理解されない後遺症 がん治療後も続く倦怠感に悩む方と周りの方へ
こんにちは。がん患者さんが困ることを減らして暮らしやすくしたい会社PEERのさとうです。普段はがん患者さんのお話を聞いたり、その困ったことを解決する仕事を作っています。今日は、治療が終わったのに身体の感覚が戻らないだるさについて、個人的な経験も含めてご説明します。
治療は終わったのに、まだだるい。元気がでない。
治療も終わったし、もう元気に仕事や家事などいつものことが前みたいにできると思っていたのに、だるさが抜けなくて、気持ちが落ち込んだり、なんとなく元気が出ない方がいます。熱もないし、頑張ろうと思えば頑張れる感じなのですが、んー、身体が重い。頑張れば頑張れるくらいの方から、ちょっと動くとだるくてソファに横になりたくなる方までいます。このような症状は抗がん剤が終わった後の人たちの約3割の方が体験していて、月単位から年単位で続くこともあります。
怠けているわけではない、ほんとうにだるい。しかし原因も見当たらない。
「気持ちの問題ではなくて、本当に身体が重くて、なんとなく熱っぽい気がするけれど、熱は平熱で、なんか嫌になっちゃう。」この謎のだるさについて私が聞いている患者さんの声をまとめるとこんな感じです。
治療で食べにくくなって栄養不足や脱水、治療で体力が低下、お薬の副作用など、改善方法が比較的見えやすいものもあります。しかし、何も当てはまらない人もいます。病院で原因を検査をしても異常は見つからないことがほとんどのようです。
一番辛いことは、怠けていると思われること。
頑張ろうとしてもしても身体がついて来なくて、今までのようにできない。今までは何気なくやっていたことができない。庭の掃除や階段の上り下りでも身体が重くて、ついついため息が出ちゃう。仕事に行くと通勤で疲れて、集中力も落ちていて、帰ったらぐったり。こんな感じが続きます。
ご本人たちは、治療も終わったし、前向きに楽しく毎日を過ごしたいと思っていますが、身体がついて来ないのです。このときに怠けているとかズルしていると思われるのがすごく辛いそうです。誰もそんなこと思っていないかもしれないけれど、できないし、迷惑かけていないだろうか。やっぱりまだ病気だと思われないだろうか、今後に不利にならないだろうか。心配事は尽きないです。
栄養・身体のリハビリ、周りの理解と「休むこと」
治療の影響で食事や身体の動かし方が変わっている場合は、食事の工夫やリハビリで積極的に動くなど、身体の元気を取り戻すためにひと頑張りが有効です。ただし、無理すると症状悪化につながることもありますので、医師から特別に指示されている方は程々にお願いします。身体を動かすとスッキリすることはわかっていても、最初の一歩がしんどいです。その一歩目もしんどい時は、個人的におすすめはズバリ、気合を入れて休む。休むこともリハビリの一つだと思います。人間、エネルギーがないときは何もできないです。
そして、周りの方へ。
本当にだるいので、ご理解ください。怠けているとかではありません。がんの治療は身体に負担のかかるものです。内服薬の影響もあります。がんになったストレス、治療中にいつもと違う環境になったことで、精神的にも大きな負荷がかかってきました。それをやり抜いてきた患者さんたちは、リハビリ期間が必要なこともあります。重いものは持つよ、ここは掃除しておくよ、電話の返事はしておくね、と言ったちょっとした気遣いで心が救われます。
がんになった後のだるさに悩むみなさんも頑張っているので、みなさんどうぞサポートよろしくお願いします!
そして、今しんどい方へ。30%の人が体験しています。あなただけではないです!