ぐっさん

移民やマイノリティの詩を訳しています。

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最近の記事

選挙の日に詩を書いた

冗談  山口勲 百キロ走ってきた 年末までにあと二回走れば 本州を縦断できる感触があった サボテンを枯らす 砂糖と塩をまちがえる いつか使いたかった冗談が現実におきかわるのに出くわすと そのたびに安心する だれかを傷つける詩をまだ書かずにすんだらしいことに これぐらいは書けると信じてひと眠りした後で 冗談にできないと愕然とすることすらある たとえばこの選挙区に立候補したのは中年男ばかり五人 僕が加わったとしても六人目 ランニングシューズを今朝も履く 現実を拡げるこ

    • 東京発着のウルトラマラソン柴又100K完走記

      昨日江戸川の河川敷で開催された100kmのウルトラマラソン、柴又100Kを走り、無事に完走しました。 新型コロナウイルスのもと、大会を準備してくださった方、ボランティアで夜遅くまで応援の気持ちで水をくださった方には感謝してもしきれないです。ありがとうございました。 2015年の飛騨高山以来、5年ぶりのウルトラマラソンで、自分がまた100km走れたことにびっくりしています。 ウルトラマラソン、というのはフルマラソン(42.195km)を超える距離のマラソン大会で、柴又100

      • 抱えられないことがおきて

        抱えられないことがおきて 言葉がこぼれていく 藁をなうように集めて できたものを作品といいたくなるときは じっと じっと見るべきだ 縄が草鞋や俵になるように 束ねられた言葉たちはこのあとの 行先を見つけている そもそも 言葉には形がないので 私はピラミッドを建てていたことも 知らずにいるかも

        • 8月23日、詩の合評会します

          8/23(日)に詩の合評会をオンラインでやってみたいと思っています。 合評会というのは、ご自身の作品を参加した人で回し読みをして感想を話し合う会。 いろんな方の詩と知り合う会です。 今回、場所を作ることを通じて、知らない言葉に出会いたいし、詩についてお話ししたいと思っています。 お気軽に作品を持ち寄りいただき、参加ください。 〇日時 8/23日 14:00~17:00 〇方式 ・オンライン会議  お問い合わせをいただいた後、Google HangoutのURLをお送りし

          合評会しようぜ(多分続かないその1)

          5月からオンラインで自作の詩の合評会(がっぴょうかい)を始めました。 合評会というのは、参加者がもちよった作品について話しあい、感想を共有すること。 自作の詩の合評会ということは、一人ひとりが自分の書いた詩を持ちよる会です。 私の会だと、ある人が持ってきた詩について20分~30分程度、参加者が話し合い、最後に作者がコメントをします。 作者の書いた言葉をおしはかるのは体力を使うため、参加者は5人以上10人未満が理想です。 合評会に参加してくださる方のほとんどは ・自分が書

          合評会しようぜ(多分続かないその1)

          6/7 詩の合評会

          6/7に詩の合評会をオンラインでやってみたいと思っています。 合評会というのは、ご自身の作品を参加した人で回し読みをして感想を話し合う会のこと。 新型コロナウイルスの流行に伴い、私自身の生活もかわりました。 今回、場所を作ることを通じて、知らない言葉に出会いたいし、詩についてお話ししたいと思っています。 お気軽に作品を持ち寄りいただき、参加ください。 〇日時 6/7 14:00~17:00 〇方式 ・オンライン会議  お問い合わせをいただいた後、Google Hango

          6/7 詩の合評会

          5/17(日)に詩の合評会をオンラインで開催します

          5/17(日)に詩の合評会を開催したいと思います。 詩の合評会は、詩をひとつずつみんなでもちより、もってきてくれた詩を読んでお話をする会です。 詩に書かれたことをかんがえながら、見つけたいいところや、自分ならこうする、というアイデアを話します。学年や年齢にとらわれず、気持ちよく話をするできるよう、私は努力したいとおもっています。 お気軽にご参加ください 〇日時 5/17(日) 14:00~17:00 ○詩のお題 一行目を「部屋の中の窓から」で始めてください 〇会の

          5/17(日)に詩の合評会をオンラインで開催します

          【詩】ソーシャルディスタンスがわからない

          ソーシャルディスタンスがわからない コロナウイルスが鼻風邪の病原体を表す一般的な言葉だと知ったのは息子に口うるさく手洗いをするよう伝えるようになった何日もあとのこと。 息子には風邪にならないようにするために手を洗おうと僕は言った。もちろん。 するとソーシャルディスタンスがわからなくなった 人に風邪をうつさない距離というのは言いかえると 人につばをかけない距離というのは言いかえると 因縁をつけられても言い返せる距離 1mか1.8mを同じ言葉で言い表す不可解さが 言われだ

