宮城 誠

詩を投稿したいと思います。 文字起こしの仕事を少ししています。

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くず野菜 【詩】

ぬか床を作るとき キャベツの葉や大根の皮をはじめに入れます 発酵を促し 乳酸菌を増やします 野菜を入れ替えたりして様子を見ながら 3週間ほどかけて ぬか床を育てます そうして おいしく漬かったきゅうりをかじりながら ふと キャベツの葉を思い出します  今まで捨ててきたものたちにも 役割があると知って くずには くずなりの道があると 誰の記憶にも残りませんようにと 願っている私も こうやって思い出してもらえるなら いいかもしれないと さて 私には何ができるだろうかと

    • 追い越された日 【詩】

      まさか半年で そんなに大きくなるはずないって 足の裏を合わせたら 私の親指の先から 君の親指の裏が見えた あとで上履き買いに行こうね 笑いながら足を離す ミルクを吐いてうろたえた日は ずいぶん前のことだった あの日の私に伝えてあげたい 靴のサイズを追い越されて こっそり涙ぐむ日が来るからねと

      • しまった、私 【詩】

        生まれてしまった 育ってしまった 失敗してしまった けんかしてしまった ばかにしてしまった 逃げてしまった 怠けてしまった 隠してしまった 見過ごしてしまった 怒鳴ってしまった 人のせいにしてしまった 傷付けてしまった 夜更かししてしまった 嫌になってしまった 死にたくなってしまった けれど 愛を知ってしまった いろんなことを知りたくなってしまった だから 生きようとしている、私

        • 竜と太陽 【詩】

          ぼんやり眺めていた空に 白くもこもこの竜が出てきて 大きく開けた口で 太陽を飲み込もうとしている 車が5キロ走った頃 竜の体がオレンジ色に 染まっていた 太陽はおなかの中で 暴れていた もしかしたら もう太陽は昇らないかもしれない 早く結果が知りたくて 明日の朝が待ち遠しくなった

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        くず野菜 【詩】

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          9本

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          途中経過 【詩】

          永遠を誓ったあの気持ちは本当 腹が立ったり憎んだりしたのも本当 病めるときも健やかなるときも 愛し続けることはできないと 気付いたのは10年目を過ぎてから これからもずっと一緒にいるような気がするし 明日別れるような気もしている まだ途中経過だけれど 私の人生に大きく関わった人だということ それだけは本当

          途中経過 【詩】

          こんな夜は甘いものが食べたい 【詩】

          こんな夜は甘いものが食べたい もうケーキ屋は閉まってるから コンビニまで行こうか 何を買うか考えただけで 全身の細胞が騒ぎだす どうしたんだ私のからだ 空袋が散らばる中で 気持ち悪いって言いながら 生クリームをすくいたい フルーツの甘さじゃいけないのだ 保存料と添加物だらけの 舌がばかになるような そんな甘いものがいい 明日のつらい腹痛も なかなか消えない肌荒れも おきることが分かってるけど こんな夜は甘いものが食べたい

          こんな夜は甘いものが食べたい 【詩】

          おーいでてこい 【詩】

          使いたいときにハサミがない 定位置にあったはずなのに 予備に買っておいた砂糖 どこにしまったんだっけ いい人だと思われたくて 押し込めていた言葉たち 隠れてないで出ておいで

          おーいでてこい 【詩】

          気がつけば城 【詩】

          作るより食べるほうが好き 料理はどちらかといえば苦手 必要にせまられて立つ台所 あなたへの苛立ち見せないように 洗いものした日 決まりだからと割りきれるほど 気持ちは追い付けなくて 君への愛しさ見せないように ねぎを切った日 真剣に話す姿に成長を感じて にやけないようにするのが大変で こっそり食べたチョコレートも 疲れはてた週末も 台所は隠してくれた 落ちない油汚れが 笑顔に見えるくらい 馴染んだ場所に 私は今日もしぶしぶ向かう

          気がつけば城 【詩】

          気づかなかった 【詩】

          ずっとため込んでたんだね その一粒の涙に どれだけの思いがつまっているの ぎゅうっと抱きしめたら 溢れてこぼれた 全部出して空っぽになって 空いたところに私の言葉 入れさせて あったかいのにするから

          気づかなかった 【詩】

          塩むすび 【詩】

          久しぶりに大きな失敗をした日 塩むすびを食べた お米の甘みと塩のしょっぱさが 涙腺を刺激する できるだけゆっくり咀嚼した おいしい、おいしい だからまだ大丈夫 味のしない食事を続ける日には もう戻りたくないから しっかり食べて しっかり眠ろう 塩大福も追加しよう

          塩むすび 【詩】

          カテゴリ 【詩】

          地球の中の 日本という国に住んでいます 関東で一人暮らしをしていて 文系の学生です 性別は女性です 二人姉妹の長女です 左利きでA型のおうし座です 地雷系メイクをします キノコよりタケノコが好きです 犬より猫派です 小柄でやせ型です 陰キャです こんな私のオリジナル曲 聞いてください 「カテゴリに入れないで」

          カテゴリ 【詩】

          ぺんぺん草 【詩】

          ケイちゃんと行った いつもの公園 草はいっぱい生えていて ひとつ私にくださいな ぺんぺん草をいただいて 実をそうっと引っぱるの 茎を持ってくるくる回して 一緒に聞いた軽い音 顔寄せ合った小さな音 ゆうやけこやけで帰り道 ポッケの中にぺんぺん草 音はもうならなくて しなびた草から見えるのは 錆びた遊具と日の光 青い匂いとケイちゃんの頬

          ぺんぺん草 【詩】

          横顔 【詩】

          優しい風を浴びて 目を閉じる 天使と口づけしてるような その姿に 嫉妬深い僕は 慌てて君の手を握る こちらを見る君に 理由は言えない とりあえず 手を離さないことは決めた

          横顔 【詩】

          暖かい冬の日に 【詩】

          暖かい冬の日に 梅の花が咲いていた 赤と白の2色の花は 道行く人の足を止め わずかに口元緩ませた 脇のほうに落ちている 細い2本の枯れ枝が 雪だるまの腕だって たった1人も気付いていない 日の当たらない道の端 だからこれからその腕を 拾って弔うことにした 近付いたときに赤い実蹴った 暖かい冬の日に

          暖かい冬の日に 【詩】

          足りない 【詩】

          食品棚を漁ると 何かが足りない いつも置いていたのに 補充するのを忘れたようで 何を置いていたのか 思い出せないまま 日常は困らず 何かが足りない記憶は残る その棚を見るたびに 足りないと思うので 他の物を入れるのも 何だかどうにも気が引けて 何かを置いていた その過去を置いたまま きょうも棚の中は 足りないまま

          足りない 【詩】

          出す 【詩】

          トイレに入り 大きく息を吐く 便器に座り 排泄する また一つ 小さなため息 そして一つ ひどい言葉を吐く 人前では絶対に 言わない言葉を吐く 出たもの全て 水に流す ドアを開くとき 少し軽くなっている 苦しいものを 受け止める準備 新しいものを 取り入れる準備 循環させて 私を保つために

          出す 【詩】