選挙の日に詩を書いた
冗談 山口勲
百キロ走ってきた
年末までにあと二回走れば
本州を縦断できる感触があった
サボテンを枯らす
砂糖と塩をまちがえる
いつか使いたかった冗談が現実におきかわるのに出くわすと
そのたびに安心する
だれかを傷つける詩をまだ書かずにすんだらしいことに
これぐらいは書けると信じてひと眠りした後で
冗談にできないと愕然とすることすらある
たとえばこの選挙区に立候補したのは中年男ばかり五人
僕が加わったとしても六人目
ランニングシューズを今朝も履く
現実を拡げることしかできないから
じいさんになった僕の話を信じる人を減らしたい
投票にはもちろん行く
おとといの合評会に出した詩。
結果を見て、女性議員の人数すら減ったり、杉田水脈さんが当選したりして愕然としたと同時に、小川淳也さんが小選挙区で勝つうれしい現実もあった。
いまの貧富の差やジェンダーバランスのおかしい国会がいつかなくなることを祈っているし、それに加わりたい