          【詩】ソーシャルディスタンスがわからない

          4/29 オンライン詩の合評会やってみます

          突然なのですが、4/29に詩の合評会をオンラインでやってみたいと思っています。 合評会というのは、ご自身の作品を参加した人で回し読みをして感想を話し合う会のこと。 これまでお店などでやってきました。 今回ははじめてのオンライン。うまくできるようだったら、隔週くらいでやっていきたいと思っています。 新型コロナウイルスの流行に伴い、私自身の生活もかわりました。 今回、場所を作ることを通じて、知らない言葉に出会いたいし、詩についてお話ししたいと思っています。 お気軽に作品を持ち

          4/29 オンライン詩の合評会やってみます

          人との距離をとるように言われる中、どうしたら適切に知らない人とコミュニケーションをとれるのだろう。

          コンビニのレジで体を反らせて店員さんとの距離を取る人を見た。 金銭のやり取りをするときも手をいっぱいにのばし、体を反らせていた。 この人には感染させてはいけないご家族かいらっしゃるのだと一生懸命考えた。 それでも、この人が店員さんのことを同じ人として見ていない態度が、その背すじからにじみでていた。つまり、そんなふうに僕は感じた。 いま世界で言われている距離のとり方は、この人のこのような生き様を見せるためのものではないはずだった。 息子のことを思い出した。 滑り台で前に滑った子

          人との距離をとるように言われる中、どうしたら適切に知らない人とコミュニケーションをとれるのだろう。

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(3)

          敬体で書くのをやめた。人に教えることを意識した文章として読まれるのではないかということと、文末の制限の厳しさから文章の速さが落ちるからだ。 さて、正月からずっと書いているこのエッセイは、自分がこの10年でやりたいことを考えている。 そのなかで、自分の2010年代を振り返るにあたり、どうして私は自分と異なるジェンダー、性的志向をもつ人の詩に強く惹かれ、翻訳しているか、を考えている。 前回では自分の身体の弱い違和を視点として書こうとしていた。でも、青葉はるなさん ( htt

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(3)

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(2)

          前回から、私はアメリカ合衆国のトランスジェンダーの若手詩人のアンソロジー『Subject to Change: Trans Poetry & Conversation』(Sibling Rivalry Press, LLC ,2017 以下『Subject to Change』)を紹介しつつ、2020年代にやりたいことを書いています。 いきなり何日も間を空けてしまいました。本当はプルーストを読む人みたいに毎日つづけたかったので、戦略の見直しにせまられています。 さて、『S

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(2)

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(1)

          あけましておめでとうございます 2020年は改めて、現時点の自分を規定する状況と行動について理解を深め、受け入れ、自覚的に生活したいと思っています。そしてそのために、noteは質よりも量を増やして更新したいと思っています。つまり、不器用でいよう、ということです。 私は私をめぐる状況と行動について、昨年一年間、私は矛盾を感じていました。 状況とは、日本国籍を持ち日本で生活する無宗教のシスジェンダー男性として生活すること。言葉をかえると日本国における最強のマジョリティの利益

          新たな10年をむかえて −『Subject to Change: Trans Poetry & Conversations』を読みながら(1)

          お悔やみ申し上げます ***お知らせ***|*れいこ* #note https://note.com/nojieru/n/n2f47a60ea0f0

          お悔やみ申し上げます ***お知らせ***|*れいこ* #note https://note.com/nojieru/n/n2f47a60ea0f0

          早くおおきくなるといい

          早くおおきくなるといい     保育園で別れた息子を思い出すとたどりつく 徴収令状が彼に届く午後 駅前の線路をまたぐ陸橋の上からホームに立つママを見送って 列車より早く出発するよう僕を小突くとき 靴をもつ僕の左手をとって 泣きやまないまま下駄箱までつれていくとき 体を震わせ抗いながら避けえない別れへとすすむ姿は どんな年齢にも重ねうるもの 保育園で別れた息子を思い出すとたどりつく 徴収令状が彼に届く午後 眠気と失敗で泣きだす顔で 戦友の墓を掘る顔が見える 自

          早くおおきくなるといい

          2018年12月に削除した詩客の短歌時評のこと、特に削除事由となった鳥居さんの告発について確信していること

          私は去年、詩客に書いた原稿で筆を曲げました。 阿波野さんに対して行われている鳥居さんの告発は起きた出来事を明らかにして欲しい旨を、言葉を選ばずに書き、そして消しました。 森川さんとはこの記事に関わる全てをなかったことにしたいという提案を受け、同意しました。 それから一年間、その原稿について毎日考えました。もっというと、私は詩歌でも文筆ではなく、私の友人について考えました。 ようやく書く時間を取ることができたため書いています。 1) 私は阿波野さんに対して行われてい

          2018年12月に削除した詩客の短歌時評のこと、特に削除事由となった鳥居さんの告発について確信していること