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がんになって仕事を続けられるか悩む気持ちについて解説します【仕事を辞めるなど、大きな決断は、落ち着いてからにしましょう】

がんになった患者さんたちと、働くことについてのお話をすることがあります。治療と働き方について、一般的な情報と患者さん側の感覚を共有したいと思います。もうだめ、やめちゃう、という勢い退職は後で後悔する方もいます。

がん患者さんの3人に1人は「働き世代」なんです。

がん患者の約3人に1人は、20代から60代です。働き世代のみなさんなので、がんと言われると仕事をどうするのか、という話題が出やすいです。

働いていた人を対象にした調査では、お休みをした人が54.2%、がんと診断された後に仕事をやめた人が19.8%いました。そのまま継続した人は26%です。

仕事をやめた19.8%の人のうち56.8%(全体の11%)の人は、がんと診断されて治療が始まる前に仕事をやめています。

このような背景の中で、働きたい人が環境が整わず続けられない、それを減らそうと職場や社会の環境を整える取り組みがすすんでいます。「がんと就労」「仕事と治療の両立」といわれる取り組みです。これは平成25年(2013)から始まって、徐々に広がっています。



がんと就労をプレッシャーに感じる時期もある

がん患者さんたちとお話をしていると、治療が始まる前は、働き続けられるなら続けたいというお話をされている方も、治療が始まって体調が整わず、休職や退職される方がいます。その中で、お休みをすることでプレッシャーを感じる人がいます。自分が取り残される気持ち、孤立する時に、この気持ちになりやすいようです。そんなときは、自己はもうダメだ、もう働けないかもしれない等、自己肯定感が下がりがちです。

結局は自分で決めて実行すること。でも、大事なことは焦って決めないで下さい。

支援や制度が整って、仕事は続けやすくなったと思います。しかし、患者さんたちの感じる不安感は、個人差はあれど大きなものがあります。がんと診断されて半年以内の自殺率は一般のそれに比べて2.7倍で、1ヶ月以内では4倍にのぼります。それだけプレッシャーのかかっている中で、冷静な判断が難しいこともあります。そんなときは、ちょっと落ち着いて、辞めるという判断は落ち着いてからが良いかもしれません。

お休みをとることに罪悪感を感じる方のことはこちらで解説しています。


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