「"しっかり"という言葉の質感」
「しっかりする」「しっかりしよう」「しっかりしなさい」
普段何気なく用いている「しっかり」という言葉は一体何を表すのだろう、と思うわけです。
緻密、頑健、芯がある、ブレないなど、どことなく硬いイメージ、印象を伴って「固めて形作る」ようなところがある。
一方、身体を通すと「しっかり」という言葉は必ずしも「硬さ」を伴うものではないように思えてくる。
身体の深部にある筋肉、いわゆる「深層筋(インナーマッスル)」をそれこそ「しっかり」働かせて身体のバランスを取る場合、ギュッとした「かたさ」はなく、深層筋にやわらかく包み込むように力が入っている感覚がある。
全身を緩やかに、それでいて力強く繋ぎとめる。
"しっかり"という言葉には「強さ」と「やわらかさ」が重なる「しなやかさ」が備わっている。