あいだの多様性、多義性〜非対称性、方向、そして傾き〜
「人と人のあいだ」
語りながらも語られぬことがある一方、語られぬけれど語られていることがある。
そこには「伝える・伝わる」という対称性だけではない、「伝えていないけれど受け取られている」あるいは「伝えているけれど受け取られていない」という非対称性がある。
非対称性が向きを持つとき、「傾き」という形で表現されることがある。
水がたまった「鹿おどし」が傾き、倒れ、そしてまた元の状態に戻るように非対称性には「動き、動かす力」が内在している。
非対称性による運動の連鎖が持続的な円環を成すこともあれば、円環が途中で崩れてしまうこともある。
人と人のあいだにも「非対称性」が存在しているからこそ、その「あいだ」はたえまなく流動的であり、流れは自由に形を変えてゆく。
「あいだ」は多様であり、多義的でもある。