充ち満ちるための基盤としての「空」〜過去と現代における空腹感の違いへの想像をもって〜
「適度に空腹感をつくる」
人それぞれ、一日の中で食事のペースがある。
いつどこで、誰と何を食べるか。どのぐらいの量を食べるのか。
医学や栄養学などの様々な学問的な背景に下支えられた、「バランス」をとるという観点で望ましいペースはあるのだと思う。
が、そうした学問が発展する以前は、どのように望ましいペースを見出していたのだろう、という問いが降りてくる。
いつからか「食べたいときに食べる」ことよりも「空腹を感じるまで待つ」ことが大切なのではないか、と思うようになった。
現代に生きる自分自身も「お腹が空いたから食べている」はずなのだけれど「本当に空腹を感じているのだろうか?」と思うことも少なくない。
飽食の時代における空腹感と、食が希少・貴重であった時代における空腹感は全くもって違うのではないだろうかと想像する。
「真に空の状態」があるからこそ、身体の隅々にまで広がり充ち満ちてゆく実感を得られるのかもしれない。