これぐらいの結果が出るだろう」と予測するということです。

どれほどのことに「直線的に比例する関係」があてはまるのでしょうか。

気付いたら劇的に変わっていた

ムーアの法則とは「半導体の集積率は18か月で2倍になるという半導体業界の経験則」のことです。「1→2→4→8→16...」という増え方それ自体が大きくなる「指数関数的」な変化にあてはまります。

この法則に導かれるように集積回路(マイクロチップ)が発明されると世界の様子が変わります。高い演算能力を持つ回路が大量生産できるようになり、生産コストが劇的に下がりました。

50年前、コンピューターは一台何百万ドルもしたわけですが、今では何億もの人が安価なスマートフォンを持ち歩いており、しかもその演算能力は、1960年代における最高性能のメインフレームコンピューターの何千倍も大きいのです。

本書では「2000年時点では動画をストリーム再生するのに一ギガバイト当たり193ドルかかっていたのが、10年後の2010年には3セントに下がった」と述べられており、「演算能力の限界費用がゼロに近づく」ことで、私たちは情報の受発信に伴うコストや煩わしさを意識することがなくなりました。

「ある性質が倍増し続ける」というシンプルな法則の力強さを実感すると同時に「スマートフォンがこれほど普及することを誰が予測できただろう」と考えると、「気付いたら劇的に変わっていた」という点が指数関数的変化の特徴であり興味深いところだなと思います。

コツコツと変化を積み上げる

「最初は分からなかったり、結果が出なくても、コツコツ積み上げていると、ふとした瞬間に大きな変化が訪れることがある」

誰しもそのような経験があるのではないでしょうか。

私はヨガを9年ほど続けているのですが、自分の身体に変化を感じることができなくても、コツコツと続けていると、ある日突然、大きな変化が訪れることがあります。

そうした予期せぬ瞬間が訪れるのが楽しいからヨガを続けているのですが、効果を感じることができないぐらい小さな変化でも正しい方向へ積み重ねてゆくことが大事だなと感じています。

ヨガの場合であれば「痛みはあるけど、じっくり身体が伸びて気持ちいい」と感じられるところで負荷をかける。逆に「自分の呼吸が止まる」「気持ちが良くないほど強い痛みを伴う」という時は、必要以上の負荷をかけすぎてケガにつながりやすいです。

結果が出なくても変化をコツコツ積み上げる上で何が大事なのでしょうか。

「無理しすぎないこと」
「嫌いにならないこと」
「淡々としていること」

そんな言葉が思い浮かんできました。

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